真田丸 第十六回「表裏」レビュー〈1〉闇の大阪城と、駆け抜ける平野様のゴシップ情報。

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豊臣秀吉の立身出世に巻き込まれ、身の丈以上の生活をいろんな意味で強いられている豊臣家と彼らに使える人々。

彼らが下り坂に向かい始める頃に大坂にやってきた信繁は、その空気に飲まれて、必要以上にあたふたする羽目に陥ります。

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良い知らせ、悪い知らせ

●おそらく前回の終わりからそう遠くないある日、もしかしたら翌日くらいの感じで、信繁は秀吉に呼び出され、上杉景勝と直江兼続が帰国したことを伝えられます。

御屋形様は信繁には書き置き一つ残しませんでした。

「秀吉」上杉景勝が膝を屈する時。
画像転載元:nhk公式サイト ダメな戦国武将の景勝さまが、いかに秀吉にズタズタに蹂躙されたか。 秀吉のサイコパスっぽい言動の恐ろしさと、ピュア勝のダ...

景勝の変化に気がつかなかった信繁は、驚き、大変動揺します。

秀吉は「やっぱあれかなあ、儂が真田への肩入れを禁止したからかなあ」なんてしらっと追撃する。しかも「(景勝は真田攻めを)承知したよ」と不安を煽る。

信繁は、私はどうなるんですか!とすっかり素に戻って慌てます。

秀吉から見れば信繁なんて赤ん坊も同然なんですね。このシーンでは信繁をからかうというか、傍目から見ると虫けらをプチっと圧殺するような感じ。こわい…

●悪いニュースの後は良いニュース、という定番のフリで、今度は良いニュース。

信繁は秀吉の馬廻(SPみたいなもの、親衛隊的な警護役)に加えられることになります。

真田に手紙も送っておいたから安心しろよ、と手際の良い秀吉と三成。

もとより選択の余地なんてなく、信繁は上杉から豊臣へ人質として移籍することになります。

●その夜、信繁はきりちゃんに経緯を話し、「いつまでも石田様のお屋敷でお世話になるのもなんだから真田に帰りなさい」ときりちゃんを帰国させようとします。が、

「えー私、都会があってるし、楽しいし」「源次郎さまと一緒にいたいんです!」と桐ちゃん、愛の咆哮!

しかし、信繁はとっさに「だからこっちはお前は要らないんだって」とデリカシーのない返事をしてしまい、怒ったきりちゃんは信繁の部屋を飛び出します。

やっちゃったな、信繁…

茶々にまつわる不吉な噂

●秀吉の馬廻り衆に加わった信繁は、片桐且元から直接の上司、平野長康に紹介されます。

この平野様が、まあ絵に描いたようなダメ上司。

片桐且元の前では腰の低い振る舞いだったのに、本人が目の前からいなくなったとたん「抜け作」呼ばわり。

傑出したところのない人なんですけど、平野様は、信繁に、茶々のお気に入りであった立花権三が井戸に落ちて死んだことを教えてくれるんですねw

「犯人は虎之介(加藤清正)」「いつかはこうなると思ってた」

しかも「茶々様には近づくな、二の舞になるから」と非常に現実的な忠告をしてくれます。ありがたい。

誰もが自分の本音を隠して駆け引きをする大阪城内で、新参者の信繁にもあっさり裏側を晒す平野様の平常心が素晴らしいです。

こういう下世話だけど、表向きからは決して伝わってこないだろう噂は、平野様みたいな人からしか聞こえてこない貴重情報。

信繁(と視聴者)は、大阪城の影の部分をこの平野様からゴシップという形で聞かされることになるのですが、このゴシップ情報の使い方がすごく面白いですね。

●と視聴者は平野様で息抜きしますが、信繁くんにそんな暇はありません。

さっそく三成に呼ばれて秀吉の共廻りに加わって大阪城内を廻る事に。

秀次との関係

●まずは、千利休が用意したデパートの外商部主催セレブ特別会員向け催事場みたいな部屋でで、小寧さんと茶々へのプレゼント選びに付き合い、

秀吉の甥っ子の秀次がプレゼントを見立て、お買い上げ後はさっそく女性の部屋に同行します。

前回の評定ではしどろもどろだった秀次が、別人のようにスマートに商品の由来や評価を説明するのは、この人の資質を表現して余あるよね。

しかも、どちらにも帯で、年齢と趣味にあわせて異なるものを選ぶという如才なさ。違うものを選ぶと差がついちゃいますからね!

