5回「亀之氶帰る」歴史成分が薄くて物足りない人への解説。

第4回を書いてないんですけど、先に5回を書いちゃう。

というのは、サローネの方で「ただのスイーツドラマではないか」という声が多くて。

本来ならレビューで描くべきことなんだけど、サボっているうちにだんだん簡単に追いつけないレベルになってきましたので、軽く解説します。

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今川義元の最盛期

直虎勝手に応援ツイにも書きましたが、1544〜1554年の今川は西進中で、信長父である織田信虎と戦って撃退するなど、最盛期を迎えています。

その今川を、かつて井伊は裏切った、というのが今回の肝です。

第一次河東の乱の折、今川を密かに裏切り北条を手を結ぼうとしたことがあるという過去を直虎はおそらく初めて知ります。

その時の今川義元の激しい怒りを差し出すために、佐名を差し出したという事情が明かされる。しかし政治脳のない井伊家はそれを忘れて小野をのみ恨んだわけです。直満の件も、小野和泉から見た状況と、井伊家嫡流から見た状況はだいぶ違う。

で、その小野の話に対して、次郎法師が「あるものには旗が、あるものには風が、またあるものには心が」という世間知らずの尼らしい返事をする。

これを聞いて私が思ったのは、井伊家には、主君である今川義元がどう感じているのか、という視点がないのだなあということです。

(本当は未だにものすごく怒ってるけど、あえて寛大な処置をしてるんだと思うわー…)

ちょっと驚くほど自分たちのことしか見えてない。

吹越小野は、次郎ちゃんには「息子私を嫌っているから、井伊家のために誠心誠意働くでしょう」とぶっ込み、自分の長男には「お前はわしと同じ道をたどる」と予言します。

小野さん、決して大人物ではない、小物ではありますが、ものすごく苦労人ですわ、これは。9年間で髪が真っ白になった事情の検討がつきますね…

亀之氶の帰還

和泉の死後、亀之氶が帰還する。

これは、今川家と結びつきの強い小野和泉が死んだから戻ってこれたという面と、亀をかくまっていた松岡氏が反武田勢力だったために、甲相駿同盟が結ばれて武田の信濃侵攻が本格的になって亀をかくまうことができなくなったという事情の結果ですね。

(ということをストーリーに練り込むと、もうちょっと緊張感が出ると思う)

しかし井伊家の面々は一族の後継たる男子が帰ってきたと喜ぶばかりです。

直盛パパも安心して一度持ち上がった小野長男と奥山娘の縁談を破談にしちゃう。

これは小野政次(鶴)にとっては大変な屈辱です。

亀の帰還を祝う宴席でも南渓和尚しか鶴に話しかけない。

直盛パパの社内統制能力がこの程度、とわかったところで、次郎法師の還俗も叶わないことが明らかになり、対今川に対して顔色を伺うことしかできない井伊家の立場の弱さも露呈する。

というか、北条の姫が輿入れしてきたから、北条と結ぼうとした直満の子・亀の帰還も許されるだろうとか、お前どの口でそれを言うか案件ですね…

今川義元は室町幕府の権威で国を治めている守護大名ではなく、自分で家臣団を統率する戦国大名であり、そういう人物にとって裏切りというものがどのような意味を持つのか、全く想像できていない。

いやほんと寛大に扱ってくれてると思うよ・・諦めているうのかもしれないけども。

今川が最盛期だったからこそ軍務を課せられる程度で、井伊は比較的平和裡に10年を過ごすことができた。ということを小野和泉はわかっていた、しかし井伊家はわからないのだ、というような背景を読みながら見ますと、直虎は結構面白いです。

歴史に主体的に関わっていかない

でもなんというか、まだまだ朝ドラになってると思います。

朝ドラって、明治〜昭和のものも多いけど、歴史は天災と同じ扱い。

主体的に関わるものではなく、背景の書き割りみたいな、主人公にとって変更不可能なものなんですけども、直虎も若干「歴史」の扱いがそんな感じではありますね。

歴史というものをストーリーの中に主体的に取り入れられないのか、地元に配慮してあえて歴史面をフィーチャーしないのかはわかりませんが、もうちょっとフォローが入れば見やすくなるのではないか、と思いました。

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