真田丸 第四十六回「砲弾」レビュー〈2〉「読まんでいい」からの本町橋の夜討ち。運命を決めるカルバリン砲。

46回後半です。信尹叔父上を呼び出した大御所は一体どうするつもりなのでしょうか…って、信尹ときたらあれしかないよね!

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十万石

●真田信尹は北条攻めのあと、家康の元を辞し、蒲生氏郷に閊えていましたが、蒲生騒動ののち、家康に請われて徳川に戻っていました。

いずれは何かあるだろうと、もう一人の真田を手元にキープしておいた家康公の目論見が今ここで役に立つわけですね。

家康と本多佐渡は秀吉の下にいた時にこういう備えをせっせとやっていたんだろうなあw

●信尹は「源次郎は父親ににて度胸があって知恵が回る」「しかし我ら兄弟と違って義に篤いので裏切ることはないでしょう」と、主君に対して自分には義がないですけど何か?と、まあひどい言い草なんですが、

才色智勇全部兼ね備えたできる男にすげなくあしらわれると嬉しくなるという妙な癖の持ち主、家康公は柳に風とばかりにさらりと受け流して、信尹に甥っ子の調略を命じます。

●信尹の方も、大坂を裏切ったら十万石、とまで言われて目の色を変えます。義なんて知らないけど十万石とまで言われたら一応交渉してみようか、となるのが信尹の面白いところですね。

●信尹は甥の息子・信吉の陣を訪ねて、家老たちに大坂城に渡りをつけてほしいと依頼します。

真田同士が好き好んで戦うことはない、絶対情報交換して避けあってると読んでやってきたわけですね。さすがすぎて。

調略失敗

●三十郎からの矢文で信尹のことを知った幸村は、叔父を大坂城の厨に招き入れます。ばばさまの通夜以来と言うから1593年以来21年ぶりの再会ですね。

叔父と甥の会話は、兄上(昌幸)の墓に手を合わせに行かなくてはとか、信之の子のうち稲殿の子が兄を立てると言うことを知らなくて心配だとか、源次郎の子ならさぞや利発に育っているだろうとか、一族の話ばかり。

●信尹は甥っ子の調略はせずに大坂城を去ります。最初からその気がなかったのか、それとも他愛ない会話のうちに幸村の決意を読み取ったのか。

十万石を与えるという家康からの手紙は「読まんでいい」。幸村はその言葉通り、中身を読まずに手紙を破り捨てます。

誇り高い武将となった甥っ子を見て、おじさんは満足げに去っていきます。

●まあ信繁に調略を仕掛けたという事実一つで、信繁のプレゼンス(存在感)を下げることはできますから、信尹が調略に行っただけで家康公の目的は達せられているんですけども。

織田有楽斎

●さて、家康の次の一手は織田有楽斎です。

と言っても有楽斎は内通者とはちょっと違いまして、徳川と独自の交渉ルートをもつ、大坂方の人物ということになります(交渉相手は本多正純)。

有楽斎のミッションは、姪っ子の茶々、その子の秀頼を守って徳川とうまく手打ちにさせることで、徳川に大勝ちして豊臣の天下を取り戻す的なことは、まあ少なくても現時点では考えていません。

●そんなわけで有楽斎は、徳川との和睦に持ち込もうと秀頼を説得します。が、幸村がそれに反対します。勝った方から和睦を持ちかければ足元を見られる、ダメです、いずれ和睦するときはきますが、今ではありません。というわけです。

●秀頼は判断に迷い、結論は保留します。

●牢人たちは手柄を立てたくてうずうずしているのに、徳川と和睦などと聞かされてものすごく苛立ちます。

●そうしている間にも、有楽斎と大蔵卿局が秀頼から離れず、ずーっと「和睦しましょう」「左衛門佐を信じてはなりません」「牢人たちは戦が大好きなのです」と壊れた機械のようにしつこくしつこく説得し続けています…

