真田丸 第二十四回「滅亡」レビュー〈1〉海の都・小田原の支配者の背後に響く海鳥の声。敗北を受け入れ、誇り高く死んでいく氏政。

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大坂編もまとめに入ってきました。第一部が室賀正武の死で終わったように、第二部も重要人物の死で終わります。

名門北条氏の4代目、北条氏政です。

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氏政との邂逅

●23回のラストで、生き別れた小山田茂誠と再会し、命を助けられた信繁は、積もる話に未練を残しながらも、江雪斎に誘われて氏政の部屋を目指します。

●氏政は北条を散々振り回した真田の次男坊が来たと聞いて激おこ。

秀吉にも負けないような豪華な衣装をまとい、清らかに曲げを結った氏政ですが、顔にはべったりと白粉が塗られ、目は血走り、もう超怖い。

しかも氏政は、信繁を召し捕らえて殺そうと部屋に兵士を隠して待ち構えていました。

真田と北条の因縁を考えたら無理もありませんけど。主にその因縁のせいで、こんなことになってるわけですし。

しかし信繁は、自分は豊臣の使者であり、真田安房守の息子として参ったわけはありませんと氏政に反論し、その言葉に氏政はふと正気を取り戻します。

●家康と大谷刑部からの親書を受け取った氏政ですが、「戦は最後の最後までわからぬもの」と降伏を拒否します。

信繁は、氏政が頼みの綱としている伊達が秀吉に恭順したこと、関東の北条の城も次々に落とされていることを告げます。

北条方の城の名前を列挙される中、実弟の守る鉢形城の名前で動揺する氏政。そして因縁の沼田も真田に、というかYAZAWAに取り返されたことを知り、ようやく「ついに東国の覇者にはなれなかった」と自らの敗北を認めます。

●氏政は「どうせ戦をするなら、伊達や徳川と組んで、日ノ本を分ける大戦をしたかった。華々しく戦国の世の幕を引きたかった。(包囲戦でそれをさせなかった)秀吉が恨めしい」と心残りを述べるのですが、戦国武将の深い述懐として、こんなにしみじみしたセリフは久しぶりに聞きましたよね。

信繁は今こそ命を惜しみ、豊臣の家臣として生き延びられよと最後の説得を行います。

信繁もまさに「命を賭して」の説得で、本当に立派になりました。

彼が氏政から受け取った「どうせやるなら日ノ本を分ける大戦」「華々しく戦国の世を終わらせる」という言葉が、彼の後年に影響を与えなかったわけはない。

彼に積み重ねていく人々の望みや期待、未練の一つ一つが、全て夏冬の大坂の陣で昇華されるんですね。

海鳥の声

●江雪斎は信繁の説得が成功したことを「そうでなかったからお主を生きて返さないだろう」ということで推し測り、喜びます。

これを聞いた信繁はさすがに顔をこわばらせますが、表情には出しません。こんなところも成長したよね、と大坂編の最初の頃を思い出してみる。

●信繁は小田原城を出る前に再度小山田茂誠と会い、松の生存を告げます。詳しいことを話す時間はないけれど、北条の家臣としての務めが終わったら必ず上田を訪ねてほしいと約束し、二人は別れます。

この時、信繁は利休が商品に押す刻印のついた鉛のインゴットを見つけ、手に入れます…

●上杉に従って八王子城を攻めていた真田勢は、秀吉の命令で未だに落ちていない忍城に戻り、三成の手助けをすることに。

秀吉の気分一つであっちこっちに行かされて、どんどん面白く無くなる昌幸です。

「お主は氏政を羨ましく思っているのか?」と慎重に昌幸の真意を確かめる出浦さまが相変わらずかっこよくて不穏です。

昌幸は「あやつは己の戦いをしている」と北条を羨んでいることを認めます。いやそんなにいいもんじゃなかったと思うけど。。

●で、その北条はと言いますと、ついに氏政が開城を決意し、氏直を呼びます。

化け物じみた白粉が落ち、爽やかな光の中で、すっと立つ氏政が美しい。

北条の暗雲を象徴するかのようなカラスの不吉な鳴き声はもうなく、代わりに海の都・小田原にふさわしい海鳥の鳴き声が氏政の背景に響きわたります。

ここまでにしていただこう

●北条降伏の知らせを聞いて秀吉は大変喜びます。家康もホッと胸をなでおろし、最後に「氏政・氏直親子の命は助け、その代わりに小田原城を引き渡すでよろしいかな?」と確認をとりますが、これがやぶ蛇になってしまうんですね。

秀吉は「やっぱり氏政には死んでもらうか。ここまで粘られたんだから示しがつかんだろ」と相変わらず軽〜い調子で約束を反故にします。

家康と刑部が驚いて反対しますが、武士の義に悖ると言われて「うるさい!」と一喝して終わらせる秀吉が超怖い😨

軽ければ軽いほどこの秀吉は怖いんですが、この怖さに寧さんはずっと耐えてきたんだなと思うと、茶々を側室にすると言ったときの寧さんの表情の意味が、改めて迫ってきますね。

あの時寧は、秀吉の執着が起こすだろう悲劇の予感を、必死で否定してたんだな…

●というわけで、氏政は豊臣の軍門に下った後は切腹の沙汰待ちとなります。

そこに家康が訪ねてきて、氏政の命を必ず助けると手を取るのですが、すでに死の覚悟を固めている氏政は、それを断ります。

家康が深入りすることで、秀吉の不興を買うと心配する氏政が気高い。

豪華・東国大名たちの説得

●家康は、秀吉を説得するにしてもまず氏政が生き延びるという決意を固めないとどうしようもないと、なんと上杉景勝・真田昌幸を小田原に呼び出して説得にあたることに。

徳川・上杉・真田・北条と、第一部でしのぎを削りあった戦国武将たちが顔を合わせるという豪華シーンなのですが、これはむしろ北条氏政の最期へのはなむけとなります。

ものすごく豪華で、だけどものすごく悲しいはなむけ。

●結果が変わらないだろうと薄々感じながら、徳川家康に促され、上杉・真田が説得にあたります。

上杉景勝は「わしらも髻(もとどり)を切って出家する覚悟で殿下を説得する。一緒に豊臣の家臣として生き延びよう」と共感重視の説得ですが、「むしろ本当にそれでいいのか、上杉殿にお伺いしたい」と反論されて二の句が告げず、

真田昌幸が「死にたいなら死になされ。ただ生き延びれは大暴れのチャンスはまだある。秀吉がこのまま世を治めるとは到底思えない」と未来に依って説きますが、「あの世で方々のご活躍を楽しみにしている」とつきはなれされてしまいます。

●ついに家康は氏政の心を変えられないことを悟ります。

氏政は「ここまででござる」と、自らの人生にピリオドを打ちました。

上杉景勝が「良い戦相手でござった」と最期の言葉を告げ、それに氏政が「その言葉、貴殿にもお返し申す」と応え、互いに競いあった4人はお互いを讃え合い、別れることになります。

憑き物が落ちたように、清らかな表情の氏政は、生き延びることを決めた3人の大名たちを静かに見送りるのでした。

というあたりで〈2〉に続きます。

うおー、今日中に後半書きたいが、書けるかな。。

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今となっては明るく氏政が見られる第一部・信繁青春編。

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