33回「嫌われ政次の一生」地獄で待ってろが愛の言葉。完全燃焼の結果、愛も視聴者も浄化された神回。

ついに政次退場のXday。

サブタイの「嫌われ政次の一生」にすでにいろんなものをぶっこんでくる鬼畜脚本の、「収穫の日」がやってきました。ハレルヤ。

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真田丸という土台を

しかし、つくづく思うのですが、「直虎」のすごいところの一つとして、昨年2016年の「真田丸」という近年の大河ドラマの不調を軽く一掃した神大河を、うまく土台として取り込んでいる点は確実にあげられると思います。

いや、褒めるべきはそのメンタルタフネスでしょうか。

前年と比べられたくないとか、あまりにも劣るとは思われたくないとか、普通ならメンタルがやられると思うんですよ。

安全・安心に流れちゃうところですよ。

それを軽く乗り越えて、昨年とは全く違う、しかし素晴らしいドラマを我々に提示してくれたスタッフさんとキャストさんたちの素晴らしさにまず拍手を送りたいと思います。

なんとなくですけど、三谷さんが悔しがってる気がしてならないw

では本編の方に、行ってみよ!

嫌われ政次の贖い

前回ラストで近藤殿の罠が発動し、兵は出さないけど抵抗もしない、城も明け渡すという、徳川との約定を違えたと疑われる羽目に陥った井伊家。

どうなったかというと、開門と同時に徳川軍に矢が降り注ぎ、まるで小野が開門と見せかけて不意打ちを狙ったかのような事態になっちゃうんですね。

直虎は思わず政次を逃し、酒井忠次に猛抗議。これが激しい場面なんですが、領主として気品を失わず、毅然とした態度で過不足なく権利を主張する直虎様が大変ご立派で尊い(滂沱)。

政次はなつ・亥之介、小野家の家人たちと共に川奈の隠れ里へ逃げ延びます。

隠れ里で祐椿様やあやめさん、なつさんと再開した政次が、自然に報告するのよかったし、あやめさんがちっとも遠慮しないで「どうするんですか?」って聞くのもほんと優しかった。

政次は女性として愛したなつさんに膝枕させていちゃいちゃしながら、ピロートーク。

が、もう心中では自分の首でことをおさめるつもりでいるのがありあり。

「先代(直親)がひどくてな。全部俺に丸投げした挙句、俺の責任にしようとした」

と例のあの時のエピソードも回収。やっぱりあの時の直親のことは政次もひどいと思ってたねw でも、許してるんだねえ(「なつが笑ってくれる話になったからそれでいい」)。この辺りから涙腺が崩壊する私。

政次は井伊谷に戻ると、いつもの初代様の井戸端で散々考えた末に、なんと近藤殿の寝所を遅い、暗殺未遂を企てます。

戦をしないという戦略が

一方直虎は、牢にぶっこまれても、井伊は全く裏切ってないし、むしろ嵌められたって力一杯主張して全く譲りません。

徳川家康はさすがに聡明で、大体の事情を何を言わずとも察するんですが、武田信玄から今川氏真が逃げ込んだ掛川城を早く攻めるようにと書状が届いたために、ことの審議を放棄する。

これはつまり、兵力を出さない井伊ではなく、兵力を出してきた近藤を優先したということで、軍事協力は一切しないが本領安堵、という直虎と政次の戦略の青臭さが、いざという時にどれほど弱いものかよくわかりますね辛い…_:(´ཀ`」 ∠):

南渓和尚は井伊谷を預かる近藤康用に掛け合い、政次の首一つで直虎も返すし、ことを納めてもいい、という言質を得ます。

しかし和尚はですね、「政次がいなくなったら直虎が死んでしまうから」と、政次を突き出すという最適解を投げ出すんですよ。

和尚様も年をとったなあというか…この人も気丈に柔軟に振舞っていますが、今まで多くの人を見送ってきた傷が隠せなくなってきてますね。

二人を盗み出す依頼

南渓和尚は、直虎を牢から盗み出し、川奈に逃げた政次と共に気賀に匿うように龍雲丸に頼みます。

当然のように「出来ますけどね?」って返すお頭がかっこいいと言うか、話が早い。

あの時のあっさり脱獄エピ、仏像騒動エピ、お頭が盗人になった経緯の説明があったので、視聴者の方もここで「ええ?そんなことできるの!?」などと集中を切らさなくてすむ素晴らしいエピ回収脚本です。

