考証批判への批判について。ドラマとして好評が得られないと後押しされないという現実。

ちょっと前ですが、SankeiBizの記事から。

歴史ドラマにおいて創作と史実のバランスはどのようにあるべきか、という難しい問題について。

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まず何よりドラマだから

【高論卓説】「西郷どん」時代考証批判にうんざり ドラマをつまらなくする定説の押し付け  (サンケイビズ2018.2.15 05:53))

(中略)史実といわれるものとの違いを指摘する記事が山ほど掲載されているが、大きな違和感を覚えざるを得ない。大河ドラマは、いつから歴史ドキュメンタリー番組になったのだ。日本史講座でも、歴史解説でも、教養番組でも、ノンフィクションでもない、ドラマなのだ。それなのになぜ、史実を忠実に描くことに、躍起になるのだ。(中略)

(中略)そもそも史実は、古(いにしえ)の記録が発見された氷山の一角の事実を突き合わせた結果にすぎない。水面下には無数の、歴史学者さえも知りえていない出来事が山ほどある。ましてや、人の気持ちがどう動いたかの解釈は千差万別。人の心の動きに思いをはせて、作家や脚本家が自由に表現して、何が悪いと言うのだ。

一部の学者が唱えた定説の押し付けが、ドラマをつまらなくする。(中略)

この議論は毎年の風物詩みたいなもので、まったく目新しい意見ではありません。

花燃ゆの時も真田丸の時も見かけました。直虎の時はどうだったかな? 特に記憶にありませんが、きっとあったと思います。というか直虎は、放送前に「直虎は男だった!」と井伊家が自ら発表してハシゴを外していたし、序盤に厳しい攻撃を受けていたと思います。

大河ドラマは、歴史ファンと一般ドラマ視聴者、両方からの支持がないとヒットしないものです。

ただし、ドラマと歴史、2つの支持軸がある訳ではなく、まず何よりドラマとしての面白さがなければ、歴クラも一般視聴者もどちらもついてきません。

とは言え、それがドラマの面白さのために時代考証をないがしろにしていい理由にはなりません。

ただドラマとして好評が得られないと、史実をベースにした伏線を仕込んでもそれを読み取ってもらえない、気づいてももらえない、解釈してももらえない、史実を無視していると取られかねない、という現実はあります。残念ながら。

逆に好評を得られて、作り込み・積み上げがうまくいくと、創作も好意的に解釈してもらえるようになる。

例えば、小田原征伐で徳川家康・上杉景勝・真田昌幸が北条氏政に降伏を勧めるエピソードに、史実ではあり得ない!という批判はなかったとは言わないですが、好評ドラマに対する批判としてはスルーされました。

とすると、作り手がドラマとしての面白さをまず追求しようとするのは理にかなっている。

でもそのドラマとしての好評を得るのが何より難しいわけで。

私も以前は「史実ガー!」と言ってましたけども、だんだんこの議論の意義自体に疑問を感じるようになりました。

ただし、影響力

ただ、意外とこの歴史ファンによる「史実と違う」という批判は、一般の人というとあれですが、歴史好きじゃない人に大きなインパクトを与えているんだな、ということはわかってきました。

何年間か大河ドラマに注力して得た知見の一つに、「歴史好きはレア属性」というものがあります。歴史好きじゃない人の方が圧倒的に世の中に多いし、そういう人たちは「天皇と将軍はどっちが偉いの?」レベルで歴史(日本史)に興味がなかったりする。

ただ、歴史に興味がない人たちは「好きな人」「詳しい人」の意見を尊重してはくれます。例えば「歴史ファンがあの大河は史実と全く違っていて面白くない」と言っていると報道されると、割とそれも簡単に信じてしまう。

「史実と違う」という歴史ファンや、あるいは専門家の批判を、作品への攻撃に容易に転化する一部のマスメディアのやり口は本当に卑劣ですよ。

この記事は卑劣な攻撃に対する弾劾がものすごくはっきり書いてあることが面白いと思います。

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まとめ職人の朝は早し

※西郷どんのレビューはnote上で行う予定です(2018年内は無料公開してますのでお気軽にフォローをどうぞ)。こちらのブログにも5回ごとに転載予定です。

2018大河 西郷どんレビュー

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コメント

  1. みさと より:

    はじめまして。
    2018年2月の活動報告はどうなっておりましたでしょうか?

  2. みさと より:

    こんにちは。
    2018年3月の活動報告はどうなっておりましたでしょうか?