3回「おとわ危機一髪」正直言うと今のところつまらないなって。※今川家は除く。

近年の大河にしては子役の出演が長かった直虎も、やっと3回目。

次でこの苦行が終わる…!と思ってしまったのが残念です。子役は可愛いけれど、ずっと見続けているのは辛いし、背景にあるはずの大人たちのドラマが薄いのは物足りなかった。

ただ、見ている間はとても面白いんですよね。結構食い入るように見てる。それなのに見終わると語りたいと思うことが何もないんですよ、不思議なことに。

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大人が可愛いと思う子供を演じる子役

子役は可愛いです。今回出てきた子役ちゃんたち自身には何の問題もないということを前置きに語りますが、ドラマの子役の可愛らしさっていうのは大人の愛玩に消費されてしまうので、それをあんまり長く見せられると、疲弊します。

おとわ役の美羽ちゃん、可愛いし、乗馬もできちゃうすごい子なのですが、でも大人に可愛いって言ってもらうための演技に見えちゃうんだよね。

これは美羽ちゃんがどうこうではなく、大人が与える承認に従って子供が演技をするのは当然のことなのでしょうがない。また8歳の子に元気が良い・かわいい以外を求められないのもしょうがない。

だけど、大人の視聴者が、ただかわいいというだけで子役大河に好意的な反応を見せる→子役はかわいいが正義のループが私にはちょっとしんどい。

いや、素の子供を表現すべきなんて無茶は言わないし、ドラマにおける子役はとても大事な存在ですが、おとわちゃんの場合その辺の事情を露骨にカメラが映しすぎた。

昨年も真田丸を踏み台にガッと売り出しかけてる役者さんたちがいて、迫田さん(あ、言っちゃった)は頭の回転もめっちゃ早いし、どんどんのし上がって欲しいと思いましたけど、8才女子には「あ、うん」としか言えないわ。

これも美羽ちゃん自身の責任ではなく、周囲の大人が気をつけてあげて欲しかった。こういう場合に子供ががんばっちゃう、がんばりすぎちゃうのは、当然の事だと思うから。

ただ、直虎の後々の心理的葛藤につながる三角関係、それから当主相続を納得させる特別感をしっかり子供時代から描く、という狙いはよくわかりました。

わかったけれど、何も意外性がなくて「理解→即終了」なんですよね。これでいいのか。

井伊家の魅力ってなんだろうか

前面に出してきた子役がしんどかったのは、背景を支える大人たちの描写が少なかったせいもあったと思います。

描写されないので、井伊家に感情移入が難しかった。つまりあの人もこの人もみんなザクザクと死んでいくのですが、彼らを惜しむという気持ちが今の所あんまり沸いてこないんですね。

私はそんなに濃いことを要求しているわけではなく、ストーリーブックで苅谷俊介さんが「今川の目付けのはずの新野がすっかり井伊家にほだされている、井伊家はそういうところがうまいんじゃないか」というようなことをおっしゃってて、そういう井伊家の魅力的な部分をうっすらとでも描写してくれたら良かったんじゃないか、と思うんですよ。

「脳筋だけど人誑し」みたいな「飲ませ上手」みたいな。あと鶴丸に対しては優しいとか(直平おじいちゃんのところで、拉致した鶴丸を横に座らせている描写はよかった。困った爺さんだけど魅力的だった)。

単純に誰がどういう立場か、という説明がドラマ内にないのも残念で、1〜3回の子役にフィーチャー、大人ドラマを今川家に集約というのは失敗だったのではないかと思います。見ていて単純に面白さが足りなかったですよ。

独眼竜政宗や武田信玄では子役期間が長かった。そこで幼少時代の描写をしっかりやった。しかし40年近くの間、子役時代がどんどん短縮されていったのには、それなりの需要と供給の関係があったんだな、と改めて思いましたです。

今川家の寛大さの理由

で、そんなグダグダな井伊家に対して、何故か描写がキレッキレなのが今川家です。

白塗りの昇太師匠が20代最強時代の「海道一の弓取り」を演じ、がっつりアイメイクの浅丘ルリ子御大が美しくも恐ろしい尼御台、腹の中に色々抱えてそうな佐野史郎の雪斎を演じるという、この強そうな布陣、どうよ。

色物なんですけど、十分面白いし、中世の混沌と豊壌をよく表現してますね。私たちの知っている日本とはちょっと違う世界。

今川家は、井伊家の一部が謀反を企んでも当人の首だけで済まし、むやみに攻めたてず、今回もおとわを井伊に返してくれたりと寛大なのですが、その腹の中が今回明らかになります。

