花燃ゆ 第二十七回「妻のたたかい」感想

humi_catch

前半が終了の第二十七回でした。いやー、なんていったらいいのか。レビューする気力もごっそり削られるくらい出来の悪い禁門の変でしたね…。

気が重いですが「大奥編」を前になるべく終わらせたいのでがんばって見てみましょう…。

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開始18分で久坂玄瑞が死亡する禁門の変

●前回の終わりから引き続き禁門の変です。来島隊が御所にインするものの、薩摩との交戦でさくっと又兵衛隊長が死亡して部隊は総崩れに。

久坂たちも境町御門にたどり着くも、1分ほどの交戦であっという間に久坂が負傷。描写も終了です。

長州ですっぴんの文ちゃんが久坂を案じるシーンが挿入されて、ここでOP。

戦闘シーンが短いなこんちくしょう。

●久坂玄瑞は負傷したものの、抜き身の太刀を支えに(これもおかしいけども)鷹司邸に侵入します。久坂は、それこそすがりつかんばかりの勢いで、元関白・鷹司輔煕さまに長州藩の復権の嘆願をお願いしますが、鷹司さまは「御所に向かって発砲した長州藩の話なぞ、聞く者はだれもおらん」といって、久坂を冷たく足蹴にします。

●久坂はついに進退窮まったことを悟り、死を決意します。塾生仲間の寺島忠三郎が「久坂さんは俺の憧れじゃった、生きるときも死ぬときも一緒です」と久坂の供を申し出ます。久坂は入江に自分の死後のこと、高杉のことを頼み、入江と品川に遺髪を託します。

その品川・入江は鷹司邸を出たところで会津軍に取り囲まれ、入江九一が品川をかばって死亡。

要潤さんが奮闘空しく槍に刺されているその間、松陰先生の留魂録に「こんな終わりで良かったんじゃろか」と話しかける久坂。松陰先生はモノローグで、

「人の命とは歳月の長さではない、10歳で死んでいく者は10歳の中に、20歳で死ぬ者は20歳の中に、それぞれ春夏秋冬があり、実を結んでいる」

と応えます。久坂は「無念じゃない、しじくってばっかりの人生じゃったが四季はあった。後はみんなが志を繋いでくれる」と思い直します。ここはそれなりにちょっとぐっと来たけれど、入江の死から5分後の8時18分、寺島忠三郎と刺し違えたのを見てさーっと冷や水が…

残り25分が「妻のたたかい」か。

久坂君、最期の言葉は「お文、約束を守れなくてすまん、じゃが、俺は生きたぞ。お前も生きろ」でした。

文ちゃんが壊れる

●久坂家にいた文ちゃんは、入江の妹澄ちゃんに、京で戦になっとる、と知らされて杉家に戻ります。

打沈んだ様子の杉家には品川、野村靖が来ていました。

●野山獄の高杉の元には見るからに焦燥とした前原一誠と、高杉妻の雅さんが。すでに何かを感じ取り「このごろ、夢にあの朴念仁が出てくるんじゃ」という高杉に、前原は、久坂・入江・寺島の死を告げます。

●同時進行で、杉家の品川も、文ちゃんに久坂の死の経緯を説明します。

文ちゃんは柱にもたれかかって、品川のほうを見もせず、ブーたれた表情で話を聞いているのか、聞いていないのか…多分、ショックが大きすぎて久坂の死を受け止められない文ちゃん、ということを表現しようとしたんだと思いますが、いやほんと、浅薄でしょうもない演技で参った。

井上真央ちゃんの演技は繊細なんですが、この人の脚本以下の人物解釈のおかげでドラマが迷走している感は否めません。

文ちゃんに比べたら、立ったままとはいえ、正面から落ち着いて対応した澄ちゃんのがよっぽど健気で立派に見えました。

自分をかばって死んだ入江のことを澄ちゃんに詫びる品川も、品川をもう詫びるなと慰める野村靖も、文ちゃんよりずっと良かったと思います。

●長崎の伊之助、長州の敬親公にもことの顛末が知らされます。殿様は朝敵となったことに衝撃を受けます。

●当然のことですが、久坂家は断絶、粂次郎の養子縁組も取り消しとなります。そんな大変な事態の中、文ちゃんがこっそり久坂家に戻ると、藩士によって家は荒らされ、門が閉じられようとしていました(借家ですよね…)。文ちゃんが大事に継いだ久坂君のお茶碗も割れていました。呆然とする文ちゃん。

そこに文ちゃんの後を追って来た粂次郎が、父上に聞いていただくはずだった孟子の一説を暗唱して、文ちゃんを慰めようとします。

思わず粂次郎を抱きしめて泣く文ちゃん。

しかし唯一残された粂次郎すら、すでに文ちゃんからは取り上げられてしまった。思いあまった、そして次第に壊れつつあった文ちゃんは、椋梨家をたずね、藩の重役への取り次ぎを頼み、久坂家断絶の取り消しを頼みます。

久坂家を取り潰されるなんて困ります…」と薄ら笑いを浮かべる文ちゃんに、美鶴様はさすがにやばいものを感じとるのですが、なぜかそのとき、すぐ横から椋梨様が出仕。え、そこは勝手口じゃなかったのか!!

