真田丸 第四十五回「完封」レビュー〈2〉さあ勝利へ。大阪冬の陣 真田丸の戦い。源次郎の華々しい勝利と人誑し。

45回後半です。

前半の最後で、情報強者の真田さんちを真田丸攻略に組み入れたことで却って徳川方の策が幸村に伝わってしまう、という話を書きました。

この真田の諜報網、いわゆる真田忍軍的な働きの部分ですね、これが徳川方に一切バレていないというのは、講談的な要素でもあり、物語を安定させる大事な要素だったな、と思います。

ここがほとんど南渓和尚の臨済宗ネットワークしかない直虎は、ものすごく弱いし、見ている方も心臓が痛いところがあるww

直虎は逆にそこが面白いところですが、真田丸にはおいて話の筋を横道に逸らさない効果がありました。

真田丸の戦いで幸村はどうのようにして圧勝したのか、自分とゆかりの深い人々と戦いたくないために機先を制した、そのための情報は(お互いに戦いたくないと思っているトップのいる)敵方からもたらされた、というのがきれいにまとまっていますね。

この部分のために、信之は息子たちに真田同士で戦ってはいけないとしつこいくらい諌めてきたし、信政はそれにリアリティを与えるために、身内の馴れ合いに反発する存在として描かれていたんですね。いや本当に構図が綺麗だわー。

と変なところに感心しつつ、後半のレビューです。

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陣中見舞い

●大坂城では、秀頼君が自分も奥に引きこもっているのではなく、みんなを励ましたい、と言い出します。若い、初々しい。

●有楽斎が「総大将は軽々しくみんなの前に現れるものではありません、殿様が甲冑を召されるのは勝ち戦が決まった時です」と諌めますが、秀頼は納得しません。

幸村が、総大将が直接士気を鼓舞しに現れたら、逆に兵士に不安を与える、と理屈で制し、ひとまず秀頼は納得。これはケースバイケースなんでしょうが、大坂のナーバスな状況に関して武将たちの間で共通認識になってるんですね。

しかし今度はそれが茶々に飛び火し、自分が代わりに鎧姿で陣中見舞いをする、と言い出します。

幸村も大野修理も驚き呆れますが、茶々は意に介さず、嬉々として鎧姿で真田丸に現れるんですが、なんとそれが肩部分に羽をあしらった、あの北条攻めの時の伝説の陣羽織なんですよ!

殿様の生母の美しいシニア女性が!なんかド派手な陣羽織を着て現れた!!ってなもんですよ。微妙すぎる。

内記も作兵衛も目を白黒。どこを見ていいやら、どうしたらいいやらって顔をして挙動不審になるのがすごく面白かったw

●茶々付きの次女となったきりは「どうも好きになれない」と茶々の浮かれっぷりを真顔で批判します。お供のきりちゃんもピンクの着物の上に黒い甲冑をつけさせられて…うん、それくらい言いたくなるよね!

夜明け前

●大坂に出張して着た真田軍、つまり真田信之の息子たちの元に徳川からの指示がもたらされます。

上杉について真田丸の攻撃に加われ、具体的な指示は待て、という文面に、一気にお通夜状態になる家老たちと信吉。

信政は怒りをあらわにして「どうして徳川に忠義を示されないのですか!」と大声をあげます。

兄の信吉は「叔父上とは戦いたくないのじゃ」と辛そう。

●小山田茂誠と三十郎は、佐助を呼び出して幸村に事情を知らせます。

●真田丸の攻略を上杉が担当させられ、その軍には真田家も配されると知った幸村は、翌朝先生攻撃を仕掛けることを決意して、秀頼に密かに許可を求めます。

戦闘開始

●真田丸の前に陣取った前田勢を真田丸に攻めこませ、一網打尽にする。第一次上田合戦で自分がになった挑発の役割を、幸村は嫡男大助に任せます。

大助は父親と同じように高砂を謳い、舞って、前田勢をおびき寄せます。あの時のリピートですよ!ああああああ!!!大助は見事に役目を果たし、父の元に帰還。

前田勢につられて、井伊、松平忠直の軍勢も真田丸に攻め寄せてしまうのですが、それこそ幸村の思う壺。

幸村の合図で佐助が真田丸の内側であらかじめ仕込んでおいた火薬を爆発させる。その爆発音を、内部からの呼応と勘違いした兵士たちが勢いを増し、思わず前進してしまう。しかし真田丸の前には深い深い空堀が…

