〈総評〉真田安房守被害者の会。多種多様な被害者の書き分け。

というわけで、真田安房守被害者の会会員の一人一人について、一体どのようにしてやられた被害者であるのか、を主軸とした分析を書いてきたわけですが、

  1. 多種多様な被害者の書き分け
  2. 真田安房守昌幸という強キャラの造形

がすごすぎるなと思いましたですね。

この点について少し語ってみようと思います。

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ひとつとして同じ被害はない

まず何と言っても、被害者たちの書き分けですね。

私的には16人を認定しましたが(人によってはもうちょっと多いだろうと思う)、ひとりとして同じ被害を受けてる人がいないんですね。あるいは誰もキャラがかぶってない。

騙された人、命を落とした人、主君を裏切っちゃった人、被害を転嫁された人、後始末をやらされた人、人生を謝っちゃった人。

いちいち振り回される人、大した被害を受けてない人、気がつくと被害者だった人、自ら進んで被害者になった人、被害者であることは間違いないけれど何があったかわからない人。

立場も、上司から敵、敵の家臣、部下、息子から弟まで。

「真田安房守被害者の会」は、つまり真田安房守の被害者という切り口での人物分析に他ならないのですが、脚本が実に多種多様に「被害者」を書き分けていたこと、人物造形に力を尽くしていたことを明らかにする作業でもありました。

三谷幸喜さん、半端ない。

安房守のキャラが強い

被害者だけでなく、加害者の造形にも力が込められていました。

関連記事:「迷走」真田昌幸という、知的でタフ、愛情深くてサレオツな父親という新しい理想の男性像が、多分日本を変える。

上野・信濃に跳梁する悪鬼のごときイケ親父が、時代に取り残された田舎武将に変わり、一瞬だけ乱世に光を取り戻し、そして次第に自らの主人に変わらぬ忠義を尽くす義理堅さをあらわにして消えていく。

それは、智謀や胆力、タフネスに始まり、情けなさ、調子の良さ、適当さ、そして頑固さ・健気さ・悲劇性と、ありとあらゆる特性が付加されていくといっていい。

被害者もですね、父親から振りまわれた長男に始まり、被害者ではあるけれどもヌル〜っと被害を交わした二代将軍で終わるとバリエーション豊かなのですが、それは昌幸の性格付けに基づいた変化なのですね。

堺雅人さんが草刈昌幸のような「攻めの演技」は面白そう、いつかやってみたいと言ってた思うんですが、確かに真田丸の真田昌幸というキャラは優れた俳優である堺さんが目標とするに足る、特別な造形のキャラクターだなあと思いました。

あらゆる特性が付加された、男性のロールモデルとしての像で、このような作中人物が生まれたことは割と長く影響を与えるんじゃないでしょうか。

関連記事:

真田安房守被害者の会〈前半〉 List 01〜07

真田安房守被害者の会〈後半〉 List 08〜総評

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