花燃ゆ 第18回「龍馬!登場」感想

humi_catch○吉田松陰が斬首されて100日、萩に松蔭の遺髪を収めた墓碑が立ちました。ドラマ第2部の始まりです。

○叔父の玉木文之進はがっくり…。下ろした松下村塾の看板を前に「もう仕舞いじゃ」と死んだ魚の目でつぶやきます。
そこに居合わせた文「いえ、これからです。塾は小田村の兄上が引き継いでくださいます」って、塾の話じゃないんじゃないと思うよ…。
この子は塾と松蔭の話になると、とたんに話が通じない子になるんだよな。

○松下村塾を伊之助が引き継いでくれることに期待する文ちゃんですが、藩の重臣・周布さまは伊之助に越氏塾への転勤を命じます。
理由:「今、松下村塾を再興させるわけにはいかん」。
でも松下村塾は藩校に格上げされたわけじゃないですよね?? そしたら伊之助の副業みたいな、というか、趣味みたいなものだし別にいいんじゃない?? って思っちゃうんですけど。
松蔭死後も若い藩士がこぞって村塾への入塾を希望して、周囲が不安に思っているとか、藩内でいろいろ不満が高まっている中、血気盛んな若いもんが集まる場所を藩が監視できないのが怖い、とか、そういう描写はまったくなかったですし。

○というところで気がついたんですが、このモブ描写の不足は、「平清盛」の時に感じたものと同じものですね…「平清盛」と言えば拡張高き平家物語の世界を小学生男子の世界観で表現したあかん作。
そう思ったとたん、「花燃ゆ」がいかに「少年ジャンプ」フォーマットに則った作品であるか、見えてきたから不思議です。
主人公を持ち上げるために全力を尽くし、言いたい事は友情・努力・勝利
辻褄があわない、細やかな感情の交流みたいなものはまったくなく、ただひたすらプロットに忠実に進むストーリー。
その少年漫画の脚本を今までトレンディドラマを書いてきた女性脚本家が書いていて、誰にも思い入れできないタイプの女性主人公像で、イケメンをならべて家族愛と学園ドラマをテーマにやってるから、こんな誰得な不思議なドラマが出来上がっているわけだ(愕然)

○江戸では桜田門外の変が2分で終了。
やや季節外れの雪を眺め、ひな飾りを国元の姫君に見せたいなんて奥方と夫婦の会話をした後、江戸城に出仕した直弼。まもなく奥方の耳に一発の銃声とどよめくよな歓声が……っていうオイコラ演出(激怒)。
高橋英樹さんまで出しといて、桜田門外の変をこれで終わらすなんていい度胸です。くそう、それなりに期待してたのに。
こんなもんでお茶を濁されるなら、ここで井伊直弼が満身創痍になりながらも刺客をバッタバッタと切り倒すくらいの演出の方が全然良かった。飛べ!思いきれ!

○と、見ている方がもやもやしているうちに、井伊直弼暗殺の一報は長州の杉家にももたらされます。梅太郎は、寅次郎たちがこの件に関わっていたとまでは言えないが、こういうことを考えていたんだ、という現実を突きつけられて愕然としますが、百合之介と滝は「井伊様のご家族はどんなお気持ちじゃろうか」と、自分たちの息子を処刑した男の非業の死に同情します。
梅太郎の嫁かめは、井伊様のご家族のことを心配するなんて、お義父上もお義母上もお優しい、本当はどんなお気持ちだろうか、と義理の両親の心中を思いやります。この両親、特に母親の滝さんは、いつも明るくて能天気な母親っていう妖怪なんで、血の通った人間じゃないから気にしちゃいけませんよ、かめさん…。

○小田村家は転勤です。越氏塾のある三田尻で一家揃って落ち着いて暮らせると、妻の寿は喜びますが、引っ越しの手伝いにきた文ちゃんは伊之助が松下村塾を引き継いでくれないことにがっかりです。

○がっかり続きの中、岩山獄から入江九一・野村靖が釈放されたのは文ちゃんにとって久々の良いニュースでした。
ささやかな酒宴に塾生が集まり、みんなで和やかに松蔭の思い出話を語り合います。要潤さんの総髪が似合ってない、とおそらく日本中が突っ込んだはず。

