「幸村」機能不全ブラック企業・豊臣家と、囚われのプリンス 秀頼君。

あなたの宿命は、なすべきことはなに? と問いかけるきりちゃんや、呪いが祝福に変わる瞬間をがっつり描いた感動的な「幸村」回にあって、

ブラック企業豊臣家のヘルな感じ、すごかった。

片桐且元の目を通して見えるところ以外にも、その恐ろしさが重層的に表現されていて、すっかり心を奪われて見入ってしまいました。gkblしながらですけど。

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画像転載元:nhk公式サイト

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壺の中

第四十回は、豊臣家の父性の不在が表現された回でした。父性の不在とともに、母性の異常な拡大が描かれます。

秀頼が方広寺の大仏殿を再建しようとする、家康がいちゃもんをつける、茶々・大蔵卿の局が片桐且元の責任にして、結果的に唯一の渉外担当を追い出す

という下りによく表れていましたが、茶々・大蔵卿局が大坂城に閉じこもり、外の世界の変化に目をつむり続けるという形で、自分の膝の上にのみ心を配り、自分の手の届かない場所については興味を持たない、という母性のネガティブな機能が表現されます。

この事件の原因というか、発端は、秀頼公の父・秀吉への思慕(供養)。

父性不在の大坂城という壺の中から、秀頼は父親的なものにつながろうとする。

父性というのは理性と外の世界を象徴し、秀頼君が自分に不足しているそれを得ようとするのは成人男性としてある意味当然なのですが、情緒の世界の住人である茶々たちは(おそらく)無意識にそれを損なうんですね。

解決方法を見出させないどころか、秀頼公の元にか細く残っていた父性・男性性である片桐且元を削り取る形で。

それはまるで秀頼を膝の上から逃すまいまいと、成長を拒んでいるかのよう。

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画像転載元:nhk公式サイト

囚われの王子様

また大坂城では、豊臣家と秀吉の象徴である瓢箪が、印象的にあしらわれます。

瓢箪は、一度中に入れたものが出しにくい、という構造から、富を溜め込む縁起物であると同時に、邪気を吸い込む呪具としての意味合いを持ち、この時点での大坂城の現状を象徴的に表します。

富と邪気を同時に溜め込む瓢箪=豊臣家(怖い)。

豊臣家の中心は立派に育った秀頼公ですが、彼は逆にここに囚われているという意味で中心に据えられている存在です。

瓢箪が吸い込んで吐き出せないでいる邪気は茶々。我が子を食らってでも離れない、という禍々しさ。

茶々は、途中まで寧様とうまくいってたのに、二人の関係はどうなったんだろう…

寧様は、茶々の健全性の担保であったのに。

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画像転載元:nhk公式サイト

秀頼公があまりにも強く美しいんで忘れてしまいそうになるんだけど。真田安房守の次男が現れる時、大坂城はいつも不条理の冷たい光で出迎えるよね。

部屋のちょっとした影は、どれも井戸の底につながっている。

この大坂城という狂気の檻が、乱世でないと生きていけない人々の最後の残照の場所になるのは、本当に地獄の趣がある。

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