真田安房守被害者の会 List 15・真田信尹 殿

真田安房守の実弟。外交と汚れ仕事を引き受けてきた真田の男。

画像転載元:nhk公式サイト

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兄の影

第三回、当主の弟としての在り方が自分の理想、と主人公・源次郎の憧れの叔父という形で登場する。

信尹は、北条と上杉両方に通じて、どちらにも真田を受け入れさせるよう、長い交渉を重ねてきたにもかかわらず、「織田にかける」という兄の決意を穏やかに素直に受け入れる。

「あの人の手足となって、あの人の望みを叶えるだけ」

「あの人」って真田昌幸のことか、実兄のことを「あの人」ってどういう距離感の兄弟であるのか、と不思議に思ったのだが、ストーリーが進むとともに、北は春日山から南は小田原までを行動範囲とし、表の外交交渉から情報収集、調略・謀殺と、まさに兄の片翼として働く信尹の、尋常ではない兄への忠誠が明らかになっていく。

源次郎をして「(家のために)人の道を捨てた」とまで言わしめる信尹だが、一体何がどうなって兄にここまで尽くすに至ったのか、詳細は一切語られない。

というか、信尹の内面描写はない。

虚無

ストーリーが進むにつれ、信尹の、家族には心を開くものの、それ以外に対してはまるで意に介さない虚無的な性格が、次第に明らかになっていくる。

信尹は自分の才覚を発揮することに喜びを見出しており、どんな困難な仕事にも擦り切れない。彼が調略した石川数正が、豊臣家と徳川家の取次に苦心したあまりに出奔したのと対照的に。

しかも恐ろしいことに、信尹本人に自身の破壊的な人格に対しての自覚があり、自分に憧れる甥っ子の、ピュアな気持ちを120%利用しているその最中、おそらくは愛情から、「儂のようにはなるな」と釘をさすのである。

この呪いと祝福が主人公の人生を密かに支配する。

画像転載元:nhk公式サイト

信尹の内面は描かれなかったけれど、それが良かった。おそらく、内面描写を入れたら「かわいそうな人」になっちゃってたろう。

家の(兄の)ために必要とあらば悪事も為す、しかもそれで擦り切れちゃったりしない鋼メンタルと、自分の破壊的な人格を知りながら、自分で自分を利用していく聡明さ・複雑さが信尹の一番の魅力だった。

兄からのまるっとした無茶振りは、無茶振りに見えて信尹の気持ちの拠り所だったのだろうか。本当に、この兄弟の過去には一体何が???(スピンオフ早よ)。

昌幸が生涯、武田家にのみ仕えたように、信尹も勝頼公の死後は兄にのみ仕えるのであるが、そのことすらドラマ内では明確には語られない。

ただ、家のため、兄のために、「人の道を捨てた」「人としての幸せを捨てた」ということだけが明らかなんである。合掌。

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