真田丸 第十六回「表裏」レビュー〈2〉秀吉・三成の意図が汲み取れない信繁の空回り。茶々の殺されるかもエフェクトが効果ありすぎの件。

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後半です。

秀吉からは真田の存亡の、茶々からは命の、2方向からプレッシャーをかけられて、信繁がフラフラになります。

さあどうするんだろうか…

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三成くんの部下教育

●三成は信繁に大阪城mapを渡し、「書き留めないで暗記しろ」と指示します。そして自分は隣の部屋で大谷吉継と千利休を引き摺り下ろす、政争の算段。

三成くんは、信繁を育てて味方に引き入れようと、わざと話を聞かせていますね。

今回の真田丸の利休は、芸術家というだけでなく、堺という交易型都市の代表者である政商。あ、それで桂文枝師匠か!と納得の配役。

●三成が何かを話す声が聞こえた途端、当然のように聞き耳を立てる信繁くんの落ち着きのなさはお約束だなあww

●盗み聞きに忙しく、大して大阪城の地図も覚えられなかった信繁は、馬廻り衆のオフィスに戻ってまたも平野様からゴシップを聞かされます。忙しい。

この構成は、真田のシリアス話の合間に「絶対に笑ってはいけない伊賀越え」が挟まる感じとそっくりだなあww

●そして今度は茶々さんの乳母、大蔵卿局が信繁を呼びにやってきます。思わず平野様に一緒にきてくださいと頼んじゃう信繁くんが「いとをかし」。

信繁と茶々と井戸覗き

●ここで面白い事に、信繁は大蔵卿局に「茶々様はお気に入りの馬廻り衆が死んだと聞かされても、あんまり心を動かされてなかったようですが…」ずばっと切り込みます。芸能レポーターか!

平野様のゴシップ話をシャワーのように聞かされているうちに、信繁もだんだん感化されて来たんですね。視聴者もすっかりゴシップ脳化で、おお、信繁切り込んだー!みたいな。

●大蔵卿局は「そんな風に見えますか。あの方は悲しむのをやめたのです」と信繁に返します。

この一言で、茶々の過去や、精神状態が全部分かっちゃう。2015年大河に一番足りなかったのは、この切れ味でした。

三谷さんが「茶々の過去を知らない視聴者などいない」想定でスパッッッッと書いてるのがすごいよね。

●茶々は、信繁を呼び出して、この前会ったとき素っ気なかったけど、私嫌われちゃったかな? とハーレム系アニメのサブヒロインみたいなアピール。

信繁は茶々に同情しながらも、自分は秀吉公が大事で、茶々とはあんまり親しくしたくないだよね…ってことをやんわりと話します。

でも感情を捨ててしまった茶々は、反応の仕方もおかしいので、話が通じているのかいないのか、わからないんですね。

信繁は保身のために割ときっぱりと「殿下のいないところであなた様とお会いした事は殿下に言わないで欲しい」と頼みます。茶々は「大事ない、誰にも言わない」と寂しそうに微笑みますが、上記の理由で信頼に足る感じが全然しません。

うわ、きっついな、これ。

●茶々の部屋からの帰り道、信繁は中庭の井戸に目を止めて、覗き込みます。将来自分がここに落とされたときのための下見でしょうか…

溺れかけている人々

●ここで井戸を覗く信繁を、虎之介(加藤清正)が見とがめます。

清正はおかしな目つきで「わしのしたことに文句があるのか」と詰め寄り、聞かれてもいないのに「殿下に頼まれたわけじゃない、わしが自分の意志で殿下のためにしたこと」「お前にも同じ事をしてやろうか」と言い出します。

これを聞くだけで、清正がどんだけ罪の意識に苦しんでいるかわかって、ぶわあああっってなる。

そして、初登場時に「親父は偉くなっちゃダメ。俺たちと一緒に野山を駆け巡ってBBQしてないとダメ」と言ってた理由が理解できる。

ぶわあああ;; 清正ああああ;;

●清正は信繁の首を掴み、信繁と取っ組み合いになります。信繁が関節を締めるなどの技で攻めるのに対し、清正はパワー勝負。

なんと恐ろしい事に、腕を締める相手をそのまま持ち上げて担ぎ上げ、井戸に放り込もうとします。うおおおお清正最強ーー!!

