恩返しを強要してくるものに対して、戦う女。夏目漱石の妻3回目。

前回は、ハセヒロの顔面芸&DV劇場、
今回はオノマチ天才劇場でした。

オノマチさんが人と正面から勝負する姿、
見応えありすぎる。

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というわけで、「夏目漱石の妻」3回目の感想です。

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小説家として認められて

猫を飼ったり、小説が認められ、
漱石の神経衰弱がだいぶ良くなってきている。
しかしその代わりにかなりの胃痛に悩まされるようになっている。
そんな時にかつての養父が金の無心に来る。

というのが今回のお話。

金之助さんは、教師の職を辞して
朝日新聞の専属小説家になり、
お給金も200円という大金をいただくようになるのですが、
出費も多くて家計は相変わらず火の車。

しかし、世間はそうは思わず。

縁を切ったはずの金之助の養父が現れ、
ギラギラした顔で
なんとか金を引き出そうと
夏目夫妻にすり寄ってきます。

昔のことですから、年をとったら子だけが頼りで、
子のない年寄りはそれはもう悲惨です。

それはまあしんどいことですから、
現代では年金やら、若い時から老後資金を貯めておくとか、
様々準備をするわけですけど、

それがなかった昔のこと、
竹中尚人演じる塩沢という老人は
貧しさに痛めつけられて、
毒親を通り越して鬼になっちゃうんですね。

オノマチ vs 竹中直人

金之助さんはそういう人物に対抗できる
強い心の持ち主では全くなくなく、
(すがれば一緒に沈んでしまうような、か細い藁、と表現される)

激しい胃痛で倒れてしまい、
妻の鏡子さんが流れ出塩沢と対決することになります。

前回の舘ひろしに続いて
オノマチさんは夫の養父・竹中直人と全面対決。

しかし、鏡子さんが対峙するのが、
常に老いた父親、
マイナス方向に転んだ父性像なのは、
ひどく象徴的ですね。

脚本は無意識なのかもしれませんけれど。

自分が無力だった頃の恩を返すよう強要してくる存在と
男性は戦えないのかもしれない。

と、ふと「太閤殿下のご恩」に殉じて
死んでいく人々を思い出したりもしました。

最近のnhkは、人と人との真正面からの対決を
きっちり描いて隙がないですねえ。

漱石と金、という文学的テーゼを
地母神みたいなオノマチちゃんで
ドラマに落とし込んでくるセンスも
さすがという言うしかない。

漱石とハセヒロ

で、鏡子さんの強さたくましさと対照的に、
漱石の方はひたすら繊細な、
線の細い男として描かれてきましたが、

神経衰弱後の胃弱漱石はその最たるもの、という感じです。

ただ、好意的な目線ですね。

線の細さが、なんだろうな、男の純粋系の表現なんですね。

あくまで鏡子さんから見た漱石像ということでしょう。

これまでドラマで漱石が取り上げられた時は、
漱石の作品や写真から感じる、
余裕や洒脱さといったものが必ず表現されてきました、

今回はそれがほとんどない代わり、

美しい部屋のセットが
あの時代への憧憬を肩代わりしているのだなあ
と思います。

あ、でもこちらの漱石も、400円を握らせたり、
義理の弟との理性的な話し合いなど、
決めるとこは決める漱石でしたね!

今回も、房子ちゃんをちゃんと守ってるところに、
ニヤニヤしてしまった。

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