真田丸 第三十二回「応酬」レビュー〈1〉目は口ほどにものを言う。石田治部の関ヶ原への道が始まる。

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(周回遅れから)追いついたー!32回です。

徳川家康暗殺のドタバタの最中、太閤秀吉が死ぬ。

以前から秀吉死後に備えていた石田治部・大谷刑部らですが、秀吉が錯乱しながら治部に言い残した「家康を殺せ」という言葉に、石田治部が次第にとらわれて破滅への道を踏み出してしまう。

それを「佐吉を支えてやってくれ」と頼まれた左衛門佐がつぶさに見る。

非常に佐吉ちゃんが切ない。
切ないっていうか、心を抉られるっていうか。いててててて。

というわけで、悲しすぎて飛ばしたいけど、レビューしてみましょう。辛い。本当に辛い。

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暗殺は失敗に終わり

●出浦昌相の徳川家康暗殺は失敗に終わります。重傷を負った出浦様は、信幸の手配で夜明け前に有馬温泉に搬送されます。

さて早速ですが、ここでグーグルマップを見てみましょう。

スクリーンショット 2016-08-20 10.30.53

伏見城跡から有馬温泉観光協会まで57kmでした。割と近いね!

刀傷に加えて全身火傷とのことなので、1日30kmも移動できなそう。とすると、4〜5日かけて、戸板で運ぶのでしょうか。戦国時代の怪我人の搬送についてちょっと興味が。

ところでTLで教えていただきましたが、有馬温泉の効能には、傷・火傷も含まれていました。ばっちり。信幸がすっかり仕事ができる男になっていますね。

スクリーンショット 2016-08-20 10.32.52

私も出浦様の看病ついでに有馬に行きたい。佐助に邪魔者扱いされたい。

●徳川邸では、アサシンの正体については何もつかめなかったようです。透破の仕事も確かなら、信幸がとっとと搬送したのも良かったんでしょう。

●青ざめる家康に、正信は「どうせ命を狙われるなら、天下を取っておしまいになったら?」と焚きつけますが、家康は「くどい」と一喝します。

家康は最初、天下取りの野心はなかったというのは最新の研究成果の一つですが、この家康の造形だととても納得できますね。

井戸の底よりなお仄暗い蔵の奥、甕の中

●真田邸にきりが使いに来て、信繁は伏見城に急いで呼び戻されます。秀吉が死んだという内密の知らせを持ってきたんですね。

●信繁が伏見城の廊下に佇む茶々を見かけて話しかけると、茶々(淀殿)は、「どうせ長くはないと思っていましたし、そばにいたって生き返るわけじゃないでしょ」と、いつも通り死んだ者には素気無い。

秀吉の寝室の控えに入ると、福島正則が大きな背中を丸めて一人で泣きじゃくっていて、対照的です。

●秀吉の死に様は、その時ちょうど眠りこけていた片桐さまによって「眠るようにスーッと亡くなった」ことになってまして w w。

視聴者目線だと、苦笑してしまうのですが、でも寧は「長年仕えた助作に手を握ってもらってなくなたんだからきっと喜んでいるでしょう」とホッとしている様子です。

嘘をついている片桐さまの胃が痛みますw

●秀吉の遺体は甕に入れられて塩漬けにされ、その死はしばらく隠されることになります。お墓にも入れず、塩漬けなんて気の毒の限り。さすがのきりちゃんも太閤殿下に同情。

●甕を蔵の奥に安置したのは福島正則でした。

手を貸そうとした信繁を「これは俺がやらなければならないこと」と激しく拒んだ正則。秀吉の親戚筋の子としての彼の矜持であると同時に、豊臣家を守るために決意を新たにした、というシーンでしょうか。しかし正則一人で守るには、豊臣家は重すぎる・・・(の暗喩のシーンですね)

●信繁は甕の安置が終わったことを三成に報告するついでに、徳川邸に賊が入ったこと、暗殺に失敗したことを話して、三成の様子を見ます。

平静を装うものの、信繁を秀頼君の馬廻にしてもいいたることもできるが、とか、ちょっと口止め入ってますかね?? それとも、信繁が家康に着くために豊臣を辞する機会を与えた??

●しかし信繁は、治部どのに使えたいと申し出ます。

今こそ、太閤殿下の恩義に報いる時、という信繁に、石田治部は、

私はほとんど間違えることはないが、ごくたまに誤った決断をすることがある。その時は遠慮なく止めてくれ」「豊臣家の正念場だ、よろしく頼む」

と目を潤ませながら頭を下げます。

信繁相手にはちゃんとコミュニケーションが取れる治部様なんだけど・・・

新体制での評定

●夜、家康の元に太閤の死の知らせがもたらされます。家康はすぐに秀忠を呼び、江戸に戻るよう言いつけます。当主と嫡男が同時に死ねば、お家は滅びる。

秀吉が死んだ後、255万石という破格の知行地を抱える最有力大名である家康が、豊臣政権から狙われることは確定的に明らか。死ぬ前に暗殺者も送られてきちゃったしね!