しかし、南渓和尚の謀の前に、政次があっさり近藤に捕まってしまう。

あっさりと言うか、寝所に一人で忍び込んで騒ぎを起こして自分から捕まったわけです。

しかも暗殺未遂。挑発により、近藤康用のヘイトを自分一人に向ける作戦です。

直虎の代わりに自分を盗み出しにきた龍雲丸に、政次は、

「自分が逃げれば井伊の民に被害が及ぶかもしれない。自分がここで裏切り者・嫌われ者として死ぬことがいちばん犠牲が少なくてすむ」

「これが小野の本懐である」

と語り、助けを断ります。

(死の覚悟は決まっていても、「(直虎には)和尚様もいるし、お主もおるし」と言うときにやっぱり嫉妬が出ちゃう政次にちょっと和み・・)

政次が捕まったので釈放された直虎ちゃんは、政次の言い分を聞いてブチ切れます。

しかし何もできない井伊家…。

最後に差し出された直虎の愛

直虎は政次に託された白石(碁のやつね)を手に、井戸端で一晩を過ごしします。ここで今度はテレパシー囲碁の回収ですね。

回収っていうか、もう囲碁盤がなくてもいいレベルの絆が二人の間には育まれていることの表現ですね。

託された白石は、次の手を打てという政次からのメッセージ。

と気がついた直虎ちゃんは、政次を自分が送る決意をする。

いやね、このときは、引導を渡すとか、お経を唱えるとか、磔という酷い刑から目を離さないとか、そういう話かと思ってたんですよ。

まさか、自ら槍をとって心臓を一突にしてとどめを刺すとは。

それは長く苦しまされる磔刑から政次を救う慈悲の一撃であり、そして多くの人が気がついて呆然としていましたが、出家の身で殺生を犯すことで共に地獄に行くという愛の宣言でした。

そして、この事態は何かの間違い、井伊も小野も徳川を裏切っていない、と言い張って聞かなかった直虎が、小野の裏切りに気づき、自ら成敗したというシンプルなストーリーに納めたことで、近藤との確執を解き、井伊家への疑いを払拭して徳川の元で井伊谷三人集と共存する道筋をつけた。

これは、井伊の盾という小野の本懐を認めたからこそ選ぶことができた決断に他ならず、子供の頃からずーっと、報われない片思いと小野家の運命に振り回され、そしてそれに殉じてきた鶴にとって、有り余る報いでした。

政次は、直虎に惚れ直したって感じの、幸せそうな笑顔を見せて死んでいきます。

政次が直虎のことをどう思っているかはなつさんに語れた、しかし直虎の思いの変化は言語化されてこなかった。

政次のことは大切に思っているのは表現されていた、でもここまでとは思わなかった。

直虎ちゃんは、直親のために姫としての人生を捨てて、井伊のために人として女としての幸せを全部捨てて自ら黴の生えた饅頭になる決意をしてきた。

そして、鶴のためには、残された来世の幸せを差し出した。

私が直虎をずーっと視聴してきたのは、この政次Xdayをどう描くか見届けるためなんですが、なんかもうすんごいものを見せられて完全に浄化されましたよ。

政次を褒める声は多いんですが、私は直虎をこそ褒めたいと思います(すでに大好きでしたが、完全に殿クラスタになりました!!)

柴咲コウさんも神がかった美しさでした。

あの美しさは政次との精神的繋がりによる充足がもたらしたもので、それが政次への最後の餞けになったという構造も見えてね、ほんとすごいと思いました。

だがしかし、来週は堀川城

そしてこんなに清らかに成仏した直虎クラスタにぶっこまれる堀川城エピが次回ですよ! 鬼!!!

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