真田丸 第四十七回「反撃」レビュー〈1〉憔悴の茶々。徳川との和睦。信之は浮気現場に踏み込まれる修羅場。

四十七回です。大坂冬の陣の和睦がテーマです。

徳川方が大坂城に大砲を打ち込む。そのうちの一発が淀殿の座所に命中し、淀殿は侍女が死ぬのを目の当たりにし、心が挫けてしまう。徳川殿和睦交渉により、大坂城の堀が埋められてしまう。

よく知られたエピソードをどう描くかなーと思ったら、地獄の女子会再びだったという衝撃ですよ。ええ。

というわけでレビュー、行ってみましょう。

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和睦

●徳川方がカルバリン砲で打ち込んだ砲弾が、淀殿の座所を狙って打ち込まれたことに片桐且元はすぐに気がつきます。

「話が違う」と猛抗議するも、戦モードの家康はしれっとスルー。腹黒たぬきモードの時の大御所の容赦のなさ時たらすごいですからね。

且元が胃を抑え、なんとここで有働さんの死のナレ。

「秀吉亡き後、豊臣政権をたった一人で支えてきた片桐且元は、秀頼の死の半年後に死亡する。病死とも、自ら命を絶ったとも言われている」

(文言は違ってたと思いますが、だいたいこんな感じと言うこと)

しかし、ネタバレですが、片桐且元はなんと最終回に寧とともに再登場します。ナレ死の後に画面に登場したただ一人の男にするあたり、ミタニンの小林愛がすごい。

●目の前で大勢の侍女に死なれた茶々はすっかり心が挫けてしまい、徳川との和睦に転じます。ここは史実通りのエピですね。

幸村は今は和睦してはならないと説くために、茶々の部屋を訪れますが、大蔵卿に冷たくあしらわれてしまう。

ところでここできりちゃんと幸村の会話が入ります。

茶々が侍女達の死体に歩み寄ろうとしたのをきりちゃんが止めてお守りした、と聞いて「それはありがとう」「意外だった、嫌いなんじゃなかったのか?」しか出てこない幸村、お前は本当に、どうしてそうなんだ。どうして「お前も無事でよかった」って言えないんだ。ぐぬぬ。

●牢人たちは和睦と聞いて、不安を感じ始めます。彼らは豊臣家に召し抱えてもらうと言う希望を持って戦ったのに、そのことは一切保証されていないんですね。

この時は、毛利勝永と後藤又兵衛が、「何があってもこの兄貴がお前たちのことはちゃんと面倒を見てくれる」「おう任せたとけ」と牢人たちの不満を受け止めてくれます。彼らも武将ですから色々わかっててアシストしてくれるわけですね。

評定

●しかし、茶々の意思が覆らない以上、和睦するしかありません。諦めた幸村は、なるべく自分たちの希望を通そうと取りまとめを計ります。

問題は牢人たちの処遇ですね。

牢人たちを許して可能なら召抱えるとすると、徳川の要求も可能な限り受け入れなければなりません。

有楽斎は、人質を要求されるだろう、おそらくお上様は江戸に行くことになる。あるいは右大臣(秀頼)様が大坂を離れるか、と冷静に分析します。

●意外なことに秀頼は「父の城を離れるのは忍びないが、大坂にこだわっているわけではない。再び太平の世が訪れるのであれば」と大坂城を出ることに賛成します。

母親の茶々もどこか小さな国に行くことになってもちっとも構わない、と言っていたし、真田丸での茶々・秀頼母子は、豊臣家の政権支配にこだわってはいません。

では何が豊臣家を滅ぼしたのかというと、評定で出た全てのアイデアに反対した大蔵卿局、彼女が代表していた、秀頼や茶々の周辺にいることで権力を得てしまった人々なのでしょう。彼らは豊臣家が徳川の大名となると、陪臣にクラスダウンします、当然所領も減らされることになるわけです。

●この評定は、茶々が幸村を呼び出したことで中断されます。

普通なら、評定に参加している家臣を途中で呼び出すなんてあり得ないのですが、茶々の憔悴をその場にいる誰もが知っているからしょうがないんでしょうね。

恐怖

●茶々は大きなショックを受けていて、見るからに憔悴してフラフラです。

幸村に抱きついて恐怖を紛らわしながら「茶々を叱ってください。あれほど和睦はしないと言っておきながら」「このようなことはもうたくさんじゃ」と震える茶々を見て、幸村は気持ちが変わると言うか、もともと茶々に助けを請われて大坂に来た訳ですから、戦争を長引かせるのではなく、和睦して豊臣親子を大坂城から解放するのも悪くないと考え始めます。

