戦後70年安倍談話に思う、米中関係の変数である日韓関係をどうするのか、という興味深い問題。

sheep-738678_640

終戦記念日の前日、8/14に安倍談話が発表されました。

とても面白かったのが、韓国への言及が少なかったところです。少なかったどころか、

 私たちは、国際秩序への挑戦者となってしまった過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、自由、民主主義、人権といった基本的価値を揺るぎないものとして堅持し、その価値を共有する国々と手を携えて、「積極的平和主義」の旗を高く掲げ、世界の平和と繁栄にこれまで以上に貢献してまいります。

と、韓国を外してきました。

自由と民主主義を共有する国とは手を携えるけれど、共有しない国とは手を携えない。

これは今年2015年の3/2、韓国における抗日&独立運動の重要記念日である三一節の翌日に、外務省HPの大韓民国に関する記述から、「自由と民主主義など基本的価値観を共有する」の文言を抜いたという一種の外交的挑発の前振りに対する〆に当たります。

安倍政権になってからの外交の面白さは、こういうところですね。

rainforest-49878_640

スポンサーリンク
ad

日韓関係は米中関係の変数に過ぎない

…と喝破したのは、日経ビジネスオンラインで「早読み 深読み 朝鮮半島」を連載する鈴置編集委員で、米国と中国のどちらが東アジアの覇権を握るのか見極め、うまく勝ち馬に乗ろうとしている韓国の眼中に、日本はもう入っていないと、鋭く分析しました。

韓国が国をあげて、堂々と反日にいそしむのは、それが理由だと。

朴槿恵大統領は、6月の訪米をMERSの蔓延を理由にドタキャンし、9/3の中国の抗日戦勝パレードには出席しそう…というように、米中の覇権争いを見極めているどころか、もう中国という馬に見切りで乗っちゃってそうですが、その判断がどうでるか、日本相手に慰安婦のことを気にしているよりも、よっぽど韓国という国家にとって重要なことがらでしょう。

このパレードには欧米を始めとする自由主義陣営の国家主席はほぼ欠席するので、韓国の出席は、米中双方に非常に分かりやすい踏み絵になってます。

上海株式市場が暴落し、人民元が勝手に切り下げられてマーケットが動揺、北京にほど近い天津で大爆発が起こる…というこの数日の中国は阿鼻叫喚と言っても過言ではないこの状況の中で、返答をしなくてはいけない状況になりましたけど。

中国共産党の威信をかけて行われる(だろう)軍事パレードに出席すれば、共産主義陣営へのすり寄りが明確になりますが中国に感謝され、欠席すれば西側陣営に残れますがまず間違いなく中国の怒りを、それも割と強い怒りを買いそうな気配がします。

ほんとどうするんでしょうね??

今のところ、式典に合わせて訪中はするがパレードに出席をしない、という見方が濃厚ですが、ということはやっぱり今カレの中国がいいってことなんでしょうか。8/24までには出席如何を発表するそうですが、楽しみです。

この変数を、日本はどうするのか

で、眼中に入れられてない日本は、韓国をどうするのでしょうか。これも非常に面白いです。

当初アメリカは日-米-韓の枠組みで、中国に対抗しようとした。しかしそれを韓国が「日本が(というか、右翼の安倍が)、国民感情を逆撫でするから協力できない」と言って拒んだ。

悪者にされた日本(安倍首相)はどうしたかというと、表向きは韓国との対話を試みるという姿勢を打ち出しつつ、巧妙に韓国を挑発しはじめた。

といっても韓国の日本への非寛容はすごくて、韓国の主張する歴史観・世界観に沿わない言動はすべて挑発になってしまうんですけれど。そこを他国には分からなくても韓国には分かるように言う、というやり方でいろいろ言ってたのがまあ、おもしろかったですね。

  • 日本の朝鮮半島支配を併合と表現(韓国が主張するのは日本による不法な植民地支配)
  • いわゆる従軍慰安婦は人身売買の犠牲者(韓国の主張では、強制連行された性奴隷)
  • 日本の支援で台湾、韓国などのアジアの国々が発展したのは戦後の日本国民の誇り(韓国では日本の賠償と援助についてはスルーがルール)などなど

言葉尻の挑発でこれだけやれるんだから、そりゃ安倍さんは韓国に嫌われるわ。

どうも見る限り、安倍首相は韓国を中国側に押しやろうとしています。

韓国が自由主義陣営にいて防共の盾として存在する限り、日本は賠償をおかわりされ、反省が足りないと糾弾され続ける運命に甘んじるしかない。まあ普通なら、条約を守らない国なんて距離を置くに限りますが、でも本当にそれでいいのか、どういう検証がされているのか、それが知りたい。

new-zealand-583174_640

太平洋側の盾が日本のみになる未来

では、韓国が中国側に本当に行ってしまったらどうなるのか。

私はこれは結構大変な事態になると思います。日本海側に面した大陸国家がすべて共産主義国になり、ロシア・中国という2つの大国への東の盾が日本のみになる。いや、これはきついわ。

日米安保と日印安保、そしてNATOとの協力体制にあるかぎり、日中、日露で戦争になる事はありませんが、常に日本は安全保障的に緊張を強いられる国になる。そのストレスは時間が立てば立つほど日本を蝕むでしょう。ちょっと心配…

おそらくこれを見越しての安保法の改正と、また日本が依存する経済圏をより安全な太平洋圏に移すためのTPP参加なんですね。戦略は感じます。しかし、大変な事態になると思えばこそ、将来的な戦略が隠されたまま進んでいるのは困るなあとも思います。

私自身は、中国というか華夷文化圏に日本が吸収されるのは反対なので、集団的自衛権にもTPPにも賛成ですが、日本海側の日本の情勢なども割と変わってくるでしょうし、なんというかもうちょっとちゃんと議論して欲しいと思いますね。
野党の劣化がこういう時に本当に困ります。こういう安倍さんのセンスは嫌いじゃないけど恐ろしいです。

私は左翼に批判的な人間ですが、安倍首相の暴走と彼らが必死に批判する気持ちは少し理解できてきた気がする。そこまでして韓国を切り捨てる理由も、なんらかの形でちゃんとリークしてほしいな。

スポンサーリンク
ad
スポンサーリンク
ad

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA