〈こんな本を読んできた〉モンゴルと世界史、第二次世界大戦中のハンガリー、爛熟と退廃と救われの時代。

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本好き向けSNSのシミルボンに、雑多な自分の読書歴の中から、印象の強い本の書評を書かせてもらってます。

ライトな歴史好きには欠かせない岡田先生の本と、20世紀の悪を描いた衝撃的な作品と、戦国期と幕末と並ぶカオスの時代院政期について。

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草原から始まる世界史

この本の一番衝撃的なところは、日本人の世界史観を「中国式のもの」と喝破したところ。

有史以来、王朝が変わり続けた中国では、王朝(皇帝)の正統を解くのが「歴史」だった。

歴史とは民族の世界観・宗教観に基づいて自分たちの来歴を再構築したものに他ならない。

日本の「西洋史」は、イギリス、フランス、ドイツを
ギリシャ・ローマ文明の正統な後継国家として解釈するが、
これは、明治日本が開国とともに、四苦八苦しながら作り上げた世界観である。

確かに指摘されてみるとその通りで、私自身も何か正統性みたいなところにちょっと課題な価値を与えてしまっているところがある。

だからこそ、ユーラシアの草原に生まれたモンゴル帝国が、東西にその翼を伸ばすようにして侵攻し、正統性も何もかも破壊して、容赦なく新たな秩序を作っていく雄大さに惹かれてしまうのだと思う。

いいよねモンゴル(^∇^)

というわけで、世界史の果てしなさを味わうにうってつけの本をお勧めしておきます。西へ西へ。ルーシを全て飲み込み、ヨーロッパへ。オリエントへ。中国からインドシナへ。

著者の岡田先生の視点の高さには平伏するしかないです。はい。

この世の悪と現実

明確にはされていないけれど、多分作者の子供時代の実体験から生まれた物語。

第二次世界大戦時、(連合軍であるところの)ロシアは略奪と暴行の限りを尽くしながらドイツへ進軍したのだけれど、実は西からドイツを目指した連合軍の実態はあまり変わらなかったらしい。

世界大戦中のヨーロッパの実態の冷徹な描写と、そんなひどい世界で、互いを鍛えて強さを身につけていくモンスターのような主人公の双子が凄まじい。

正義も何もない弱肉強食の世界がつい最近までそこにあったことを、決して忘れさせないために描かれたのじゃないか、と思うくらい。

コクトーの作品とは違って、滅びを選ばない氷のアンファン・テリブルの物語。

退廃から、救いへ

院政期のカオスっぷりが好きなんですよね。

先の見えなさに誰もが不安を覚えながら、なぜか元気に生きている。宮廷文化が爛熟する一方で、ものすごく残酷な世界でもある。

武士階級の勃興期ですから、価値観が入りみだれるんですね。全体的にめちゃくちゃな感じ。そこがいい。

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