真田安房守被害者の会 List 09・真田信繁 殿

真田安房守昌幸の次男坊。

父親から才覚を愛され、自身もまた父親に似た鋭い才能を誇りに育ってきた。が、天正壬午の乱を通じて父親が何者であるかを知る。

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画像転載元:nhk公式サイト

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主に父親の都合で

物語の序盤、才覚に優れてはいたけれど、あどけない少年でしかなかった主人公は、天正壬午の乱に乗じて勇躍しようとするする父親の駒として、あちこちに出向かされ、様々な人に出会うことになる。

織田に臣従する際には同行して徳川家康に出会い、

織田信長の死後、関東から撤退しようとする滝川一益に捕らえられ、人質となり、

上杉で叔父・信尹の調略を手伝い、春日信達を殺害した後は逃亡、

沼田から北条軍を引かせるために、再び命の危険を冒して上杉に赴く…

と、ぽんぽんとどこにでも送られる次男坊は、箱入りの兄が父親の天才と偉大さに魅了されていくのと裏腹に、目的のためなら手段を選ばず、危機をも楽しむ父親の武将としての仄暗い一面に向き合う。

春日信達調略と情容赦のない殺害という厳しい謀略のことは、「より大きな犠牲を避ける為」と受け止めはしたものの、同じ小県の国衆仲間であり、一時は盟友でもあった室賀正武を弑殺するのに自身の婚礼を利用されたことにはさすがに驚愕する。

(何よりも信繁は自分自身の冷たい心に出会って、衝撃を受けるのである)

しかし、昌幸はフォロー一つ入れることなく、徳川と手を切りたいという策略上の都合から、傷ついた信繁を上杉家にポイっと人質に差し出すのであった。

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画像転載元:nhk公式サイト

越後へ、大坂へ

こうしてみると、信繁がどれだけの安心を越後の景勝公に対して覚えたかと思うと、ちょっと胸に来るものがある。

目的のための手段を幾通りでも用意できる、戦上手で駆け引き上手、知略の塊である父親。

人の心を思いやるというか、思いやりすぎて身動きが取れなくなっている景勝公。

義(正しさ)というものを信じ、ちゃんと生きてちゃんと死にたいという極々当たり前の評価基準を持つ景勝公はこうしてみると本当にえらい。

第一次上田合戦後、妻である梅を亡くした信繁は、再び景勝公の元に戻り、その後、上杉景勝に同道して上洛。

そしてそのまま人質先が豊臣家にシフト。

秀吉の馬廻に任ぜられて直臣となるのだが、父親は自分によく似て目端のきく次男なら、秀吉の懐に入り込み、真田家のために便宜を図ることも可能だろうと、完全に放置。

父親からの具体的な目標が与えられないまま、一人で中央政権のさらに中央に放り込まれた信繁は、秀吉、石田治部、大谷刑部という当代きっての優秀な人物から強く調教影響を受け、ここできずかれた絆によって、死地へと導かれるのである。

信繁が後年、豊臣家に入れ込んでいくのは、豊臣家とどのように付き合っていくのかという父親の最初のマインドセットが希薄だったことが一因である気がしてならない…

と、謀略の犠牲となった他の被害者の面々と違って、信繁の被害は、昌幸からの守りの薄さから起こったことなのであった。

本人も気がつかないうちに運命から別の運命へと乗り換えさせられており、そしてその運命の行き着く先が、戦国最後の戦場だったという悲劇。

しかも次男の行く末を昌幸は全く想像もせず、徳川家を倒す秘策を語った後、自分は御屋形様の元へ帰っていくのである。ひどい。合掌。

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ストーリーブックも完結編だよ!

関連リンク 真田安房守被害者の会〈前半〉 List 01〜07

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