●なので幸村は五人衆に和睦の話をするときも、テンションが低めになります。

長宗我部盛親や明石全澄は、家の復興ですとか、キリシタンの保護ですとか、明確な目的があって大坂方に力を貸した訳ですから、それが反故とされる可能性の高い和睦には強く抵抗します。

毛利勝永は「お前とお上様が男女の仲って噂もあるけど?」と幸村に揺さぶりをかけ、後藤又兵衛の兄貴は黙って様子を伺っています。

●ここでちょっと牢人たちと幸村の間に亀裂が入るわけですね。

幕間狂言

●その頃江戸では、信之兄上の浮気が稲ちゃん・おこうさんの正室側室コンビニばれていました。

お通に膝枕されながら「弟が命がけで戦をしている。いても立ってもいられぬ」とかっこよくつぶやいているところに、妻たちが勢いよく襖を滑らせて乗り込んでくるシーンは、控えめに言って最高でした。

●ここで、お通さんは大名たちのメンタル管理が生業で、信之は要するにお客、しかも客の一人にすぎなかったと言うことが明らかにされます。

その合間のやり取り、おこうさんを片手でいなすお通さんのかっこよさとか、へちゃっとやられるおこうさんの可愛らしさとか、武将のような毅然とした態度で「あなたはもう結構」とバッサリやる稲ちゃんとか、兄上のオロオロなどのおかしさは、ぜひ実際に見て!nhkオンデマンドで216円だから。

●要は、大坂城方面のしんどい展開を緩和するための幕間狂言として、信之の浮気未遂が差し込まれたのですが、本当に色々面白かったなあ・・w 大坂に向かう作兵衛を止め損ねるところといい、役者さんたちはよくあんな真面目な顔でこんな面白いシーンを演技できるなあw 特に大泉さんww

真田太平記クラスタの中には、信之とお通さんのエピをこう言う風に扱ったことに対してお怒りの向きも多かったと思うんですが、私は高級クラブとメンタルヘルスを組み合わせて生業にしているお通さんの逞しさにとても好感が持てました。

●なお、お通さんと信之はこれで縁が切れたわけではなく、この後も手紙のやりとしをしています。さらにお通さんのお墓を世話したのも信之ではないかと思われます。

信之の次男・信政は側室に二代目小野お通(初代の娘ですね)を迎えています。

作兵衛もまた真田の男

●さて大坂城では、中庭の畑で野菜を作っていた作兵衛を、牢人たちが呼び出します。

牢人たちは豊臣上層部を信じていない。しかし幸村のことは信じたいと思っている(が、先ほどのシーンでちょっと亀裂が入った)。そこで古くからの部下である作兵衛に「お前の主人・真田幸村ってどんな男だよ」と尋ねるんですね。

●ここで作兵衛さんのすごい見せ場でして、大勢の牢人に取り囲まれながら、全く怖じける様子もなく、「源次郎様のことはよく知らん。京にいるときも九度山でもお側にいたわけではないから。しかし父君・真田安房守様のことはよく知っておる。あの方ほど義に厚いお方はおらん」と語り、裏切ってばっかりだったじゃないかと突っ込まれても堂々と「とんでもない誤解だ」と申し開きをします。

「あの方は生涯かけて信玄公にお仕えした。信玄公の領地を取り戻すために、手段を選ばなかっただけじゃ。源次郎様はその血を引いておられる。太閤殿下のご恩に報いるためならなんでもするはずじゃ」

●これは昌幸公への脚本家からの餞けですが、昌幸を作兵衛に肯定させる趣向はよかったですねえ。

幸村が自軍の兵士たちに着せた「赤備え」は武田の武勇の証ですから、武田に生涯仕えた義に篤い真田安房守の血を引くものとして、幸村の誠実さが非常にきれいに証明されます。

常高院

●さて、その頃、徳川の本陣では、大坂からの和睦条件が届きます。

牢人たちを召し抱えたいから、領地を増やして欲しい。その代わり大坂城を出る。四国に二カ国をくれ。

という内容に、秀忠は総攻め!といきり立ちますが、本多佐渡が、和睦に応じると見せかけて大坂城を丸裸にするという家康の謀略を説明します。

●家康は四国はやらん、関東に下向してもらう。やるのは安房と上総、と条件を出します。

関東民の私は安房と上総なら上々じゃね? あったかいし土地も広いよ?って思うんですが、秀頼気味は、徳川の監視が厳しそうな関東への移封には難色を示します。

●ここからは直接死者を立てて話し合うことになるため、幸村は本多佐渡を警戒し、有楽斎ではなく、常高院を使者に立てることを提案します。

常高院、それは茶々の妹。浅井三姉妹の次女、初様です。

〈2〉につ づ く 。

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