真田丸 第41回「入城」レビュー〈1〉真田長男家の家督相続は? 稲&おこうの関係の回収。

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タイトル通り、幸村となった次男の大坂城入城がメインの回ですが、前半は真田長男家が描かれます。

信之の二人の息子、おこうの子である長男・信吉、稲の子である次男信政。二人のうちどちらを嫡男に据えるかという問題を通して、おこうさんと稲さんの関係が回収されます。

真田丸の中でも爽やかで品のある人間関係となったおこうさんと稲姫。

多くは語られませんでしたが、おこうさんは病人ギャグから、稲ちゃんは何年たっても打ち解けない頑なな嫁から、二人とも努力して自分の足場をちゃんと築いてきたのが美しかった。

というわけで、レビューに行ってみましょう。

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大阪へ

●幸村の名を得た信繁は、家族に大坂行きを話します。豊臣と徳川の戦が起こる。自分は大坂城に入り、徳川に一矢報いるつもりだ、と。

幸村の家族は誰も驚かず、止めません。内記は喜びに噎せ、佐助も改めて助力を誓い、春もきりも応援するのみ。さすが真田。

●すでに大坂城には、諸国から集ってきた牢人が溢れかえっています。

●駿府でその報告を聞いた家康は、豊臣家の愚かさに嘆息します。「数を揃えても戦には勝てぬ。どこぞの一大名となれば生き残ることもできるのに、なぜ滅びの道を選ぶのか」

そして家康公は不意に真田信繁のことを思い出し、九度山の見張りを増やすよう、本多正純に言いつけます。

●その九度山では、真田紐のロイヤリティで潤った真田次男坊の提案で、村の衆を招いた宴会が開かれることに。相談を受けた村長の長兵衛さんは、黙って幸村の目的を察し、何も聞かずに宴会を承知します。

真田紐の売り上げのおかげで、村が潤い、長兵衛さんの身なりもちょっとだけよくなっています。

あー真田紐エピがなかったら、九度山村からこんなにあっさり逃げられなかったわけか。

交流をある程度描くなど大坂入りが冗長になってしまっていたのを、信繁が村の貧困克服に力を貸したエピを入れることで多くを語らずに済ませたんですね。

すえちゃんの結婚

●さて、その頃江戸の長男家の屋敷では稲ちゃんがビシっと家政を取り仕切っています。正室の仕事をきちんと表現する大河でも珍しいシーンです。

●信之は体調不良で寝込んでいますが、すえちゃんが結婚の報告に来ています。お相手は名越村の名主の子・石合十蔵さんで、これがなぜか加藤諒さん。出ているだけで面白いww

とちょっと笑ってしまうのですが、これがなかなかの良縁です。

石合家は「本陣」という大変格の高い宿を経営してるわ、地域の流通・金融・通称・行政の代理などなど一切を引き受けているわ、要するにとても裕福な地域の名家。

地侍のおうちの子とはいえ、領主の姪であるすえちゃんと釣り合いも上々です。しかも恋愛結婚。まあちょっと年齢があれなのが気になりますが…だって配流の前に源次郎と面会した時16歳って言ってたよね? ということは15年後の慶長19年は31歳。遅すぎるというレベルではない(苦笑)。

●とはいえ、信之は姪の良縁を大変喜びます。

すえちゃんが松や薫に可愛がられていた描写は度々入れられていましたが、伯父上もかわいがってくれ、すえちゃんも懐いていたんですねえ。

デレデレの笑顔で江戸見物をしていくよう勧める伯父上優しいかわいい。

●しかし、そこに河原綱家がやってきて、家族の楽しい再会はさりげなくお開きに。

●綱家が持ってきた書状は秀忠が大坂に上洛(出陣)するという知らせでした。信之は「いよいよ豊臣家も終わりか、胸が痛む」とこぼします。まさから今更弟が大坂に合流するつもりだとは露ほども思わずに。

信吉・信政

●信之は二人の息子たちのうち、どちらを嫡男に据えるかということで悩んでいます。

信政は正室の子ではあるけれど、一ヶ月遅く生まれた次男。信吉は側室から生まれたけれど長男。それだけでなく、信政は本多忠勝の血を受け継ぎ、武勇に優れているけれど、傲慢で思いやりに欠けた性格、信吉はおとなしく読書好きの文系男子など、個性もだいぶ違うのですね。

●二人の傅役をしているのが三十郎と茂誠なのですが、傅役同士は仲良し。二人はのんびりと信政どのはお強くなる、信吉どのは書が好きだし、これからの時代はそれでいいんじゃないの、などと話し合います。

真田家本家筋の信吉を伯母夫婦が次女となったおこうに代わって後見しているのが、信吉の微妙な立場を表しています。

もともとはおこうさんの方が真田家の直系として正統性を有してますし、しかも信吉の方が長男ですしね。

●信之は、大坂の戦を息子二人の初陣とすることを三十郎と茂誠に告げ、二人を守ってくれるよう頼みます。

今度の大阪の戦は、血で血を洗うようなことにはならず、小田原征伐のようににらみ合いで終わるはず(だから初陣として父親から離して様々な経験をさせるのがいいだろう)。

なぜならば、大坂方には全軍を率いるような際立った武将がいないから、というのがこの時点で信之の見立てなのでした。

つぎの世代へ

●その夜、稲姫は、自分の子ではない信吉を嫡男に据えるよう、信之に進言します。一ヶ月しか差がないとはいえ、信吉が長男だから、と。

信之は驚きますが、すぐに同意。

正室で、家康の養女である稲ちゃんが願えば、信政が嫡男になることもできたでしょう。しかし稲は家中の秩序を優先して自分の子ではない長男に相続を譲ります。

さらに、信政は武に勝るけれど、信政が嫡男になったら信吉の居場所がなくなる、と信之は言いいます。稲ちゃんは納得した風ですが、うーん、いやそれは…

●まあとにかく、夫婦はおこうを呼び、信吉を正式な後継とすることを伝えます。

形式上は稲ちゃんの養子に迎える、悪いようにはせぬ安心せよ。立場が人を育てる。という信之。今まで自分を支えてくれたおこうに対する礼だという稲姫。

おこうの手をとって、これからも私たちを支えてくださいね、と優しく気高く微笑む稲様のお美しさよ。

●最初に書いたように、稲とおこうの関係はお互いの努力の結果、互いが互いを思いやってうまいところに収まるような美しい関係になりましたが、レビューを書いてるうちに、信政がちょっとかわいそうになりましたねえ。

●信吉は嫡男となり、父親から沼田領を受けつぎますが、42歳で急死します。信吉の死後は信吉の子・熊之助が後を継ぎ、信政はその後見に。

信政は熊之助が夭折してようやく沼田領を継ぎます。

そして戦国時代の生き証人「天下の飾り」真田信之の隠居を将軍が許さなかったために、信政が信之の跡を継いで松代藩の主となったのは老年の60歳のときでしたが、2年も経たないうちに体調を崩してあっという間になくなります。

信政は父親に対して色々思うところがあったようで、死に際して父親に対してのみ遺言を残しませんでした。

まあいろいろあったんだと思いますが、この親子の確執は辛い。

今回の嫡男決定エピは、大味で頑丈そうな次男をないがしろにした…とまでは言わないまでも、あまり心配していなかったであろう信之・稲夫婦が見えてくるようで、ちとしんどいなあと思いました。

長男も辛いが次男も辛いよ。

というあたりで〈2〉に続く。

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