真田丸 第四十三回「軍議」レビュー〈2〉負けはしない、でも勝ちにいけない大坂フール。

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改めて見てみたら、前半もすごかったけど、後半もすごかった「軍議」。

前半の片桐様陥落と対応するように、後半は織田有楽様が本当の顔をぬっと見せる。こうやってみるとこの回は往年の大河らしいのっぴきならない立場と立場のぶつかり合いが見られた回でした。

関連記事:真田丸 第四十三回「軍議」レビュー〈1〉片桐どのに魂を売らせて兵糧情報ゲットする徳川クール。

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定石、籠城

●軍議の途中で幸村を木村長門守が呼びもどしに来る。幸村さんはここで木村くんに「定石など敵も知っている。裏をかかねば戦は勝てぬ」仕込みを入れます。

木村長門守は優秀な青年ですが、まだ若くて腹芸ができない。返事に詰まります。

●幸村は軍議に戻ると秀頼に請われてという形で、自らの戦術を披露。

京にいる徳川家康を急襲して首を取る。橋を二つ落として敵の進軍を止め、軍を分断する。伊達上杉と呼応して前後から挟み、撃ち倒す。

勝つためならば京の由緒ある寺社仏閣も焼きはらうことも厭わない。

すっごく見事ですっごく勝てそう! 作戦を聞いている武将たちの目の色が変わり、ぐいぐいと空気が幸村有利に変わっていきます。

というか、本当に豊臣が勝ちを目指すならこれしかないというか、この作戦に賭けるくらいの意気込みが必要だろ!

●…なんですが、又兵衛が「話がでかすぎてついていけない。ここはやっぱり籠城で!」とか言い出します。

幸村に好意的だったように思われた、長宗我部盛親も明石全澄も籠城案に賛成。

あーこれは何かある、となったところで、しかし、毛利勝永がただ一人幸村案に乗ってくれます。「面白い、気に入った!」。さすがの男前ですよ。

休憩という一幕

●ここで軍議は休憩に入ります。休憩という一幕ですね。舞台っぽい。

●豊臣の上の方の人たちは、とにかく牢人たちに主導権を渡したくないので、改めて籠城策とすることを念押し。

まあ大坂方は大勝ちしても落とし所がないし、牢人に活躍されても十分に報いることは絶対にできない。

そうなれば最初から「牢人は信用できない」ということにして、そこそこの勝利を目指すしかないんですよね。

●一方、幸村は自分の策を通すために、長宗我部・明石殿と腹を割って話をします。

二人は自分の望みのために、大野修理からの「真田案には乗らず、籠城に賛成するように」という根回しを受け入れていました。

長宗我部は自分の後押しをしてくれた家臣たちに報いるためにお家の再興、明石全澄はキリシタンの布教の許可というそれぞれの願いを豊臣家に託していました。

●幸村はその望みを叶えるためにはまずは勝つこと、と二人を説得します。豊臣家が徳川に勝たなければ、二人の望みが叶う余地はないのだと。

ちなみに毛利勝永の望みは「己の力を試すこと」(どこの英霊よ?)。今思うとこんなところからすでにチート強キャラ造形の勝永…!

●なお、なぜ大野修理が事前に長宗我部と明石を抱き込んだのかというと、茶々が幸村から事前に色々聞き出していたからという前半の武器庫のシーンの回収です。

死に場所

●軍議が再開して、木村長門守が頑張って籠城策をプッシュします。大坂城にさえ篭っていれば負けることはないのだから、と。

幸村はそれに対して「大坂城は最強の砦だが、我々にとって最後の砦」「ここを失えば豊臣家は滅びる」と反論します。

●木村長門守は幸村の言葉に納得します。長宗我部・明石も真田庵に賛成。しかし後藤又兵衛は未だに真田案に反対です。なぜか。

それは又兵衛が死に場所を求めてここにやってきたからだ、と幸村は看破します。

黒田長政が「奉公構(他家への再士官を禁じる措置)」を出したために武士として生きる道を断たれた又兵衛。武功名高い武士として、誇り高く死ぬために大坂城へとやってきたという又兵衛の切ない心情が明らかになります。

と同時に、又兵衛は「お前ら本当に勝てる気でいるのか?そんなはずはねえだろ。勝てるわけねえだろ。俺たちは日ノ本中を敵に回してるんだぞ」とぶっちゃけます。

彼だけは、希望じゃなく、死を望んでここにきたから、大坂に集った者たちが向き合いたくない不安を言葉にできるんですね。

しかし幸村は又兵衛に対して「自分は勝つためにここにきた。ここに死に場所はない。死にたいのなら徳川につくべきだ」と静かにぶちかまします。

●又兵衛は幸村の心意気に感じて、彼を信じることにします。真田丸の後藤又兵衛は「豪傑」「兄貴」「かっこいい」です。

「実は俺も籠城はまだ早えと思ってたんだ」。

織田有楽斎

●ようやく軍議が京都急襲積極策で一本化されたように思われましたが、織田有楽斎がそれまでまとっていた胡散臭い笑顔の仮面を剥ぎ取り、「お前たちは黙って我々に従って黙って戦っていればいいのだ」と、ぬっと本性を表します。

ここの井上順さんはすごかった。

真田昌幸をさらに煮詰めたようなべったり黒い腹の中と、織田信長の実弟らしい鋭い牙を見せると、豪傑・又兵衛ですら気圧されてしまいます。

●しかし大野修理が有楽斎を抑えます。「牢人たちは我々の招きに応じてくれた、言わば客人。無礼な物言いは見過ごせませぬぞ」。どうしたんだ修理。急にかっこよくなったぞ!!

●大野修理が牢人側に回ったことで軍議は決し、秀頼公は京都急襲策を選びます。しかも作戦の開始は明日から。「兵は拙速を尊ぶ」か。希望が。希望が出てきたよ…! 治部様…!!

決意、からの翻意

●が、茶々がそれを許しませんでした。

勝永が裏切らないと言えるのか。牢人たちを信用してはならない。

茶々は絶対的な母親の立場で、「籠城です。それ以外はありませぬ」と秀頼に命じます。

●スッと目から光が消えて虚ろになる秀頼公が、もうなんていうかね…

●大野修理からことの次第を聞かされた幸村は驚きますが、「決まったのなら仕方がありません」と気を取り直します。

●その幸村の前を、茶々が会釈しながら通り過ぎていく。

幸村は敵と戦う前にまず味方と戦わなくてはならないということを思い知らされるのでした。

手に汗握る「会議」ドラマ

この回はすごく面白かったですね。

法廷がドラマになるように、会議もまたドラマになる。軍議ならなおさら面白い。ということを知らしめた回でした。

今回のこのストレスが、44回の築城で消化されるわけですよ、俺たちの課金城としてな! と放送が終わった今だから言える。

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