真田丸 第十五回「秀吉」レビュー〈1〉昌幸の信幸への思い。魅力的な大谷刑部。さくさくと時が進み、未来が怖い…

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14回のオープンな終わり方から、そのままつながる15回冒頭。

信繁の前に突然現れた、派手な着物のおじさんの正体は……!? まあ言われなくても、誰が見ても、秀吉なんですけどね。

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エスケープ

●というわけで、秀吉は有無を言わせない勢いで信繁を巻き込み、上杉景勝との面会をすっぽかして大阪城外の遊郭に遊びに行ってしまいます。

手引きをしたのが福島正則なんですが、正則役の深水元基さんがどえりゃーかっこよさ。

いかにも、親戚に一人はいそうなお兄ちゃんという感じですけど、若いイケメンということで、やけに眩しいです。

真田昌幸も草刈さんの外人顔が、飄々とした謀将という設定に不思議とマッチしていますけど、深水さんからもその気配を感じます。

ただ、前回登場の加藤清正と同じヤンキーの気配はいかんともしがたい。

●信繁はおのぼりさんとして、遊郭の豪華な部屋、料理、酒、名妓・吉野大夫の舞いを楽しみます。

秀吉はと言えば、成り上がりの成功したおじさん社長そのもので、お約束通りお店のナンバー1太夫を口説きにかかり、つれなく振られて却って喜んでます。

この時の秀吉は明るくて屈託のない、調子のいいおじさんでしかない。

●でも、秀吉は唐突に、信繁に愚痴っぽく、お前の父親にはほとほと手を焼いておるぞなんて、威しとも愚痴ともとれないことを言うんですね。

さらに徳川を独力で退けた真田の名は知れ渡っておる、と賞讃します。

まあつまり、早く上洛して自分に従うようお前からも言えってことで、落としたり上げたりも含めて、全然ただのおじさんじゃなかった。

●突然政治の話を持ち出されて、信繁が返事を濁しているうちに、敏腕マネージャー石田三成再登場。

この人は秀吉にしてやられてもしてやられても愛想を尽かさない希有な人で、決して礼を失わず、しかし毅然とした態度で城に戻るよう促します。

秀吉は「違うんだよ、こいつ(信繁)が大坂見物したいなんて言うから連れて来てやったんだよ」と昌幸も苦笑いするような、てきとーな言い訳を並べますが、信繁はそれに応じて「殿下のおかげで素晴らしい大坂見物ができました。ありがとうございます」と秀吉をフォロー(慣れてる…)。

三成は信繁の対応に「おや、こいつバカじゃないな」という顔をしながら、とりあえず秀吉を引き取って大阪城に戻ります。

昌幸、またわからなくなる

●真田の郷には、幾度も秀吉から上洛の催促が届いています。

しかし、パッパはまだ迷っていまして「豊臣は本物か? 織田の轍を踏みたくないんだけど」と、様子見して上洛を先延ばししています。

本能寺の変で状況が一変し、大変な苦労をしたのはわかる。

それに今は上野・信濃にそれなりの領地を構えるようになり、慎重にもなってもいる。

後ろ盾の上杉は徳川、北条に比べて余裕がない(ということにドラマではなっている)。

昌幸は信幸に「豊臣は今がてっぺんではないのか? これからは落ちる一方なのではないか?」と問いかけます。

●ここは視聴者が踊らされるシーン。

歴史を知っている私たちは、昌幸の問いかけがある意味で正解であることも、また豊臣政権が結構長い時間をかけて落ちて行くことも知っているので、複雑な気持ちになる。

また豊臣から徳川への覇権のゆっくりした移行が、真田家の家族の別れにつながって行く事も知っているから、遣り切れなくなる。

●ドラマの中では信幸は昌幸の問いに満足に答え得ず、昌幸は「源次郎の報告待ち」とします。

信幸は父親の態度に疎外感を感じてがっくりしてしまいます。

●信幸は意気消沈しながら自室に戻るんですけど、道すがらっていうか廊下すがら、

作兵衛に「ふざけてわしの乳を吸わせてみたら、こいつちゅーちゅー吸うんですよ!」と子供がえりして舞い上がった報告をされ、

出浦+佐助コンビには忍術の修行と称して庭を火の海にされ、

急に上田城内のカオスに遭遇しますww

いつもならテンポよく安定した突っ込み芸を披露するところ、「あんまり吸わせない方がいいと思うぞ…」「励めよ…」と普通、かつ律儀に対応している兄上…最高でした。

てゆか、兄上以外も最高でした。

出浦様が佐助に教えていた火遁術の、手持ちの苦無の摩擦熱ですぐに着火できる仕組み、すごくいい。現代のアウトドアシーン、災害現場でも役に立ちそう。

あと、えらくセクシーでしたです。真田丸に室町末期の爛熟した伝奇小説的な影を与えつつ、男の色気を担当する出浦様は最高ですね。

乱世の後

●一方昌幸は、奥さんに膝枕で耳掃除してもらってます。

●パッパはマンマに以前約束した「お前に城を建ててやる」という約束を果たせないかもしれないことを気にして軽くそれを詫び、マンマはそれに「あなたの言葉を信用していたら命がいくつあっても足りません」と笑って返します。