秀吉の死の報せが家康を本気にします。家康は秀吉に向かって手を合わせ、冥福を祈りますが、それと同時に顔を険しくします。

しかし、秀忠はのんびりしたもので、父の言いつけに「何故でしょうか?」なんて聞いちゃう(星野源さん、かわいいです)ものですから、思わず家康は息子を激しく怒鳴りつけます。

●家康の予想通り、石田治部は徳川家康への警戒感を強めています。

大谷刑部、信繁は、治部に調子を合わせながらも(治部を全否定しないよう気をつけながら)、でも徳川さまを除いては豊臣家は成り立たないし、と取りなそうとします。

が、どうも治部の様子を見るに、徳川とやっていく気は無さそう。

大谷刑部は他の五大老(老衆)の取り込みを考えます。が、上杉・宇喜多・毛利は2代目。当主の経験値的にも、石高的にも、つまり実際の軍事力的にも徳川に対抗する力はありません。

唯一対抗できそうな加賀96万石の前田大納言(前田利家)に、後見を頼みに行くことになりますが、残念なことに死にかけの老人でした。まあ秀吉の盟友ですから、年齢的にそうなる。

●こうなったら打てる手を打つしかない、と治部は、事前にきっちり資料を揃えて評定に臨み、書類によって評議の流れを支配しようとします。

●まどろっこしい評議ですが、最初の評議は三成の思う通りに運びました。その席で決まったのは、朝鮮からの全文撤兵、そして撤兵ののちに太閤秀吉の葬儀を行うこと。

ドラマ内で誰も一言も言及しませんが、わかる。みっつんは、清正を秀吉の葬儀に出してあげたいんだよね・・・

帰りたい、しかし

●伏見の真田邸に三十郎がやってきます。久しぶりの再会に喜ぶ主従。三十郎は、信繁にこれから必要だろうと、信幸が呼び寄せてくれたのでした。夜はささやかながら三十郎歓迎の宴が開かれます。

●その席で薫が「信濃にはいつ帰れるのですか? 太閤殿下もなくなったし、そろそろいいのでは」と言い出したことで、太閤秀吉の死を薫、おこう、稲、春の全員が聞き知っていることに信繁は気がつかされます。

●三十郎はパパ幸がずいぶんくたびれて覇気を失っていることに気がつきます。パパは徳川家康暗殺失敗以来、もうがっくりしています。お庭に出て月を見上げて「帰りたい・・」とつぶやくパパが、都会でフランクフルトで生気を失っていくハイジのようで(涙)。

昌幸を昌幸たらしめているもの、それは信濃という土地なんですね。

●信幸、信繁は二人で酒を酌み交わしながら徳川方と三成方の情報交換をします。

本多正信が大名たちを招いて宴会を開いていること、おこうと庶子の件をまだ本多忠勝に話していないことw、秀忠が江戸に戻ったこと…

●なぜ秀忠が江戸に戻る?戦支度??と考えあぐねる信繁に、縁側にごろ寝しながら息子たちの話を聞いていた昌幸が、家康の意図を説明します。

「織田家が滅びたのは信長と同時に嫡男・信忠が討たれたから」「家康は信長の二の舞にならないよう息子を領地に返したのよ」

くたびれていても、さすが真田昌幸。こういうことにはさっと頭が回ります。

息子たちもさすがは父上、と感嘆します。しかし、話しながら、パパ上の顔がいつの間にか生気を取り戻していました。

「ことによってはワンチャンあるかも」

つまり、あのいつもの、ろくでもない顔ですね。

徳川の攻勢

●伏見では、本気になった徳川家康が攻勢に転じていました。

●阿茶の局が北政所、茶々に、徳川内府が豊臣家を守ろうとしているのに、石田治部がそれを邪魔すると吹き込む。

北政所が徳川家康を呼び、話を聞くと、家康も治部が太閤の葬儀の日取りをなかなか決めないと嘘を言う。

治部を呼び寄せれば、評定の席で朝鮮からの撤兵が終わってから、改めて盛大な葬儀を取り行うことに老衆も奉行衆も同意しているという。

●寧はすっかり困惑します。

●治部、そこで虎之助を葬儀に出席させてやりたいから、朝鮮撤兵後の葬儀なんですって言え!! そしたら寧は信じてくれる!! と手に汗握っちゃいましたよ・・

でも、朝鮮からみんなが戻ったら葬儀、と言ったことで治部は全部説明したつもりなんだよね…

というわけで〈2〉に続きます。

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