「軍議」期限を区切らない、目標設定が曖昧、人を馬車馬のように働かせる自分たちを正当化…ブラック企業辛い。

とってもえげつなかった「軍議」。心をえぐる現代とのシンクロエピでした。イタタタ。

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画像転載元:nhk公式サイト

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経営者と社員の目標が一致していない

「軍議」の何が辛かったかというと、豊臣家の上層部が徳川家との和睦という落とし所を牢人たちに隠して、働かせようとするところ。

豊臣上層部は、もともと与えることもできない恩賞で彼らを釣り上げているのですが、茶々・大蔵卿の局は統治で苦労した経験がないので、そのギャップを意識化できません。

・期限の区切りなしで
・目標設定な不明瞭だったり、無茶だったり、ゴールポストを動かしたりして
・馬車馬のように人を働かせる
・それら全部を正当化する

のがブラック企業だと思っているのですが、まさに豊臣家が真のブラック企業化。

この茶々たちのなし様に比べて、「仕事を与えないと大名たちが余計なことを考えるから」といって朝鮮出兵した秀吉公の考えが、人の心にとってどれだけ真っ当だったか。

関係者全員、めっさ辛くて、めっさ迷惑だったかと思いますが、秀吉は少なくとも自分の部下たちには、仕事と正当な恩賞を与えようという考えを持ち、具体的な実行策をとっていたわけで。

あるいは、兵は一塊のものではなく、一人一人が思いを持っている、それを理解して活かせ、というパパ幸の教えですね。

父から子に受け継がれるべきものが断絶している豊臣家です。辛い。

中間管理職、大野修理。上級職の有楽斎。

しかも、茶々らは、自分たちが考える政治的決着について、中間管理職である大野修理とも、また神輿である秀頼とも共有しないのですね。これがまあ一番ひどかった。

茶々も大蔵卿局も上下関係で圧倒することで、自分たちの意思を通そうとします。

茶々も大蔵卿も、自分たちがどれだけ図々しく他人を利用しているか、意識化することができなかったんじゃないかと思いますが、その結果、家庭内の親子関係の延長で組織運営をしてしまう女二人にこれまたイタタタですし、あるあるですし、三谷さんは本当に女性をよく見ているなあと・・アタタタ。

(聡明で家康よりもよっぽど冷静な阿茶、姉の甘さにすぐに気がづく初、政治的状況をきっちり見極めている江などで、女性一般を貶めているわけではないというフォローが入っていますね)

そんな中、有楽斎はものすごく信用ならないようにも、老獪にも、またいろいろ分かっている感じにも描かれます。

有楽斎は軍議のコントロールに勤めるんですが、牢人たちも上層部の本音は察してまして、結局駆け引きに終始する。これも辛い。

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画像転載元:nhk公式サイト

しかし笑顔の化けの皮を一瞬で脱ぎ捨てる井上順さんの演技は素晴らしかったなあ。

多分この人は豊臣家ののっぴきならない状況を理解している前提で造形されている。そう、多分、実質トップの茶々よりは…

地獄が始まりそうな幸村の提案

そんな中、幸村の出撃して家康の首を取るという案が牢人たちに採択されてしまいます。

コミュニケーションが欠如した組織は、目先のちょっと楽しそうな目標に飛びつくという事例のような、牢人たち、そして父の名に恥じない戦をしたいと願う、秀頼君の心の隙間をそっとこじ開けるような提案で、

幸村、君は本当に昌幸の血を濃く受け継いじゃったんだなあ… (⌒-⌒; )

万が一にも家康の首などとってしまったら、豊臣と徳川のガチ戦争が免れ得ませんが、幸村はもうそんな先のことまでは考えず、自分のなすべきことに向かって淡々と努力を重ねるのでした。

牢人たちをコマ扱いする豊臣上層部と、思いは汲んでくれるけれど、夢は見させてくれるけれど地獄へ導く真田幸村(しかも無意識)。

結局、帰農して地道に暮らすのが生き残るのには一番なのですが、みんな夢が捨てられずにここに集っているわけで。まあでも大坂方にはちょっと夢が残ってるんですよね。つまり、人材不足が明らかなので、一代で天下を取った名門・豊臣家に仕官できるのではないかという夢ですね。

実際のところ、河津・河内・和泉の領国65万石の地道に復興させていけばいいのではと思うのですが(豊臣家の領国運営は、片桐且元が徳川の力を借りて行っていました)、誰もそれは考えません。

牢人たちが豊臣家仕官の夢を見るように、豊臣家も天下人への復帰という夢を見る。

こうして、籠城・出陣どころか、360度詰んでる状況を、まるで望みがあるかのようにカッコよく五人衆を並べて締める製作陣が一番真っ黒だなあと、しみじみ…

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