花燃ゆ 第二十五話「風になる友」感想

humi_catch

全然期待してなかったんですけど、意外と面白かったです。

ホームドラマでしたけど。

子役ショーでしたけど。

メインディッシュの池田屋騒動部分はちょっとでしたけど。

しかし、

吉田稔麿くんの死>久坂玄瑞・入江九一の敗死フラグ立て

この二つにチャンネルを合わせて全体が構成されていたので、ドラマが立体的な感じがしました。

いや、ちょいちょいおかしなところもありましたけれど、でも松蔭が死んでから一番良かったと思います。

大島さんもちゃんとイベントを割り振ってもらえれば書けるんだね、というべきか、大島さんが少しずつ歴史ドラマを書けるようになってきたと思うべきか、悩ましいですが。

前置き長くなっちゃいましたけど、さて、ドラマを見てみましょう。

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戦の予感

●前回、藩に無断で京都へ向かった高杉晋作は脱藩したと見なされて、野山獄に収監されてしまいます。

しかし村塾の塾生は収監くらいではめげません。師匠が罪人でしたから普通より打たれ強いんですね。多分。

高杉は来島又兵衛を暴走させないようにと指示を書いた手紙を文ちゃんに託します。

妻の雅さんもやってきて、高杉に懐妊の報告をし、父上は志を持って働いているんだから、獄に繋がれたからと言って、何も恥じることはないのですよと腹のお子に言い聞かせます。

●前回養子にもらった粂次郎は、久坂夫妻が家を構えるまではこれまで通り寿が養育を続けることに。

で、その肝心の久坂家ですが、文ちゃんがのんびりしているもんで、寿姉さんが椋梨奥の美鶴様に空き家を紹介してもらって探してきました。

寿姉さんは「いいと思いますよ、女が夢を見ても」と倒置法(大島脚本はこの台詞使いが多すぎだよ)と、文ちゃんを美しく励ましますが、左遷された藩の重役の奥方がまるで町娘のようなピンクの着物でびっくりです。いいのかこれで。

●京都に潜伏している桂、久坂は、熱すぎる男・来島又兵衛の暴走を心配していますが、そんな中、吉田稔麿により、どうも薩摩と会津の同盟がどうも崩れたらしいという知らせがもたらされます。

長州にとっては千載一遇のチャンス(そうか?)、この隙にに兵を率いて京都に登って長州の汚名を雪ぐために嘆願しよう、と久坂は山口に戻ることになります。

吉田君は、日米修好条約が結ばれる前に一部の大名家に配られた草案を入手したりしてますが、今回の機密情報もどうやって手に入れたんでしょうか。

そして、軍事力を背景に嘆願という発想もどうなのって感じですね。

ホームドラマと池田屋騒動

●杉家には「山口に戻るから家族3人で過ごしたい、もしかしたら戦になるかもしれないし」と久坂から手紙が届きます。動揺する文ちゃん。

杉家の面々は久坂を励ます手紙をしたためます。

●長崎に左遷された伊之助は、実兄・松岡剛蔵と武器の買い付けのため、グラバー園で有名なトーマス・グラバーを尋ねます。

このトーマス・グラバーって大河ではあんまり詳しく描かれませんけど、現代の香港上海銀行(HSBC)系コングロマリットの元となったジャーディン・マセソン商会の長崎代理人。

アヘンの密輸でさんざん儲けた海千山千みたいな連中の代理人ですから、当然伊之助たちもふっかけられます。

まあ攘夷を決行しようとしながら、外国人商人に武器を売ってくれ!と頼み込む伊之助たちの面の皮も相当厚いと思いますが。

●ここでちょっと子役ショーが入って、文と粂次郎が山口に出立するシーンになります。

粂次郎が生母から離れたがらず、イヤイヤしますが、いつもより抑制が利いていたかな、寿に諭された粂次郎は文に手を引かれて旅立っていきます。

深く頭を下げ合う姉妹は良かった。

●山口の藩庁では、久坂が「軍事力をちらつかせて天子様のお許しをもらえるようがんばります!」とプレゼン。

絶対に戦争にはしません、脅しだけです、脅し」って、いやそれ絶対なにかあったら即戦争になるだろと思うんですが、世嗣の元徳くんも賛成したため、敬親公は「そうせい」と許します。