和睦をひっくり返す

●ところでこの大蔵卿局と有楽斎の説得は本当に見ていて辛いというか、いたたまれないというか、怖いものがありましたね。

大人が、経験の少ない子供に対して洗脳のように同じ言葉を繰り返して、秀頼のためと言いつつ、自分たちへの屈服を迫るわけですね。

大野修理はその醜悪さに呆れながら止められません。というか、修理もその醜悪な人間関係の一翼なんですよねえ…

●そんなこんなあって、秀頼君はついに徳川との和睦を決意します。

●大野修理から事情を聞いた幸村は、茶々に掛け合ってそれを止めることにする。

そのとき、茶々は、「私は秀頼と一緒にいられればそれでいいのです。この城を出て、どこか小さな国に移って暮らすことになっても全然構わない。そこに秀頼と左衛門佐がいれば」と本心を明かします。

真田丸を作るときは茶々との交渉を早々に打ち切った幸村ですが、今度は手段を選ばず、秀頼の決定を覆すために茶々の手を握り返します。男の武器、使っちゃったね、左衛門佐…

●こうして茶々からものすごく高圧的に和睦を止められる羽目に陥った秀頼は、目を白黒させながらも、母親の言動が幸村の差し金であることに気がつきます。

ちょっと前に、自分の判断の重さを知れ、母親の言いなりになるな、と言った幸村が、母親を使って自分の判断を覆しにきたことに秀頼は大変なショックを受けます。

なぜだ、誰を信じていいのかわからなくなった、という秀頼に、幸村は「殿様の判断が間違っていたときは、どのような手を使ってもそれを止めます」「私は勝つためにここに参ったのです」と取りつく島もありません。

●矛盾に満ちた複雑な存在である真田幸村と言う、秀頼からみた大人の男性像が示されるのが面白かった。この幸村は、朝ドラでいうちょっと変なおじさん像みたいな感じなんでないかな?

本町橋の夜襲

●上層部がもめている間に牢人たちは徳川への夜襲を企てています。本町橋の蜂須賀勢を急襲する塙団右衛門の「本町橋の夜討ち」ですね。ここは講談の世界です。

イライラし通しの後藤又兵衛、毛利勝永が、いいから俺たちも混ぜろよ、暴れてえからよ、今夜の大将はお前でいいから、と焚き付けて、先輩についていきたい木村重成もお伴することになるの楽しい。

長宗我部盛親の衷心からそれを知った幸村も、色々鬱憤が溜まっていたんでしょう、リフレッシュのためにそれに参加することにします。

ちょっとしたスポーツみたいなノリで実行される夜襲。蜂須賀勢南無。。。

●この夜討ちは大成功。まさか奇襲されるとは思っていなかった蜂須賀勢は鎧もつけておらず、かなりの戦果をあげたと言われています。

しかし、徳川と豊臣の交渉には、なんの影響を与えることもできませんでした。

戦術は戦略に大きな影響を与えない。

そのことに気がつかない(つけない)、大坂城の牢人たちの悲しさを示すエピなんだろうなあ、これは。ドラマ的には楽しいアクションシーンだったけれど。

エゲレスの大筒

●やがて家康の元に英国から最新式のカルバリン砲が届きます。

海戦用の、威力の代わりに射程を伸ばしたこの砲で、家康は大坂城の南にある淀殿の座所を狙います。淀殿を避けて大坂城に脅しをかけるためだと片桐且元を欺いて。

●その砲弾は大坂城の総構えの外から大坂城の天守に届き、屋根から落ちたしゃちほこが淀殿の屋敷を破壊して、侍女の命を奪います。

これが淀殿の心を恐怖で挫く決定的なものになって、大坂城に集まったものたちの最後の運命を決めることになるのでした。

●茶々は、この事件をきっかけに再び死に惹かれ始めます……

47回につ づ く 。

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