花燃ゆ 第二十八回「泣かない女」感想

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なんと5/17以来の宮村優子脚本の回です。もうここまで来ると誰が脚本でも一緒ではありますが、それでもまだ、宮村脚本の回は、なんとかドラマとしての体を成してる気がします。

同じ諦め視聴でも、まだなんとか見られる…ような気が、うーん……

文ちゃんのサクセスストーリーとらや、その第一歩、見てみましょう。

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文ちゃん、素性を隠して奥御殿へ

●アバンタイトルは、禁門の変→長英戦争→長州征討。一気にナレと映像で説明してました。しかし、問題なのはこれが前回までの復習ではないってこと。そう、つまり、メインディッシュは池秀による説明文だけ!! まあそれでもないよりはましですよ、と思ってしまうところが花燃ゆクォリティですね。

●OP後、文ちゃんがお城の奥を取り仕切る実力者、園山様に出仕のご挨拶に伺います。今日は日が悪いから出直して参れ、と言う園山様に、もう帰る場所はありません、なんでもするので置いてくださいと頼み込む文ちゃん。

なんで日が悪かったのかというと、こっちの方が100倍くらい重要な話なのですが、イギリス、フランス、アメリカ、オランダの四カ国連合艦隊に長州が負けて、下関を取られちゃったから。

藩主の正室・都美姫は、お半下の女中たちまで集めて、「奥は私が必ず守る、決して飢えさせたりしない」と話すのですが、これ「篤姫」と丸かぶりですよね…。しかもこの台詞を篤姫の教育係だった松坂慶子さんに言わすとか、まるで過去大河なんて見てませんといわんばかりなんですけど、いくらなんでも、松坂さんと視聴者に失礼ですよ。

そのうえ、この台詞はつまり、長州が滅びるかもしれない一大事を真っ正面から描く事はないという宣言です。飢えたり苦しんだりする事のない奥御殿で、文ちゃんはぬくぬくと女の戦いを戦うという…いやわかってましたけど、こんな大上段から宣言されてがっくりこないわけがない。

●ちなみに毛利家の奥は総勢だいたい200名だそうですが、江戸城の奥は幕末でも1000名くらい。規模が大きく、天下を治める将軍家の奥という格の高さからの「大奥」なんであって、華やかな雰囲気を感じ取ってほしいから毛利家の規模でも「大奥編」とか、どういう思考回路で決定したのか、ちょっと理解し難いですね。

●で、まあこんな状況なので文ちゃんは「久坂玄瑞の妻」という素性を隠して働きます。身習いはまず水汲みから。奥中の防火桶を水を一杯にするため、片手に水桶を一つずつ持って走ります。この辺は、実家で散々やってますからお手の物。が、狭い廊下で人とすれ違い様にこけてお水をぶちまけてしまいます。そんな時、主人公補正で、世嗣君毛利元徳の正室・銀姫(田中麗奈)に声をかけられます。

銀姫「いまさら長刀なんて、役に立つか。お前はどう思う?」
文 「異国には拳銃というものがあるそうです」
銀姫「それじゃ〜♥️」

なんて痛々しい会話。
銀姫は「銃とは美しくない。女子の戦いは美しくないと!」と言いながら去っていきます。

田中麗奈さんは「平清盛」で、気の強いギャルみたいだった由良御前を、誇り高く美しい武家の頭領の妻へと進化させた好演の印象が強いんですが、銀姫も同じ系列の造形でいくつもりなんでしょうか。それにしては演技の毒々しさが気になります。

なんとあの烏帽子直垂は…!

●そんな奥御殿生活をしている文ちゃんは、ある時園山様に呼び出され、高杉小忠太(晋作パパ)から先祖伝来の烏帽子直垂、そうあの高杉晋作が英国との講和の交渉で身にまとったという伝説の装束を、下関の高杉晋作に届けて欲しいと頼まれます。

攘夷派の藩士たちが講和に反対しているため男では危ないし、届けられないかもしれない。久坂玄瑞の妻女であれば、まあ殺されることはないだろう、というような判断を高杉パパと園山様、つまり都美姫がしたというわけなんですが、久坂玄瑞の妻を手元に置いておけば使える場面もあるだろうという策謀から文ちゃんの奥仕えを許した、というのはなかなか燃えるものがあります。
でもあの烏帽子直垂を高杉晋作に届けたのは文だった、ていう創作は、いくらなんでもないよ!絶対ないよ!!びっくりだよ!!

●文ちゃんはこの役目を無事に果たせたら正社員にしてください、とガツガツ。園山様はにっこりと「それはその時考えましょう」とはぐらかし、護衛役兼お目付役の鞠さんをつけて文ちゃんを出立させます。

●かぶせるように、杉家のお母さん妖怪が「あの子も寅と同じように家を出て行くときが来たと思ったんだ。だから奥仕えを許したんだ」と明るく語ります。なんだこの取ってつけた主人公の独り立ち観は…

初めて、正面からの譲れないぶつかり合いが

●文ちゃんは鞠ちゃんと交流しながら、下関へ向かいます。鞠は、文と攘夷派の藩士との現在のつながりを探ろうとするんですが、まあ幸いといいますか、なんといいますか、もともとおにぎり以外の交流はないため、腹を探られても何も痛くない。

久坂玄瑞と死別して家を出てしまうと、わざわざ連絡を取り合うようなこともありません。

八重の桜で、八重さんが新島襄のキリスト教信仰を批判された時、「旦那様の信じるものを否定する事はできません」と言い返すシーンがありましたが、そういう夫に寄り添う気持ちもないんですよ。

いや正直、吉田松陰の妹で、久坂玄瑞の妻ではある女性が、攘夷にも開国にも一見識も持っていないってどういうことでしょうか。

まあそんなことは当人たちの自由だし、そういう人がいてもいい、いたろうとは思いますけど、そういう人の人生を1年間ドラマで追ってもなんの肥やしにもならないということに、NHKは気がついてくれたでしょうかね??