ほんと、この神経が目の前の男にも向けば…

●ところでこのシーン、マイケル・ジャクソンの伝説の如く、全部お買い上げ、じゃない。

私は秀吉がけちくさくてちょっと驚きました。

「殿下のために取り揃えた一級品ばっかり」のうち、天下人が帯たった2本しかお買い上げにならないなんて、利休的には「おやおや」だったはず。

そんで、後のシーンで秀次と小寧に「こんな気の利いたプレゼントをあなたが選べるわけがない、秀次が選んでくれたんでしょう」「叔母上には叶いませんなあ」なんて会話をさせる。

さらに、秀次は「叔母上がほしがっていた舶来ものの鏡もありますよ、今いけばまだ間に合いますよ」なんてこともさらっと言う。

秀吉は目の色を変えて、秀次を「なに言ってるんだお前は、わしが選んだんだ」と脅すんですが、悲しいことに秀次は、叔父叔母を信頼していてものすごく無防備です。彼は、近しい親戚の憎悪に気がつく事が出来ません。

秀吉ってこういう風に、身近な人からチクチク傷つけられておかしくなっていったのかしら…

●で、なんのために秀吉が小寧にプレゼントを用意したかというと、九州征伐のためでした。

自ら出陣はしないけど、西国の大名に攻めさせる。小寧には九州の名だたる大名から送られてくる人質の世話を頼みたいと。

わしの正室がおもてなしすることが大事、九州征伐は小寧にかかっとるんじゃ、とまで頼まれて、不安ながらも引き受ける小寧さんに超萌え。

●そしてここできりちゃんが昨夜の喧嘩のあと、小寧さんに頼んで侍女にしてもらっていたことが判明しますww

しかもきりちゃんを見た秀吉が鼻の下を伸ばしたりして、ものすごく波乱の予感ww

茶々、平野様、三成…カオス…

●秀吉は、九州の大名の人質の世話を小寧が承諾すると、すぐに席を立って茶々の元へ向かいます。

ここで小寧さんがちょっと寂しそうな顔をするんですが、これは源氏物語みたいですごく良かったです。演出が細やか。

小寧さん、態度には出さずにほんわかしているけれど、本当は不安だし、いろんなストレスを抱えているんですよね。

●今度は茶々の部屋でのシーンですが、ここでは小寧の部屋とはまた別の緊張感がMAXです。

茶々は新しい帯に大喜びして、もらった帯をわざわざ端に控える信繁に見せる。

信繁は秀吉の目を気にして素っ気なく振る舞う。

茶々は信繁の素っ気なさのせいでますます絡んでくる。上目遣いに見上げたりして、一生懸命信繁の気を引こうとします。

茶々が何かする度に「秀吉の機嫌を損ねたら死」とアラートが鳴り、ものっすごく緊張感が高まるんですけど、その中で秀吉だけが鼻の下をのばしてニコニコしているのが、ものすごく恐ろしいです。

●茶々は権三はなんで死んでしまったの?と無邪気に秀吉に尋ねますが、秀吉は「死んでしまったらしいのう、なんでかのう」と躱します。

茶々がそれを「がっかりだわ」とあっさり受け入れるのが後々のシーンの伏線になってます。

●ぐったり疲れる信繁に、平野様が「実は権三は三人目」と、そっと吹き込むの、最高でした。

●そこに三成が信繁を呼びに来る。そして平野様を「賤ヶ岳7本槍の7本目の、名前の出てこない奴」と評するww

登場人物達の個性が爆発しすぎww

●三成は信繁が真田に送ろうとした手紙を返すと「親に何でもかんでも書いて送るな」と咎めます。

三成は「真田が攻められたら殿下が止めてくださる。これからは大名が勝手に領土侵攻できない世の中になる。戦で物事の決着を付ける時代は終わった」と惣無事令の説明をしますが、簡潔すぎて信繁には理解が及ばないのでした。

というところで〈2〉に続きます。

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