花燃ゆ 第十九回「女たち、手を組む」感想

humi_catch

タイトルからしてまったく期待できない第十九回、さくっと見ていきましょう。さくっとね。

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高杉雅がひどすぎないか問題

●外国との通商により、物価が上がって庶民は生活が苦しくなっています。

大黒柱の兄弟二人が罪人となった入江家では仕事が見つからず、生計を立てるために郊外の村に引っ越していきました。松蔭の肖像画を描いた魚屋の亀太郎も、魚がなかなか売れず、苦しい生活…なんですが、なにかこう、はたから見た感じではこれまでどおりという感じ。なんででしょね??

松蔭に巻き込まれて罪人となり、仕事も見つからない入江兄弟の家族はお気の毒でしたが…

●久坂は薩摩の西郷吉之助と会談します。薩摩は藩主の父・久光公が兵を率いて京都に向かうけど、長州はどうすんの? ってわけです。これで久光上洛の説明のつもりか。幕末イベントとドラマのストーリーが全然絡み合ってないこの稚拙さ、もうだめかもわからんね。

●一方、高杉晋作は周布さまに呼び出され、上海行きが決まったことを知らされます。

大喜びの晋作は、妻の雅よりも前に文に報告します。はあなんで? と思ったら、雅の友達になってほしいというわけです。

久坂は高杉の上海行きがうらやましくてたまりません。

そうそう、みんな日本を守るために攘夷(外国を打ち払う)、といいつつ、外国への憧れは強いんだよね。そして外国との交易を独占し、入出国をも制限する幕府に対して「お前要らね」な流れになっていくんだよな。

●雅さんは晋作が大好きで「晋さま♥️」なんて呼んじゃったりなんかして、ぎゃーす。前回は「きりっとりりしくてきれいなお嬢さん」なんて褒めてしまって大失敗でした。

へんなキャラ付けがものすごくうざいのですが、高良晋作は美人の若嫁にメロメロで、塾生たちに自分の妻を見せびらかして悦に入ります。

文とかまぼこ

●久坂は薩摩・久光公の上洛に焦りを募らせており、幕府におもねる長井雅楽の排除を考えます。

が、ここもまったく具体的説明がないので、見ている方が脳内補完です。長井雅楽のせいで、討幕派の志士たちからの信用を失っているとか、長井雅楽を放置している久坂が責め立てられたり、仲間内で揉めていたりとか、そういうシーンを適当に入れながら見るドラマ。スキルあがるわ。

久坂は勤皇の旗色を掲げないと薩摩に出遅れる、刺し違えても長井を討つ、という覚悟で、久坂はちりじりになっていた塾生たちに声をかけ、資金を集め始めます。杉家の家計を管理する文ちゃんには、京では金がいるんじゃ!と直訴。

文ちゃんは「夫の大事のため、なんとかします」っていうタイプじゃないので、膨れっ面で「家族が生活するにもお金がかかるんです」と断ります。あーもー。

私はこれまでずっと、井上真央の演技は悪くないのに変な脚本と演出でかわいそうだ、と思ってたし、言ってきたんですが、間違ってました。井上真央が大河の主役だから歴史が卑小に描かれてるって一面が確実にあるよ、これは。

●久坂は魚屋の亀太郎にも声をかけます。が、亀太郎は京都行きは断り、その代わりにと苦しい生活の中から積み立てたへそくりと久坂に渡していました。

文は亀太郎に謝りにいき、亀母に売れ残った魚をかまぼこにしましょうと提案します。そう、今回のメインは何かというと、かまぼこだったんですよ!

文ちゃんとスミちゃん

●女性たちはみんなでかまぼこを作って売り、滝さんは旦那の積み本を黙って売り、塾生たちの京都行きの資金を捻出します。

久坂「俺が動くとお前を不幸にするのう」文「あなたが思うより女は強い」とかいう、気の効いた感じの台詞の応酬がありますが、ものすごく浮いてました。

きゃっきゃっウフフと楽しそうにかまぼこを作ってた描写しかなったので、本当に女が強いのかどうか、私には確信が持てません。普通はここで、罪人の作ったものなんか食えるかと売り物をひっくり返されたり、ヒソヒソ言われたりするシーンが入るものですよね。

●その頃、久坂の旗揚げを知らされた入江九一が萩に戻ってきます。

九一は江戸で仕事を探して家族に仕送りしていたんですね。久坂からの手紙をもらって、いてもたってもいられなくなって戻ってきてしまったと苦笑いする要さんが私的には本日のハイライトでした。こういうイケメンシーンは毎回しっかりいれるべき。眼福〜。

九一が戻ってきたことを知り、入江家の台所事情がまた苦しくなることを心配した文ちゃんは、幼なじみのスミちゃんを心配して食料を差し入れにいきます。

●文ちゃんにとって松蔭と塾生は誇りとも言える存在なのですが、彼らの政治的な思想はの是非については深く考えてはいないし、受け入れてもいません。もうこの時点で、文が主人公である必然性がなにもないんだよねー。

残念ながら視界が低く、自分の家族と生活のことしか考えていない文は、当時の女性としてもうーん、どうなの、これっておもっちゃいますね。
当時としたってもっと見識が高く、誇り高く、知的な女性はいたでしょうよ??

