「秀吉」上杉景勝が膝を屈する時。

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画像転載元:nhk公式サイト

ダメな戦国武将の景勝さまが、いかに秀吉にズタズタに蹂躙されたか。

秀吉のサイコパスっぽい言動の恐ろしさと、ピュア勝のダメっぷりとを、両面から描いた真田丸15回です。

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外交戦争、という意識の欠如

14回に続き、15回の景勝さまもダメな戦国武将でした。

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景勝さまは秀吉からの呼び出しを、嫌なこと、情けないこと、己の無力を痛感させられることととらえて、ひたすら受け身で耐え、やり過ごすことを考えます。

しかし、秀吉は違います。

1回目はすっぽかす。

2回目はすっぽかした上、源次郎を連れて遊里へ出かける。

3回目でようやく景勝に会い、超上から目線で「会いたかったぞ、景勝」と呼び捨てにした上で、真田への肩入れを禁止して裏切らせ、服従の報酬として新たな官位を推薦と、パーフェクト計算ずくです。

3回目は明らかに、2回も約束をすっぽかされても、文句の一つも言えない景勝の反応を見た上での上から対応ですよね。

このあたり、私は、育ちの良い景勝は不機嫌ながらも大人しく過ごしていたんだろうなと伺えて微笑ましかったんですが、あいにく秀吉はそんなタマじゃなかった。

ちょろい二代目だわ、と思ったに相違なく、越後のボン、景勝は秀吉に完全にマウントを許すことになります。

ひたすら受け身の景勝公

多分、これが昌幸だったら、自分を売りつけるにしろ、下手に出て保護を願うにしろ、もっと積極的に交渉したのじゃないかな、と第四回で信長に会いにワクワク出かけて行く昌幸を思い出します。

そんくらいやってもいいし、やるべきだよ!

しかし、景勝さまは不機嫌そうに黙っているだけで、大人しくお行儀も良く、扱いやすいと残念対応。

器用な人じゃないんですね。

秀吉は利休に茶を振る舞わせ、景勝が自分に従うかどうか見極めさせます。

しかもトドメとばかりに、景勝より先に信繁に会って親しく連れ出していたこと、それを信繁が景勝に気を遣って隠していたことをシレッとばらします。

これは単に自分に従うかどうかを見ているんじゃなくて、というより、逆ギレして手を噛む事はないかを確認させている感じ…??

嘘を指摘して精神的ショックを与えて様子を見る、という手は、諏訪での昌幸圧迫面接時に信尹・家康も使ってましたが、しかし、秀吉のこれは「戦国武将の駆け引き」なんて言えるようなもんじゃない。

スケールが小さい分、冷酷に人の心の底を覗き込み、値踏みしてる感があって、すごく怖い。

このときの景勝公の胸中に渦巻いていた思いは、複雑なものがあったと思いますが、最後に景勝公は秀吉の前に膝を折り、差し出されたお茶を飲みます。

ひたすら受け身で、嫌な時間が過ぎ去るのを待っていただけの景勝が、最後には自分から感情を捨て、越後の安堵という政治的成果を取ったのです。

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これまでの生涯で最も苦い茶

膝を突き合わせるようなきゅうきゅうの茶室で、淡い陰影の中で、エンケン景勝が追いつめられて墜ちる。

前回14回で、信尹叔父上が牢の中からやつれた顔で家康の提案を入れる、という似たようなシーンがありましたけれど、あの悪魔との取引のようなシーンとはまた違う官能みたいなものがあって、いやまったくごちそうさまでございました。

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真田丸は、人の心が動く瞬間をこれでもか!と描写するのがすごくいいです。

↑↑↑これについてはまた別途書きたいです。

茶室を出され、庭の東屋でぐったりする景勝公を、ついつい肉食獣の目で見てしまいましたが、ここでまた苦いことに、景勝は、何も気がつかない信繁を切り捨てなければなりません。

(信繁が、天下一の茶人利休のお茶のこと、目の前の秀吉を観察する事に精一杯で、景勝の変化にまで気が回らないのは若さとしか言い様がない)

ここは室賀さまが昌幸の家臣となるのを拒んで死んで行くのと対応していて、景勝さまは秀吉に、「わしの家臣になれ。それしかお主の生き残る道はない」と言われて、(室賀さまと違って)屈しました。

しかし、死んだふりで秀吉をやり過ごし、五大老に名を連ね、関ヶ原で西軍側についたのにも関わらず、生き残っていく。

15回で描写されたのは景勝の人生の底割れ。そして彼はここから這い上がって行く訳です。

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