文ちゃんは、椋梨様に取りすがりますが、「無様じゃのう、お前の兄も、夫も」「久坂家とり潰しは当然」という声や言い様から、三田尻で立ち聞きした「久坂たちを痛い目にあわせなければならん」と言ったのが目の前の人物であることに気がつきます。

そうです。実は久坂たちは椋梨様にはめられたのです!!(ちょ…いくらなんでも……)

椋梨さまに「お前にできることは己の無力に泣くことだけだ」と言われ、雨の中、井上真央が嗚咽を堪えて濡れた地面を叩く、迫真の演技が披露されますが、間抜けすぎてなんと評していいたら…

そして文ちゃんは新しい職場へ

●文ちゃんは今度は毛利家奥御殿の園山さまを訪ねます。そんなに気楽に奥御殿の取締役に会えるはずがないだろうと思うのですが、何故か直々に園山様に会うことを許される文ちゃん。

御都合主義も大概にしろよと唖然としていると「台場の件ではお世話になりました」とか言っちゃって……こんな作り話を若い人が真に受けたらどうするんでしょうか。奥御殿を取り締まるような役職にある女性に、下級藩士の、しかも最近断絶になった家の嫁が、アポなしで押し掛けて頼み事なんてあり得ませんから、勘違いしちゃいけないですよ??

●文ちゃんは、久坂家の葬儀の準備をする杉家に戻り、奥御殿への出仕が決まったことを家族に報告します。

そしてここから今回のクライマックス、文ちゃん渾身の感情ダラ流し大会がスタート。

そう、今回のクライマックスは「禁門の変」でも「久坂玄瑞自害」でもなく、夫を亡くした妻の心の叫びでした。

あまりに凄まじかったので、NHKの公式サイトの動画から台詞を拾ってみました。

「分からんからです。なぜあの人が死んだんか。分からんままに弔いを? そげな事できません」

「なぜ死んだんです、寅兄は。なぜ死んだんです、稔麿さんは。入江さんは。なぜ死んだんです。亀太郎さんは。寺島さんは。なぜ、久坂は」

「嫌や、私は受け入れん。許さん。絶対許さん。あの人を殺したもんを。なぜ、それが分かるまで弔ったりなんかせん。涙も流さん」

「小間使いでも下働きでも何でもやります。そうやって政治の真ん中でのし上がって、いつか殿様の御前に出られる時が来たら直にお尋ねします。私の大切な人たちが、なぜ無残に死なねばならなかったんかを」

実際に夫を亡くしたときは、こんな風に思うかもしれない。それを親しい人にはダラ流しするかもしれない。

でもここまで文ちゃんのやってきたことはなんだったのか。

これまで文ちゃんは似たような問いかけをずーっと繰り返していました。

寅兄さまに見えた光は、なぜ私たち家族を照らしてくれなかったんでしょう」から始まり、「もうあなたの後は追いません」まで。

そしてその度に「(寅兄さまがやろうとしていることを)学ばないと」とか「(攘夷とは何か)知りたい」とか、ずーっと言ってました。しかし、ちっとも学んでなかったし、知ろうとすることもなかった。

その間、男たちは「死を賭しても世の中を変えたい」っていう理想をずーっと言っていました。

文ちゃんが、身近な男たちの理想に対して、一度も言及しなかったのは明らかにおかしい。

もしこれまでに文ちゃんが寅次郎や塾生たちのやろうとしていることを本当に理解しようとしていたら、ここで言うべき言葉は、もっと違うものだったんじゃないか。

奥仕えの動機や目的も、もっと高いものになったんじゃないか、例えば兄や夫の志を自分なりに引き継ぐくらいの気迫や強い意志を表明できたんじゃないか。

文ちゃんがそこに行き着くまでの軌跡をこれまでのドラマの中でちゃんと表現できていたら、主人公の格は今よりもずっとあがり、歴史的な事件ももっとまともに描けて、大河ドラマとしてちゃんとしたものになったのではないか…

●奥仕えになったら実家に戻ることはほとんど出来なくなります。

文ちゃんは家族に別れを告げ、文という「無力な女の名」とも決別するのでした。

これはいったいなんなのか

NHKが政権与党に媚びて「花燃ゆ」になったという人がいると思いますけど、私は逆なんじゃないかと思うんですよ。いや逆っていうか、媚びているように見せかけて、わざと長州藩の苦難と偉業を落としてるんじゃないか、と思うんですよ。

例の世界遺産登録騒ぎで松下村塾への言及があり、やっぱりな、という思いを強くしているところです。

多分、花燃ゆは「平清盛」と同じく呪詛大河なんだろうな。

呪詛大河なんて正直見るのもうんざりですが、呪詛が効いてしまうのもあれなんで、逐一反論のためにもレビューはがんばって続けたいと思います。

それにしてもレビューのモチベがこんなものになるとは。

ふつうにヒガシ(か及川ミッチーでもいいですが)で、桂小五郎主人公で長州ドラマで良かったのに。

この混迷の時代だからこそ、あのむちゃくちゃな苦難を乗り越えた長州ものがちゃんと見たかったって思うんですよ。

それなのに大奥じゃないのに大奥編とか、9月から群馬編とか、脚本家が天地人の小松江里子とか、もう笑うしかありませんね。アデュー!!

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