●で、下関では、野村靖たち塾生の生き残りと奇兵隊が講和に反対しており、高杉晋作であっても講和に赴くなんてことは許さない、といきり立っています。下関に到着した文も怪しまれますが、都美姫たちのもくろみ通り「久坂さんの妻女で、奇兵隊に飯を作ってくれた人」としていきなりどうこうされることはありませんでした。

しかし、奥からの使いで来たと言ってしまえば「いったい何しに来たんだ、その荷物はなんだ」となるわけで、にわかに女二人で大勢の戦闘モードの男たちに囲まれて脅される、一瞬先がどうなるかわからないという緊張感のただ中に文ちゃんが放り込まれます。

元塾生たちは久坂の死、禁門の変で敗北、仲間の死というのがトラウマになってますし、攘夷という自分たちの信念からも、講和の阻止について決して譲る事はできない。

対する文ちゃんも夫や兄の名誉の回復のため、奥でのし上がっていくため、野村靖に高杉家先祖伝来の直垂を渡すことはできません。

ここでドラマの中で初めて、憎み合っているわけじゃないけど譲れない立ち位置にたってしまった人間同士が、正面からぶつかる姿が描かれます。

そうなの、驚いた事に、このドラマではこれが初めて。

寅兄と文ちゃんは、ついに最期まで本当にはぶつかり合わなかった。高杉と久坂も、松蔭と井伊直弼ですら、薄っぺらい言葉の交わし合いで終わった。百合パパと寅の間で起こりかけたけれど、最初から親子の情愛というオプラートにくるまれていた。

それがここにきて、ようやく、何故か野村・品川と、文ちゃんの間で譲れない、のっぴきならないぶつかり合いが唐突に描かれた。これには驚愕しました。脚本はなんも考えてなさすぎ。

そしてそんな譲れない対決を治めたのは、まさかまさかの

小田村伊之助

で、爆笑しちゃったじゃないですか、もう。

高杉との再会、そして新しい名前

●文ちゃんは、高杉に直接あって直垂を手渡したいと伊之助に頼み込みます。
英国と講和の交渉に立つ高杉、通訳の伊藤・井上は、攘夷派の藩士、つまり野村靖たちかつての塾生仲間に狙われているため、身を隠しているんですね。

伊之助は文ちゃんについても「奥仕えなんてする必要はない」とばっさり否定。川村さんの回なので、感情ダラ流しはなく、文ちゃんは芯の強さを出して伊之助にそれ以上どうこう言う隙を与えず、高杉への面会だけ頼みます。

●どこかの家の二階に潜んでいる高杉はすっかり退屈していて、「退屈だ、美しい女子が見たい」なんて伊藤俊輔にほざいてるんですが、そこに折よく現れたのが文ちゃん、という演出。

先祖伝来の直垂を父に頼まれて届けにきた、という文に、高杉は英国との講和で長州を開国するというビジョンを語ります。

そして死んだ友人の妻で、師の妹である女に対して、お前も大奥で好きなように生きろ、それも供養じゃ、と煽る。

高杉は文ちゃんのことは美人だとは思ってはいないにしても、とても気に入っている。そういう淡い色調の恋心がわかるようなシーンで、しかも高杉がちょっとはかなくて、このあとあっという間に死んでしまう、そういう感じも出ていて、ここはちょっといいシーンでした…が、もっともっと大事な、というか今回の肝心要の講和のシーンはナレで流すってのはどういうことなのか。いやもうほんとがっかりだよ!! 劇団ひとりさんと高良君で、英語で古事記講釈、超見たかったよ!!

●で、がっかりついでにさらっと流しますと、久坂君を陥れたことになってるっぽい椋梨様が長州藩を以前の保守的体制に戻そうと画策中で、伊之助は山口に戻る文に「みわ」という名前を送ります(伊之助、寅次郎、久坂が文を見守っているの意味だそうな)。

●園山様の指令を無事に果たした文は、正式な奥仕えを許されます。

奥での呼び名を与えようとした園山様を、無礼にも遮って、「みわ」と名乗りたいと訴える文ちゃん。失礼きわまりありませんが、都美姫様が「みわと名乗る事を許す、それをもって褒美といたそう」と引き取ります。いや安く済んでよかった、という都美姫さまの声が聞こえるようでしたよ…

こうして、下っ端ながらも銀姫様付きとなった文ちゃんでしたが、どういうわけか「長州を朝敵という立場においやった久坂玄瑞の妻」という素性が知れてしまい、奥で働く皆さんの態度は氷のように冷たい、そっけないものになってしまうのでした。

主人である銀姫も、「あのものがいつ泣くのか、いつ逃げ出すか、賭けをしよう」なんて言い出しちゃって、それなんのいじめ??

テロの次はいじめ問題にリアルにリンクしだす天然小川ドラマ花燃ゆなのでした…レベル下がってるよ…

伊之助がおかしな方向に進化していく

文ちゃんに対してはもう諦め以外なにもありませんが、どこにでも現れ、ドラマ内のお困りごとはすべて解決してくれる、小田村伊之助さんの登場の仕方には興味が尽きません。

彼は今後どっちへいくんでしょうか。

花燃ゆがたどり着く場所とともに、伊之助という人物の進化っぷりも楽しみです。前向きに。

あ、次回は外出するので、再放送視聴後のレビューになります。

HDとか持ってないんですよー。ははは。

この隙に先日発表された真田丸のキャストについてなど、書くつもりです♪ 早く来年になーれ! アデュー。

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