池田屋騒動

●京では、吉田、宮部鼎蔵らが、8.18の政変の絵を描いたのが中川宮であることを知り、暗殺を企てています。

ついでに会津藩主の松平容保も排除しちゃおうという勢い。

京都に潜伏して機会を待つっていうのはそういう意味だったんですね。恐ろしい。

幕末の下級武士の暮らしはかなり貧しくて、一説には水呑百姓以下とも言われていて、彼らの長期にわたる鬱屈が爆発していくのが幕末なんですけど、「花燃ゆ」ではそういう貧しさに焦点をあてて描いていないので、すごくあっさりナチュラルにテロリズムに走っていくのが、なんというか、おもしろいよね。

あ、一応、桂小五郎は一生懸命止めてましたが、久しぶりに登場した宮部鼎蔵が、松陰先生との東北視察の思い出を語ったりしてヒートアップ。

吉田君が「愚かなる吾れをも友とめづ人はわがとも友とめでよ人々」と、留魂録に記された和歌を、なんの力みもなくさらっと詠むシーンにしびれましたね。

一同、わしらはみんな友じゃー!っと無闇に盛り上がりますが、梅田雲浜の弟子で中川宮・松平容保の暗殺計画を知る商人・古高俊太郎が新撰組に捕まったという知らせが届いて青ざめます。

●古高俊太郎は鬼の副長の拷問に合いますが、口を割らず。

やけに腹黒そうな沖田が「別のやつを捕まえにいきます」なんていっちゃってコワッ(だがこれがいい)。

●…と期待を持たせながら、突然舞台は山口で、文・粂次郎が久坂玄瑞に再会するシーンとなります。

粂次郎がやっぱり生母が恋しくなり、「おいとまいただきます」と書き置きして家出をする(子供なのでほんと切ない)、文が慌てて飛び出すと、路がわからずに立ち尽くす粂次郎を見つける。

そして粂次郎になにやら話しかけている長身の男。

…というコテコテ演出で久坂と再開してましたが、まあいいでしょう。フラグだしね。

●で、まだまだフラグが続きます。杉家の面々が書いた手紙を久坂が呼んでいくのですが、

百合之介「義父として誇りに思う」

滝「どうぞご無事で。文と喧嘩しないように」

亀「義父上と旦那さまは頼りない。早く家に戻って来てくれ」

梅太郎「破天荒な弟の扱いには慣れている。頼りない義兄だが頼ってくれ」

久坂は、実の親兄弟よりもよくしてもらったと感謝します。

その夜は親子三人、粂次郎をはさんで川の字になって寝ます。粂次郎の可愛さにメロメロしながらイチャイチャする久坂夫妻です。

●ここで京都に戻り、いきなり池田屋で、近藤勇の「御用改めである!

気の抜けた池田屋騒動になるだろう、と思ってましたが、意外にもちゃんとやります。といっても1分くらいかな…30秒くらい沖田総司の池田屋無双もありました。

あ、喀血はなかったですよー。

死に行く人々

●桂と吉田稔麿は1階にいたのでなんとか脱出し、藩邸に助けを求めに走ります。

が、突然吉田が「自分はやっぱり行けません。池田屋に戻ります」と言い出します。

ここで戻ったら無駄死にだ、と説得する桂、いい人。

吉田君はずっと松陰先生を裏切ってしまったことに負い目を持っていました。

初めて吉田君が、表舞台に出なくていい、目に見えない風のように久坂さんや高杉さんの手伝いができればいいと思っていた、という辛い胸のうちを明かします。

吉田君のことはコテコテとは語られなかったけど、いつの間にか普通に塾生仲間に戻って来てて、孤立する久坂を気遣ったりと、控えめだけど心に傷のある人として描かれていたよね。