今川家は隣国三河への侵攻で井伊家を使い潰すことを考えていたわけです。

ここで昇太師匠が初めて喋るんだけど、軽くあっさりしたしゃべりの分、ゾーッとしました。そうそう、こんな風にね、今川家は語りたくなっちゃうんですよ。

でも本番はこれからだと思ってるから・・

今川家の強かさと力なき国衆の悲哀を、おとわが勝ち取ってきた人質免除にぶつけてくるというセンスは割と好きだし、佐名と南渓和尚の意味深で情緒深い描写はとてもよかった。

(美しい人妻が濡れ縁に出てきて兄僧と対面、拒絶するという王朝時代の物語みたいな・・)

このセンスがあって何故井伊家がちゃんと描写できないのだろ?? という気がどうしてもいたしますが、やはり高橋一生、三浦春馬、サダヲちゃん、ムロさん、柳楽優弥くんが出揃ってからが本番ということでしょうか。

まだ期待は持ってていい…よね?

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コメント

  1. まとめ楽しみにしています より:

    本質的じゃないところですみませんが、何度も書かれているからきっと気づかれていないのだと思ってコメントさせていただきます。「フュ」ーチャーではなく「フィ」ーチャーです。フューチャーは未来です。このコメントは削除していただいて結構です。

    • アンチョビ より:

      おおお、誤字ご指摘ありがとうございます。自分の頭の中ではフィーチャーのつもりでした。直しましたー。

  2. mm より:

    子役の演技が「大人に可愛いって言ってもらうための演技に見える」のには同感です。ただ、今回の件は迫田さんのケースとは別物だと思うので、一緒に論じない方がいいかと思います。

    私は、主役の子役≠主役、つまり脇役であり、主役の子供時代の物語を牽引するのは親世代だと思っています。だからこそ、朝ドラでも大河でも主役の両親(or それに準じる大人)の配役が重要になってくるわけです。主人公に子役が必要なのは、子供時代に生じた因縁が主役(大人)の行動に影響してくる場合ですよね。その因縁をしっかり描くことこそ、子供時代の課題ではないかと思います。

    本作の子役の出演時間を今の半分にし、井伊の大人中心に物語を構成したら、だいぶ印象が変わるはずです。「大人に可愛いって言ってもらうための演技」は、子供を主役に扱ってしまう脚本構成と演出が引き出している部分も大きいと感じます。

    もし制作陣が、おとわは利発だがまだ何物でもない、その運命は大人次第だという点を美羽ちゃんに納得させていれば、その演技も違ったものになったと思うのですが…。今のところ、視聴者は「我が子が出場するシーンだけを編集した運動会のビデオを見せられる赤の他人」状態になっていて、だから疲弊してしまうんだと思います。

    • アンチョビ より:

      >mmさん

      >「我が子が出場するシーンだけを編集した運動会のビデオを見せられる赤の他人」状態になっていて、だから疲弊してしまうんだと思います。
      この疲労感を言い尽くしてますね・・ コメントありがとうございます。

      お言葉を返すようで恐縮なのですが、美羽ちゃん自身の野心というか夢というか、そういうものはやっぱり若干感じるんですね。
      でもそれはまあそれは当然のことだと思います、周囲の大人がそういう承認の与え方をしちゃってる感じがする、という意味も込めて、「今回出てきた子役ちゃんたち自身には何の問題もないということを前置きに」と書いたつもりだったのですが、分かりにくかったですね。ちょっと書き直しました。

  3. mm より:

    アンチョビ様
    ご返信ありがとうございます。確かに、美羽ちゃん自身も野心を持つタイプの俳優かもしれないですね。でも、私は、別の子がおとわの子役をやっても同じような感想を抱くだろうと思います。それはやはり、子役を主役にしてしまっている脚本&演出のせいです。単純に子役の出演時間が長すぎて、そのセリフで物語を動かそうとしすぎる、だからあざとく見えるという気がします。

  4. 深雪 より:

    こんにちは。なんとなく抱いていたモヤモヤが晴れるようで楽しく拝見しました。
    そして見出し「今川家の寛大さの理由」にて「佐野二郎」との表記がありますが、正しくは「佐野史郎」です。

  5. ユイ より:

    直虎視聴しています。
    ただ前年と比べると、視聴後の爽快感や余韻に浸ることが出来ずにいたので、この記事を呼んで少しスッキリ出来ました。
    直虎は柴咲コウさんが出てきてからが勝負だと思うので、直虎が本当に面白くなるかどうかを決めるのはまだ先…と私は思っています。もう少し直虎以外の井伊家の人間にスポットライトが当たって欲しいです。

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