真田丸 第二十五回「別離」レビュー〈2〉水垢離、幼子の死、淀殿になる女。

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後半のレビューです。サクサクいきます。

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さだめ

●近江中納言・秀次も淀城に到着します。きりちゃんも一緒にやってくるんですが、これはあれか、大阪城か聚楽第から寧さんのおつかいで鶴松お気に入りのでんでん太鼓を持ってきたということでよろしいのか?

●この様子を見守っていた大蔵卿局が「利休殿の祟りという噂があるが本当か?」と信繁に尋ねたことから、茶々と利休の関わり、利休が信繁に話さなかった大徳寺の木造の詳細が明らかになります。

茶々は利休のことを父と慕っていたこと、

お茶をたてる時にそばに置きたいと小さな木造を希望したこと、

利休が寸法を間違えてほぼ等身大の自分の像を作ってしまったことw

茶々がこんなに大きなものはいらないと言ったこと、

かといって捨てるのも不憫でという利休に、最近山門の改築に寄進した大徳寺に預ければ大事にしてくれるんじゃないですか? と茶々が勧めたことなど。

信繁は大徳寺に木造をおかせた利休の意図を理解します。いや、何にも意図なんてなかったことに足をすくわれた、それを利休は「さだめ」と言ったのだと。

●きりちゃんは茶々が全く悪気なく、人の死を招くことに怯えます。もうきりちゃんのフラグクラッシュA+をもってしても対抗できないかもしれない。

●その頃、片桐さんと薫さんは台所で薬草を煎じていますが、基本的に何も理解してなかった片桐さんは貴重な煎じ汁を綺麗に流してしまいますww 痛恨のww 極みwww

ノーキンズと水垢離

●すっかり日が暮れ、鶴松の最後が近づき、人々がひっきりなしにやってきます。

治部・刑部の部屋には加藤清正と福島正則がやってきて、鶴松の容体を尋ね、「俺たちに出来ることをするぞ!」と佐吉を水垢離を誘います。

九州から駆けつけて水垢離。俺たちに出来ることは水垢離。ノーキンズが愛しくてならんわ。

●しかし、三成は冷たく誘いを断ってしまいます。清正は一瞬悲しい目をして「誘ったのが間違いだった」と去っていきます。

●鶴松への見舞いの品ではなく、お付きの人たちへの豪華な差し入れを携え、徳川家康もやってきます。

他の大名たちが秀吉に取り入ろうとお見舞いにやってくるのに対し、家康は鶴松の死後、そして秀吉の死後を考えて、豊臣の旗本たちを掌握しようとしているんですね。

一枚も二枚の上手の狸ですが、こんな狸でも秀吉が生きている間はどうしようもないっていう。

●ノーキンズたちは水垢離を始めます。そこにさっき断ったはずの石田治部、いや佐吉っちゃんもやってきて、黙って頭から激しく水を浴びます。

単も身につけず、頭からザブザブと冷水を浴びる佐吉を見て、ノーキンズは感動。俺たちも!と負けずに水垢離。友情復活。

狸たちの腹芸と、脳筋たちの友情物語が、同時進行できる三谷幸喜って神か。

家康と昌幸

●水垢離の後、石田治部は秀吉の甥たちを集めて鶴松の容体を伝えます。この席に宇喜多直家の子の宇喜多秀家がいましたが、彼が何でここにいるかというと、秀吉に気に入られて猶子(相続をともなわない養子)になっているわけですね。

秀吉の側室になっていたと言われる母親の縁でしょうか。

このお母さんのエピソードは確か軍師官兵衛で詳しく描かれてましたけど、直家が死ぬ前に奥さんに秀吉の側室になるよう言い含めるんですけど、直家自身もまだまだ妖艶な奥さんに未練たっぷりっていうの、官兵衛の中でも好きなエピソードですね。

官兵衛は漂白されずに、腹黒く官能的にやっていければ幸せなドラマになったのでは、と今でも時々思います。

●まあ秀家のことはさておき、甥たちの筆頭である秀次は鶴松の誕生により、ちょっと「降りた」立場だったんですけど、再び「秀吉の後継者」としてスポットライトを浴びることになります。

