真田丸 第三十四回「挙兵」レビュー〈2〉佐和山蟄居から直江状、上杉討伐へ。歴史が動く。

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34回後半の見所は、何といっても直江状です。

直江状については既に別エントリで書きましたが、大笑いしつつも色々考えさせられてしまいましたね。

歴史クラスタの妄想を体現したり、世代や時代によって変わっていく何かをうまく捉えたり、真田丸は神がかっているところがありますが、それがいったい何なのか。三谷幸喜さんの才能に還元していいのか、ちょっと考えています。

こういう風にドラマを作ってもらうためには何が必要なんだろう…云々

まあ、後半レビューですw

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家康公の仲裁

●信繁に七将と治部の仲裁を依頼された徳川家康は、どうまとめあげるか、狸モードで思考しています。

「騒ぎを起こした七将ごとまとめて処分という手もありますな」なんてシレッと言う本多サドさんもおりましたが、家康公は加藤・福島あたりにはまだ使い道がありそうとそれは却下。

というか、石田治部さんのことまで「もったいなかったのう〜」と、自分の家臣に加えられないことを残念がります。

よくよく考えたら見た目が良くて頭が切れて忠義に篤い石田治部と云う男、家康公のめっちゃ好みじゃありませんか。

公は人材コレクターとしてブレない(パチパチ)。

●七将は徳川邸に集められ、徳川家康の仕置を待つことになります。イライラする福島正則を、主人に先んじて入室してきた本多忠勝が一言も発さずに制するのがかっこよかった。

竦み上がった七将は急にお行儀がよくなり、威儀を正します(ww)。

●そして満を持して七将に向かいあった家康公は、さすがの貫禄で若いもんの諍いを仲裁するのですが…

佐和山蟄居

●まあ当然のことながら石田治部がタダで済むわけはなく、命と引き換えに領地・佐和山での蟄居(部門の刑罰の一つで、閉門の上、屋敷あるいは一室で謹慎すること)となります。

これは結構重い罰でして、石田三成はさすがにショックを受けます。

「殿下のため、豊臣のため、すべてを捧げ、投げ打ってきたのに、なぜ私がこんな目に合わねばならぬ」

ポロポロと涙を流して嘆く治部を、信繁は「殿下は全て分かっておられます」「殿下は見ておられます」と慰めます。ここで刑部のように死人に惑わされるなと言えないのが信繁なんだよね…

●治部は「虎之助に会いたい」と一つだけ望みを述べます。

●五奉行の同僚である長束正家が、蟄居を申し渡します。その時、治部は虎之助(加藤清正)に何事かを話します。信繁の耳に入らなかったこの時の言葉が何らかの伏線だと思うのですが…

●信繁はここで石田治部少輔三成とは別れることになります。治部の「今生の別れじゃ」という言葉通り、二人は以後二度と見えることはありません。

徳川スカウトクラブ

●石田治部が伏見を去って三日後、徳川家康公が伏見城に入ります。有働ナレ「それは高らかな勝利宣言であった」…

●家康公は信繁を呼び出して「徳川に仕えないか」と早速スカウトしますが、信繁にあっさり断られます。

断られたのに諦めず、自分から近寄って肩を抱きに行って「先々は奉行に取り立ててやってもいいぞ」とか、2回断られても「わしの家来になれ」とか、ヤスさんの人誑し術がなんともやーらしくてしつこくてすごく面白いですww

信繁くんは「豊臣のために身を尽くしてきた石田治部さまでさえ、家康公に使えることはできなかったのに、私に務まるはずがありません」とシャーシャーと断ります。

昌幸と家康が似た者同士であるように、信繁と家康も実は波長が合うような描写もあったと思うんですが。

信繁くんは上杉景勝や石田治部みたいな一本気で不器用な人を慕わしい、支えたい、ああなりたいと思っているところがあるし、真面目な兄上を心底尊敬しているから、狸は嫌なんでしょうか。でも多分、信尹叔父上もいるよ??

でもどうにも……相性なんですかね。まあ梅ちゃんの件もありますしね……。

●徳川への仕官を断ったことを、信繁は春ちゃんに報告します。これからは兄上にお仕えして、こっちと上田を行き来する。お前も上田に連れて行ってやりたいという信繁の言葉に春ちゃんはとっても嬉しそう。かわええ。

●後日、信繁は片桐さまに呼び出され、茶々から、治部の残した桃の木が不調であることを相談されます。

たとえ豊臣家に仕官していなくても、何かあれば親しく呼び出される信繁は、豊臣家の人々にとって共通の大切な友人となっていたのでした。

上杉謀反

●1年後。家康公は大坂城に入り、実質的に豊臣家の天下を手中に収めます。が、それと同時に、会津に移封された上杉景勝に謀反の疑いが掛けられる事態が起こります。

上洛して申し開きせよという徳川家康に、直江兼続は直江状を送って反論。いや反論というか、批判というか、まあとにかく長い長いテクストで作られた爆弾が家康公に炸裂しますww

いやーもーここは最高でしたねww

●家康公は激怒し、会津討伐に踏み切りますww

●直江状は原本が残っておらず、現在残っている写本も文法的な面で戦国末期のものとはちょっと違うんでないかな〜・・ということで、後世の創作と言われることもあります。

しかし、当時の複数の記録に残っていることもあり、現在は、直江兼続の徳川家康への反論である「直江状」というものがあったことはまあ認めてもいいのではないか、とされているようですね。