瀬戸君が、戻って来てからの吉田君をちょっと影のある感じに、控えめに演じていた。

ああ、辛かったんだなーと思い出せるよう、ちゃんと造形されていたと思います。

で、彼は死を覚悟して池田屋に戻ります。松蔭や自分たちを友と言ってくれた宮部鼎蔵(ビビる大木)を助けるために。

●またカメラは山口に戻ります。「今日はやけに風が冷たいのう」と何かをキャッチする久坂玄瑞。

そこに入江九一他塾生たちが、吉田稔麿の死を知らせます。ここから回想です。

吉田君は、池田屋に戻る途中、会津藩士に囲まれてしまい、奮戦の末に四方から槍で刺されるという壮絶な死を遂げます。

遺品には赤黒く変色した紅葉(文ちゃんへの恋心を示すアイテム)もありました。うわ、切ない。

「俺は死なん、俺たちの志は死なん」

吉田稔麿くん、ご臨終です。合掌。

●塾生たちは「稔麿の仇討ちじゃー! 戦じゃー!!」と号泣するんですけど、久坂玄瑞はそれをビシっと止めます

しかし、内心はもう悔しくて悲しくて…

というところで、今回の感情ダラ流し劇場です。

私の前では本音を言ってもいいんですよ? と、どこかの京都の芸妓さんも使ってた台詞に、久坂の涙腺が決壊し、「稔麿を殺したあいつらが憎い」とまで言う久坂。

うーん…

●そんな久坂に、文ちゃんは、自分には夢があるんですよ、と語りかけます。

●文ちゃんの夢、それは、

・こじんまりとした家族の家を持つ
・塾を開く
・久坂玄瑞は教える、敏も、高杉も。いつでも開いている、誰でも入ってこられる塾にする

いや知ってたけど、知ってたけどさ…。

文ちゃんの言葉に久坂も慰められて、もしかしたら粂次郎の下に弟とか妹がいるかも、とか前向きな言葉を口にします。

喧嘩の仲裁は入江に頼もうとか。高杉には三味線でも弾かせとけとか。

(でもそこにもう稔麿くんはいないのよね。ホロリ)

久坂的には、自分は誰でもなりたいものになれる国にしたい、というのが夢と語ります。

絵描きになりたければ絵描きに(魚屋の亀太郎の回想)、武士になりたければ武士に(過去の自分)。

文ちゃんがお握りにぎってたければお握りにぎってればいい、というね。

↑これはメタギャグかな。

文ちゃん「そこに貴方はおりますか」 久坂「おる」「おれはお前たちと生きる!」みたいなのも付属。

●ここはコテコテなのもアレでしたが、過去に似たような台詞でドラマやっちゃったの忘れたのかな? っていうくらい似たようなシーン、似たような台詞の繰り返しなのにはびっくりしましたね。

いや誰か止めなきゃいかんだろう…。

あ、入江九一もフラグ立てされてまして、妹の澄ちゃんに「松陰先生を守れなかったから、久坂を守る」と話します。

要さんがイケメンでステキでした。

●翌朝、長州藩士2000人が京に向かって旅立ちます。文ちゃんは粂次郎とともにそれを見送るのでした。

瀬戸さん、お疲れさまでした

今回は、なにより感情ダラ流し劇場がいつもより抑え気味だったおかげで、そんなに不快にもならず、普通に見られましたね。

欲を言えば、稔麿がどんな風に情報収集してたのかとか、もっと描かれていればね。

あとは久坂玄瑞がもっともっと頭の良い男として造形されてればね……

吉田稔麿役の瀬戸康史さん、おつかれさまでした。

そういえば、私は松下村塾推しメン診断が稔麿くんだったんですよね。あまりピンとこなかったんだけど、ついつい熱が入ったのはそのせいかしらん。推しメン診断、侮れないかもしれません。

さて、次回から予算をふんだんに使った? 禁門の変です。もう不安でたまらない>< アデュー!

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