32回「復活の火」小野但馬、家臣としても、男性としても完成して、井伊家が生き残るための贄へ…

神回が続く「おんな城主直虎」です。

3月、当時の井伊家の当主と重臣が軒並み死んでしまう「桶狭間に死す」「走れ竜宮小僧」「さらば愛しき人よ」「おんな城主直虎」は地獄を、泣きながら耐え忍んだ視聴者は、来るべき政次退場から武田襲来へ、震えながら期待していたはず。

それを全く裏切らない作劇の見事さにひれ伏すしかない…のに、ここで視聴率がどうのとケチをつけてきたマスコミのやり口は、昨年、天正壬午の乱の草刈昌幸無双中に真田丸がネットの評価は高いけど一般には不評!ってケチをつけてきたのとそっくりです。

悲劇で盛り上がって胃が痛い!みたいな回はなぜか視聴率が芳しくないのは事実(視聴率が上がるのは、超有名歴史イベント回とギャグ回)。

でもそれを知らないと、盛り上がりなのに盛り上がってないじゃない、と思っちゃうじゃない? それを狙って「ほら、盛り上がってないのよ? 人気ないのよ? ね、視聴率も低いでしょ?」とやりたいかな・・と、ほんとマスコミさんたちに対してはうがった見方をしてしまう最近ですよ。許さん。

と、不愉快な話題を続けてすんませんでした! 振り返ってみましょう、神回。今回は政次と直虎との人間関係に終止符が打たるのがクライマックスです。

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小野政次に盛られたたくさんの属性

このドラマのもう一人の主役として物語を牽引してきた小野政次という人物について、「井伊家伝記」は、親子二代にわたって井伊家を陥れた奸臣で、一時的に井伊谷を専横したと語りますが、このドラマが問いかけてくるのは、果たして、奸臣・忠臣という区分けにどれほどの意味があるのか、ということだと思うんです。

今川家から徳川家への運命の乗り換えの、リミナルな時期を、とある小さな国衆の家がどう乗り切ったのか。

多分ことの善悪を問題にするようなレベルではなく、必死だったと思うんですよ。

その象徴が表向きは今川の目付けで主家の乗っ取りを企む謀臣、実は(ドラマ内では)主家と裏で示し合わせて危ない橋をわたっていた忠臣という小野さん。

この複雑な役所に加えて、家中から何かとつまはじきにされる辛み、幼馴染への恋慕、親友への裏切りと思慕、盛って、盛って、ドラマとしてすごい見応えを生み出したのはほんとすごかった。

これはもう演じるのが高橋一生だから可能になったとしか言いようがない。

旬の役者さんをここまで使い倒してきっちり始末をつける製作陣の腕前に感謝です。

完成

と、前置きが長すぎですが、今回はこの政次が自分の周囲の女たちにちゃんと自分の気持ちを伝え、さらに小野家の家臣たちにも井伊家と通じていたことを打ち明けます。

子供の頃から賢くて、大人になったら二重スパイ。

本心を明らかにしないで忍耐一直線の人生だった小野政次さんが、直虎ちゃんには「ずっと変わらずにお仕えしたい」、なつさんには「殿はずっと憧れの大切な女性。でもずっとそばにいてほしいのはそなた」と素直な気持ちを伝え、それぞれに受け入れられる。

子供の頃からずっと政次に「お前は大雑把でバカすぎ。当主とか無理だろ!」と言われ続けてきたと思っている直虎ちゃんは政次に成長を認められ、また領主としての相棒を得た心強さで泣き、なつさんとは言ってみれば大人の関係ですが、「ちゃんと俺と一緒になろう」「大切な存在」って伝えてなつさんの思いを受け止めるの、それぞれにすごくよかった。

「あるいは裏切りという名の鶴」回で直虎に受け入れらてから、特にエピソードで説明はありませんでしたけど、役者さんの演技でだんだん落ち着いてきて、家老としても人間としても成長してきていたのが、このプロポーズできっちり表現されましたねえ。

正直家臣たちに頭を下げるシーンは、ちょっと現代劇風すぎるなあ、と思いましたが、家臣たちの気持ちをきちんと汲みあげるエピが挿入されるのは、モブでもおろそかにしない直虎らしい丁寧な作劇なのでもう全然おっけーです。

家臣としても、男性としても完成した。主君としても完成した。

井伊家が生き抜くために、小野政次以上の贄はない。そこまで描いちゃいましたね…。

「八重の桜」で、新しい武器・戦術をもたらすことで出世し、周囲に認められてきた山本覚馬が、死の直前のスピーチで「もう二度と、戦うことを学ばない」と言い放ったときの凄まじさを(八重本編はスカってしまいま下が)、政次から感じそうな予感がする…

政次死なないでって祈ってる政次クラスタのみなさんごめんなさい。大河ファンとしてこの展開は最高です!

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