真田兄弟の相談

●というわけで、再び戦の季節になりました。

上杉からは真田に密書が届き、味方するようにと言ってきています。

真田昌幸はこれに乗り、信玄公の収めた甲斐・信濃をこの手で取り戻す機会にしたい、わしのわがままをどうか聞いてくれ、この通りじゃ、と息子たちに頭を下げます。

●上杉景勝挙兵の密かな事情(石田治部との約束)を知る信繁は、すぐに父に賛成します。

「太閤殿下のご遺言を無視する徳川家康は忠臣とは言えません。徳川に従うべきではありません」とあくまで豊臣の家臣としての言上を述べる信繁は、本当に自分の頭で喋ってるの?というぞっとした感じがありました。

秀吉にというか、石田治部に支配されてる感じがしましたね。

●長男の方も父親についていくと苦渋の選択をし、パパ幸は息子たちの手をとって「よき息子を持った」と何度も言って喜びます。往年のキレをなくしたパパ幸は、息子たちの言葉を非常に素直に受け取り、喜ぶんですね。切ない・・

●その後、息子たちは父親のいないところで酒を酌み交わします。

長男は「父上は戦がないと生きていけないお方なのだなあ」としみじみ出浦様の言葉を述懐し、次男は「父上が望むような乱世にはならないでしょうが、上杉を勝たせるためには真田安房守の力が必要なのです」と、父親を駒として動かしたことを明かします。

策士だな、という兄に、真田昌幸の息子ですから、と応える弟は、徳川家康を倒して豊臣の世を存続させたいという自分の中の策士としての顔を隠さないのでした。

反徳川の挙兵

●というわけで、上杉討伐です。とうとうここまできた。

家康公は、秀頼公の名の下に上杉を討つということにしたいのですが、それを片桐且元が決死の覚悟で阻止します。

が、家康公はそんな程度では諦めません。茶々に出陣の挨拶に出向いた際、しれっと陣中見舞を頼み、ついでに豊臣の旗と幟の使用を認めさせます。

●徳川の上杉討伐軍は、高らかに豊臣の旗を掲げて進軍することになります。

●徳川家康が大坂をたったところを見計らって、宇喜多秀家が反徳川の狼煙を上げ、その背後には蟄居したはずの石田治部が…

秀吉の死後

長かった大阪編が終わり、有名な歴史的イベント目白押しの時期に入ってきました。日本史的にもクライマックスですね。

秀吉が押さえ込んできた混沌が、むくむくと脈動を始めた感じ。

16世紀終わり-17世紀始めって世界史的にも面白いんですよね。

女真族のヌルハチが活躍を始め、ロシアがタタールのくびきから脱出して勃興し始める。メアリー・スチュアートが処刑されて、スペインの無敵艦隊が英国に破れる。フランスではヴァロワ朝が断絶する。フランス、英国が北米に入植を始める。

そんな風に急に世界中が中世から抜け出そうとしていた時代に、日本も同じようなことが起こり、混沌が極まっていたというのが非常に面白いです。

さて、真田丸で関ヶ原はどう描かれるのか・・

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真田丸 完全版 第弐集 [Blu-ray]

映像特典ディスクがすごいことになるらしいですね。

10/19発売。早く見たい〜!

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コメント

  1. 蕎麦 より:

    いつもレビューやTLまとめを楽しく興味深く読んで、真田丸解釈の勉強をさせてもらっています、蕎麦と申します。
    こちらでは初めまして。

    第三十四回で家康が信繁をわしの家臣になってよ!と誘うところは、アンチョビさんと同じく面白い!と見ていました。
    そして信繁が何故家康に誘いを断ったのか。それについて私は、蟄居することになって嘆く三成にシンクロしすぎたのでは?と解釈しています。

    信繁は元々目の前にいる可哀想な人に感情移入しやすい傾向があると思っていました。
    その根拠は、例えば第二十四回。伊達が来ると信じて篭城し続けた氏政と会い、「伊達と組んで豊臣と一戦交えたかった」との嘆きを聞いたあと、人あたりのいい信繁が初対面の政宗に珍しく冷ややかな視線を向けたことからです。政宗と二人きりになったときも、「氏政は伊達を待っていた」みたいなことをちくっと言及していましたしね。

    おまけに信繁はより強く好意を感じる人をあからさまに贔屓にするところもあり、家康と波長が合う部分を持っていたとしても、三成様の方が大事だから!と、誘いには乗らないのだろうと考えています。

    以上はあくまで私の個人的な見解ですけれども、最新の回に以前登場した場面を絡めながら様々な想像が膨らむ真田丸は、神作品だと言い切れます。初回からリアルタイムで見られて本当に良かったです。

    • アンチョビ より:

      >蕎麦さま

      鋭い考察、ありがとうございます。
      人好きで、人に対する思い入れが強いという、信繁の人物造形はなかなかリアルで面白いです。
      意外と家康と似ていて、いろんな確執がなければ気があったのではと思わせるのも狙いなんでしょうね。

      あと少し、というのがすごく悲しいけれど、一緒に完走しましょうねー!

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