で、文ちゃんの中のダブルスタンダードを象徴するのが、松蔭によって生活が苦しくなったり、家族が罪人になったりした友人のスミちゃんの存在なんですね(結果的にであって、狙って彼女の存在が描かれている訳ではないでしょうが)。

いつも鬼のようにずうずうしい文ちゃんが、彼女に対してだけは気後れして遠慮してしまうところがあります。

この日も忙しく一人で家事をするスミちゃんにとても声がかけられず、野菜の入った籠を置いてそっと足り去ります。

久坂は京都へ 高杉は上海へ

●京都に向かう塾生たちを高杉が見送りにきます。高杉は嫉妬のあまり態度のよくない久坂に、自分の志を語ります。

松蔭先生の果たせなかった志、攘夷と異国との交流、これをお互い一つずつなしとげて、次はどでかいことしようや!」。

松蔭に最後にもらった、仲間とともにあれ、自分らしくあれ、という言葉を彼なりに一生懸命実践しているんですね。ここはちょっとじーんとしました。台詞もよかったし、高良くんもなんかこう眼がキラキラして、高杉晋作の中2っぽさを高良くんなりに出しはじめました。いやよかったです。

だが、久坂玄瑞の扱いはこれでいいのか。

●塾生たちが京都に旅立った後、魚屋の亀太郎が杉家を訪ねてきて、松蔭の思い出を文に語ります。

松蔭は亀太郎の面倒も一生懸命見ていたそうで、亀太郎は「おれの夢はもう松陰先生が叶えてくれてたんです」とちょっと様子がおかしい。

●実は亀太郎は京に行き、塾生たちの長井雅楽討伐を止める決意をしていました。

遅れて京都に到着した亀太郎は、塾生たちと合流。喜んだ塾生たちがなぜか宴会を始め、酒がまわって寝込んだところを抜け出して、屋敷を辞してきた長井雅楽に、商売道具の出刃包丁で切り掛かります。あー!

●亀太郎が抜け出したことに気がついた前原一誠と久坂玄瑞が、茶屋街の一角で亀太郎を見つけたときには、すでに襲撃に失敗し、手傷を負った後でした。

亀太郎の傷は命に関わるものではありませんでしたが、亀太郎は「久坂さんがこんなところで死ぬべきではない。最初に死ぬのは俺みたいなやつでOK」と言って出刃包丁を腹かどっかに突き刺して死んでしまいます。ちょっ、亀太郎ー!!

クライマックスは女たちの和解?

●杉家は、息子の書いた絵がみたいという亀太郎母の訪問を受けます。

亀太郎の変化を見抜けなかったことを文ちゃんは頭をついて詫びます。

そのとき、突然高杉嫁の雅が杉家を訪問。亀母にお悔やみを述べつつ、どういう覚悟で息子を見送ったのか聞かせて欲しいと言い出します。

文ちゃんこれには大激怒。雅さんをたたき出そうとします。

●高杉嫁は、自分は家柄も良くて、生まれながらに優秀で美人で、これといった欠点も亡く、人から褒められてばっかりで世の中つまらない、という大変高慢で品のない娘でして、文ちゃんはじめ女性陣はみんな辟易していました。

しかしそんな雅さんでしたが、本心では旦那の高杉のことが心配で心配でたまらない、どうしたらいいのかわからないと思い悩む可憐な若妻でした。その心情を雅さんは吐露します。

●そこに入江兄弟の妹スミちゃんも登場し、家族に志士を持つ女たちは、心配や不安を共有して女は女で助け合って生きていこう、と語り合います。

ドラマ的にはここがハイライトでしたが、雅さんのキャラ付けのひどさに、たぶん往年の大河ドラマファンはチャンネルを変えたことでしょう…

●亀太郎の件で謹慎をくらった久坂ですが、伊之助とともに周布さまに無理くり面会します。

二人は周布さまに、これから長州をどうするんだ、勤皇なら亀太郎を過ちを侵した魚屋としてやりすごすんじゃなく、長州を思って死んだ志士ということにしろ、と詰め寄ります。

周布さまは、すでに革新である伊之助・久坂にインしていますが、これまで穏健に過ごしてきました。

しかし塾生とはいえ、一介の魚屋が藩の重役を襲ったという事態を重く見て、藩是の変更に打って出ることにします(という解釈だと思います)。

で、何故か久坂玄瑞が「私が長州を背負って立つ覚悟です」と叫んだところで、フィナーレの悲壮な音楽が流れます。あ、ここが感動するところですか。教えてくれてありがとう。

感動するだけの内容なんてありませんでしたけどね…。

かまぼこが支えるテロリズム

今回も絶望的にひどかったわけですが、まああれだ、予算がないんでしょうね。要するに。
番宣を見ると、合戦シーンはわりと派手そうなので、そっちに予算を振り向けちゃったのかなー。

しかし、ここまでつまらないものを見せられると、予算をたくさん使ったシーンにまでたどり着けるかどうか、まったくわかりません。

ダウントンアビーのおかげでなんとか持ちこたえている状態で、ほんとNHKは花燃ゆの視聴率の意味しているところを真剣に考えてほしいよ。会長も批判するんじゃなくて、てこ入れしろ。

と、あらぶったところで、また次回。アデュー!

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