●しかし、秀吉の実弟であり、豊臣政権のナンバー2である秀長がそれを止めます。

秀長は穏やかに、しかし冷静に、信繁に自分たちの現状を話します。

「我らは兄上についてここまできた。あっという間だった。だから心がついてきていないのだ。誰もが身の丈から外れた暮らしの中で溺れかけている」

今回、ほんの一言二言で全部説明しちゃうの多いけど、これもすごい切れ味ですよね。「心が着いて来ていない」だけで全部わかる。

そしてもう今から彼の死で豊臣政権が崩壊するのもわかる。

●秀長は「虎はまっすぐな気性で、悪い奴ではない。許してやってくれ」と、身内への甘さを露呈しつつ、許しを請います。

信繁はそれを複雑な表情で受け入れます。

徳川と真田

●その頃、浜松では未来の兄嫁が長刀のお稽古中です。本多忠勝の娘、稲姫です。勇ましく長刀をふるってキリキリする様がとってもかわいい。

忠勝も、武勇に優れる美貌の娘を溺愛しています。お父さんもかわいい。

●家康がそこに現れて、真田討伐の大将を忠勝に任せる旨を話すのですが、稲姫は、真田をこの手で滅ぼしてやります、父上私もお連れください!と、じゃじゃ馬っぷりを発揮。

それを見て思わず苦笑いする殿かわいい。結論:徳川みんなかわいい。

●そして今度は上田。昌幸、信幸、内記、出浦様の4人が集まる、真田家一般経営会議です。

徳川が大軍でせめて来るかもという報がもたらされ、パッパはえらいことになった、こうなったら頼れるのは上杉、上杉の援軍がこないと真田は滅びるなんて言うんですが、上杉はあっさり援軍を断ってきます。

「そんなはずはない、上杉と真田は固い絆で結ばれておる」と慌てるパッパ。

「面白くなってきたのう」と出浦様。

この二人にいちいち「どうするんですか!」「まったく面白くない!」と律儀に突っ込む兄上がものすごくかわいいです。

●碁石を並べ直し、真田の周囲をすべて黒石で囲みながら、パッパはどうしたらいいかのう、と信幸に問います。

信幸はまじめなので「源次郎に取りなしてもらうほかありません」と非常に真面目に考えます。いやほんと信幸の造形が良く出来ててww

●ここは、パッパが新しい時代に着いて行けなくなって、以前のような切れ切れ感がなくなっているかのように描写されていますが、このコントの軽いノリ、奴らは絶対なにか企んでますよね……

●大坂には、徳川家康から真田攻めの許しを請う書状が届きます。

秀吉と三成、秀長は、信繁を呼び出して「この手紙をどう思うか?」と問います。

信繁は必死に「徳川家康を信じてはなりません。徳川家康は慎重な男で、殿下に従う振りをしているだけに決まっています」と、むりくり真田攻めを認めないよう話を持って行こうとします。

三成が、真田の次男坊のいうことだからいいとこ話半分でしょうな、と冷静に分析するのにも噛み付くように反論して、「本心からそう思ってます。殿下に小細工が通用すると思っていませんから!」とまで言うんですが、これがまあ見事な空回りで…

●秀吉(と三成)は、信繁が父親を説得して上洛を促すように持って行きこうと、昌幸を持ち上げたり、プレッシャーをかけたり、信繁をエリート集団に任じて厚遇したりしてるんですけど、信繁には全然そのへんのメッセージが伝わらないんですね。

信繁から「小細工が通用すると思ってません」なんて真剣に言われて、小細工を仕掛けまくりの秀吉さんは思わず鼻で笑ってしまいます。

●一応「安心しろ、お前の言葉を信じて真田攻めを徳川に許可しないから」と帰された信繁。お子様扱いでワロタ。

●しかし、事務所にやってきた片桐且元から、「これから浜松城に使いに出て、徳川と会ってくる。駿河ってどんな気候なの?」なんて聞かれて、その流れで秀吉が実は徳川に真田攻めを許可したことを信繁は知ります。

このままでは真田が滅びてしまう、と焦った信繁の目に飛び込んで来たのは、茶々…

まだ腹芸が出来ない信繁

秀吉の天下統一の行程が見えないために、後手どころか、全然対応できない信繁と、彼が巻き込まれる茶々廻りのゴシップの激流が、大変黒くて面白い回でした。

多分、豊臣に出向いたのが叔父上だったらうまく立ち回ったんだろうな、と思いつつ、見ている間は信繁と一緒になってハラハラドキドキで楽しかった。

ほんと揺さぶりが上手いですよねえ。

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