●この火薬庫の爆発は史実に基づいたもので、実際は大坂城内の事故だったらしいのですが、創作にうまく取り入れていますね。今まで何かと小賢しく謀をめぐらして来た幸村でしたが、それもここで花開いてしまった。

「手柄を立てようと必死なのじゃ。所詮は人の集まりじゃ」と冷たく言い放つ幸村は、父親の「軍を塊と思うな。一人一人が思いを持っている」という、ある意味感動的な言葉を、ものすごく俯瞰して解釈しています。

この冷たさも、これまでの物語の中で語られてきたことですね。

●ろくな防御装備も持たず突進して来た兵士たちを、大坂方は十分ひきつけてから迎撃します。塀の内側では鉄砲衆が上下二段に別れ、さらにローテーションを組んでいるので、本当にもう物量の限り、絶え間ない攻撃が可能なんですね。

完全に近代戦であり、一方的な虐殺です。死屍累々・・

ちなみに真田丸のセットを史実通りに再現すると本気で死人が出るとのことで、堀の傾斜は可能な限り緩めにし、障子堀は無くし、撒菱なども巻かなかったそうですが、画面からはキリングフィールドの雰囲気は十分に伝わって来ました。

画面情報がロジカルだと想像力でガンガン補えてしまうので、割と本気で怖かったです…

反撃へ

●攻め込まれながらも有利に戦いを進めて来た真田勢ですが、しかし、石落としの蓋が一つだけ開かなかったことから、敵方に反撃を許してしまいます。

おびき寄せられたとは言え、そこはやっぱり戦国ネイティブ。隙があれば梯子をかけて敵陣に飛び込んでいく命知らずな輩もいるわけですよ、しかも割と大勢。おそろしい。

●ここからしばし白兵戦へ。

又兵衛は槍を振り回し、幸村も指揮から斬撃へ。ここは見せ場になってまして、かっこよかったですね。

●乱戦の空気を変えたのは、大坂城北方の守りを任されながら真田丸に見学に来ていた毛利勝永が、石落としの蓋の火縄銃で撃ち抜いたところからでした。

●態勢を立て直した真田勢は迎撃に集中して反撃。さらに積み上がっていく徳川方の死体。

かなりの死傷者が出て、さらに反撃を食らったことでようやく徳川方は退却を始めるのですが、防御装備がないために退却もままなりません。

逃げ惑う兵士たち。「一兵も撃ち漏らすな」と血も涙もない指示が飛びます。

その後、幸村は仕上げとばかりに横合いから騎兵をぶつけてトドメをさしますが、ここも第一次上田合戦で、信之が率いる少数の軍が、逃げ惑う徳川軍を側面から蹴散らした戦術に習っています。

●大御所家康公は、前田・井伊・忠直勢が真田丸に攻めかかってしまったことで、すでに敗戦を予感して、悲痛な表情を浮かべます。家康は兵士たちが敗戦を悟ったろうと思われる頃まで待ったのち、退却の指示を出すのでした。

勝利

●というわけで、真田丸大勝利です!歓喜に沸き立つ大坂方!!すごーい!うれしー!

●幸村は大助に「よくやった」と労いと祝福を与えると、自身は陣の奥に戻り、床几に腰を下ろします。

九度山では素っ気なかった父子の間が、すっかり打ち解けていますね。てゆか大助殿は「親父すげえ!かっこいい!この人の息子であることが俺の誇り!!」とファザコンの目になっていました。

上記の言葉は大助ではなく、織田信忠を演じた玉置玲央さんが信忠の心境について語った言葉ですが、ファザコン大河・真田丸では汎用性が高くて辛い。

●幸村の下で鉄砲衆の指揮を採った木村長門守が、これまたキラキラした目で幸村を見つめ、「天下の名将の采配を己が目で見れて、これほど嬉しいことはございません」と絶賛するのを、幸村はいたずらっぽい目で近くに呼び寄せ、「これから言うことは誰にも言ってはならぬ」「実はかような大戦は初めて。心の臓が口から飛び出そうであった」と本音を明かすのでした。

それを聞いた木村長門守が一層目をキラキラさせたのは言うまでもありません。

この、源次郎、人 誑 し が!!

46回に つ づ く 。

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こちらでも書かせていただきましたが、考証ズ平山先生の講演会を開くことになりました。
楽しくも歴史がっつりな会にしたいと思っています。ぜひカモン✨

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