改めて「叔父上をお支えするのはこの私」と決心する秀次は、「私はいずれ関白になり、豊臣を、日ノ本を支える。その私を支えてほしい」ときりちゃんにプロポーズ。

きりちゃんは「今この場で言うようなことでは」と言葉を濁します。

●その頃、家康と昌幸の二人は豊臣家が長く続かないだろうことを予想しています。秀次など、秀吉に比べればひ弱な若造に過ぎない。狸親父たちはほくそ笑みます。

●片桐さんと薫さんは、わずかに残った薬草を煮詰め、一粒だけお薬を作り上げます。が、昌幸パッパが味見にパクッとな・・・

「新しいものを手に入れて出直してまいります…」

●家康公も、お見舞いの実績は作ったしと、帰宅することに。

昌幸と家康が淀城のお城でかち合うわけですが、上っ面だけ白々しく鶴松の前回を祈りながら、目だけで豊臣家の治世の終わりを確認し合います。

とりあえず秀吉が死ぬまでは、おとなしくしような、そう長い間じゃない、と。

鶴松の死

●その夜遅く、鶴松の容態が急変します。最初に書いたけど、このあたりはリアリティで描写されています。人の死を臨終に至るまでのあの耐え難い時間をちゃんと描写するドラマがほとんどない中、真田丸があれをちゃんと描写したのは結構すごい。

定番の型をがっと更新しています。

●秀吉が臨終前に鶴松の側を離れて、フラフラと部屋を出て行くのもリアル。長いこと緊張しているので糸が切れるんですよね。

鶴松の遊び部屋、誂えた木馬を前に「鶴松の生まれた意味、死ぬ意味」を信繁に問いかける秀吉。

きりからでんでん太鼓を受け取るシーンで、信繁が鶴松の死に関わった医者たちが秀吉の怒りに触れないよう寧に頼み、寧が「鶴松が病がちになったのはあんたが罪のない人を苦しめたせい、としっかりとっちめてあるから大丈夫」と応えるのですが、この秀吉を見て、あれは嘘だな、と思いました。

嘘というか、信繁にわかりやすく、安心させるための方便というか。

●鶴松が病がちになった時、過去の己の行いを秀吉は振り返り、深く後悔したでしょう。寧はそれをよく知っていたからこそ、鶴松に何かあっても医者たちの心配は無用と請け負ったのではないでしょうか。

決して寧は秀吉をとっちめたりしていないと思います。

●信繁は悪いことを言葉にしてはいけない、良いことを話しましょうと秀吉を慰めます。

鶴松様は大人になったらなんと名乗るのですか? 奥方はどうされますか? 鶴松様が関白になった時、殿下はどうされますか…?

話しているうちに、秀吉は少しずつ前を向いていきます。

鶴松が関白になったら、自分は海を越えて明国でも攻め滅ぼすか、と戯れのように言った一言ですが、この時秀吉が語った未来の中で実現可能なものはこの一言だけでした。

●鶴松は臨終を迎えます。フラフラと部屋を出てさまよい出した茶々を追わず、秀吉はそっとでんでん太鼓を鳴らします。死んだ子の魂を呼び戻していたのか、鶴松が好きだったおもちゃの音色を最後に聴かせていたのか。

哀切で不吉で、すごいシーンでした。

●しかしもっとすごかったのが、この後の茶々とナレです。我が子が死んでも「悲しむことをやめた」茶々は悲しむことができない。幽鬼のように、白々と夜の開けた淀城を弱々しくさまよい歩くのですが、その茶々を寧様は抱きとめます。

母親が娘にするように抱きしめてもらって、茶々は感情を迸らせ、少女のように泣き叫ぶ。

その悲痛な鳴き声を背景に、有働アナがはこれが豊臣家の「さらなる悲劇の序章に過ぎない」と高々と宣言します。

尾張の農民の一家だった者たちが、殺人を重ねた挙句、滅亡という格調高い悲劇の主人公に上り詰めるのですね…

女たちのこれから

本人は全く望んでいないのに、他者の運気と命を吸い取るようにして生き残り、天下人の女、やがて母親となる茶々。

真田丸の竹内茶々さんの悲惨さを見ていると、官兵衛の二階堂茶々の自ら望んだ戦国のモンスター化の方がむしろ救いがある気がしてきますね。

寧に感情を受け止めてもらった茶々は、今後むしろもっと壊れてしまう気もします。

フォロワーさんに「茶々は寧を憎むようになるかも」と言われたんですけど、そっち方向もありうるし、「なんで私がじじいの子供を産まなくちゃいけないの」と気に入った男から子種を仕入れる方向もありそうで…

何が言いたいかというと、そんなになって寧と茶々の関係がどうなるか、心配だけど楽しみだ!ということです。

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北政所と淀殿―豊臣家を守ろうとした妻たち (歴史文化ライブラリー)

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