命がいくつあっても、のところは本当の事だけにひどいww

でも、謀将真田昌幸とその妻が、面白くて仲が良くて、お互いにお互いを尊重している、気持ちの良い夫婦に描かれることで、見ている方はずいぶん救われますよね。

いや救われないんだった。これすら伏線なんだった。

●薫マンマは、先日の膝違い事件で知った長男の気持ちを昌幸に伝えて、それとなく信幸のフォローを促します。

マンマの目から見ても、パッパは自分に似ている源次郎びいき。

昌幸役の草刈正雄さんですら、スタパで、「息子は両方とも同じくらい可愛いんだけど、昌幸は自分に似ている源次郎の方をついつい触っちゃうんだよね」とフォローしていたくらいだから、昌幸は長男と次男の扱いに差があるんですねえ…

私の目から見ると、パッパは長男は長男でかわいがり、非常に大事にしている。

次男はかわいがってはいるけど、使える手駒として危ないことも結構やらせているので、一概に次男びいきとは言えない

…んだけど、平等に接しているかといえばそうではない。

というか、兄弟間の関係が不平等なのが日本の伝統的な社会制度なので、昌幸を責めるのはちょっと可哀想ですね。

●この「父親と長男次男問題」が出てくると、私はいつも、昌幸と父・幸隆さん、長篠の合戦で亡くなった長兄次兄さんが気になってくるんですよ!

ちょうどここはぽっかり真空地帯、風林火山と真田丸の間なんですよねー。

昌幸と信尹という三男四男間の関係も、この辺で多分きっといろいろあったに違いない。

スピンオフ! L(・∀・ L)  (」・∀・)」スピンオフ!

●しかしパッパは「源三郎が真田の役に立つのはもう少し先じゃ。乱世が終わって国を立て直す時、あやつのくそまじめさが役に立つ」と意外にも高い評価を長男に与えます。

薫は「そんな世が早くくると言いですねえ」なんて憧れを滲ませながら、本気にしないで聞着流すのに、パッパは複雑な表情を浮かべます。

昌幸は、まもなく来るだろう乱世の終焉をちょっと残念に思っている。残念に思うからこそ敏感に乱世が終わることを確信しているのですね。

●乱世の後の国の立て直しを託される信幸は、その期待通りに荒れた庭を直していました。おこうさんと一緒に。

でも来週は正室が登場する。

視聴者安心の予定調和になんかぜったい進ませないマンの存在が辛い。でもそれがいい。

大谷刑部

●信繁は上杉主従に会い、自分を秀吉に正式に紹介してくれるよう頼みます。

信繁と秀吉はもうすでに会ってはいるんですけど、正式に秀吉に紹介してもらってオフィシャルな話をしないと身動きがとれないので、信繁も結構必死になっています。

景勝はそれに「まかせとけ!」と安請け合い。兼続と信繁は思わず目を合わせて苦笑してしまいます。

●大坂見物を楽しんだきりちゃんは、信繁に出したお茶菓子を自分がもぐもぐ食べながら、「都会はいいですね!ちょっと私に何を見たか聞いてみてくださいよー」といつもの調子で信繁をイライラさせます。

信繁は危機感を持って、国元の父親に手紙を書いていたのにww

きりちゃんのうざかわは慣れてしまうと本当にかわいいし、おもしろいです。

●そこに石田三成がやってきて、信繁に紹介したい人もいるし、良かったら一緒に飲みましょうとお声がけしてくれます。

三成の変化に戸惑いつつ、信繁は誘いを受けて酒席に参加します。

そこで紹介されたのが、未来の岳父(奥さんのお父さん)、大谷刑部少輔吉継(片岡愛之助さん)でした。

この愛之助さん…じゃなくて大谷刑部が、容姿にも才にもすぐれ、人情も解し、性格も穏やか、おごる事なく己の分も弁え、声も良いという完璧超人で、信繁は、というか視聴者はあっという間に大谷刑部に魅了されてしまいます。

でもこの大谷刑部が後々…と思うと、辛すぎてなんかもう倒れそう。

というわけで、倒れつつ〈2〉へ続く。

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