○夜、文ちゃんは伊之助が塾を引き継いでくれなかったことで、松下村塾はどうなってしまうんだろうか…と不安をこぼしますが、テロリズムに傾倒しつつある夫の久坂玄瑞は何もいいません。文ちゃんが思う村塾と、塾生たちにとっての村塾は全然違うものなんですが、文ちゃんには全然それが見えてないんですね。さてようやく政治パートです。

○長州藩では長井雅楽が「積極的に通商航海して国力を増強して諸外国と対抗する」という「航海遠略策」をリリース。現状を都合良く解釈した策はみんなの心を掴み、長井雅楽はセンターに躍り出ます。
このスマッシュヒットに対して、「(草莽の攘夷という)熱はどうなされますか!」と伊之助が大反対。
ここでもモブがちっとも描かれていないという弊害が炸裂して、草莽の人たちがなんの熱に浮かされてるのかわからない=伊之助のいっていることがわからない、になっちゃってたのが痛々しかった。それと「熱」っていう言い方がきもい。
松下村塾に集った10数人くらいの攘夷運動が草莽の熱というのは無理があるんじゃないでしょうか。
他藩の様子や市井の人たちまで出す予算がないなら、池田秀一さんにやさしく解説させてもいいんですよ?

○で、藩議の後、藩の重臣たちはお茶屋で大人の交流会に流れるんですけど、そこに久坂玄瑞が乱入して、長井雅楽に「航海遠略策」を取り下げろと要求します。
偉い人たちは揃ってびっくり。さらに久坂を呼んだのが伊之助と知ってさらにびっくり。
長州きっての秀才のはずの久坂玄瑞は、まともな会話ができないどころか、激高して長井雅楽を糾弾する始末。
多分伊之助的には、攘夷の志を語るのに味方がほしかったんだと思いますが、久坂玄瑞が残念すぎでした。
当然のことながら、アホの久坂は伊之助に「お前の志はなんじゃ!」ときっちり締められますが、逆にこれによって久坂が覚醒「おれはこの国を変える!」(爆。
嫌な予感しかしません。

○久坂玄瑞は、入江兄弟が獄中で本の書写をして家計を支えたことにヒントを得て、塾生たちに松蔭の本を書写させ、資金集めを始めます。
単純に塾生たちが塾に戻ってきたと喜んだ文ちゃんは、塾生たちが集まったのはテロ資金作りのためと知って仰天し、いざという時にこれで江戸や京都に行き、死んだ場合は墓を建てたりするんじゃ、と目をキラキラさせて語る久坂にぶち切れます。

○塾生が京都にいくとか、死ぬとか、文ちゃんとしては想定外なわけです。このとき明らかになった彼女のライフプランは松蔭の思い出を胸に明るく楽しい学び舎を再開し、やがて子供も生んで母親になって…と、なんていうか、ええ〜〜っっと驚くべきものでした。いやなんとなくわかってたけど。
ほぼ塾の経営者と言ってもいいほどに塾に関わってきた文ちゃんが、松蔭と塾生たちの本質に気がつかなかったはずはないと思うのですが、見たくないから見なかったどころか、こんなアホなことまで考えていたとは。
わたし「花燃ゆ」って、兄の死後、塾生たちのケツをおったたいて励ましたり、飯をくわせたり、残された家族の面倒をみたりした長州の知られざる女傑の創作話としてドラマ化するんだろうと思ってたんですが、まったく違いましたね。ははは。

○そんな折り、坂本龍馬に化けた伊原剛志さんが、武市半平太の手紙を届けに杉家にやってきます。
ブログのどこかで褒めたこのドラマの「配役力」を一発でマイナス評価にする配役です。あんなこと書いちゃって、まじで後悔
伊原さんに責任はまったくないけど、この配役はないんじゃ…と思いましたが、後々、ヒガシのこごちゃんと絡むのか、と思うと、きれい系と野獣系でまあいいかもしれません。

○松蔭先生にお会いして、話がしたかった、松蔭先生はどういう方だった? と文ちゃんに問いかける龍馬に、文ちゃんはここぞとばかりに文ちゃん節で自分の思いをを語ります。
これ何度目だろう、この文ちゃんの妄念には感動のかけらも出てこないけど、まだやるんだな…

○龍馬はそんな文ちゃんに「松陰先生は自由になったと思えんじゃろうか」。そう、自由になったんですよ、文ちゃんからな!

○久坂玄瑞は松蔭の遺志を継ぎ、新たな日本を作る覚悟を文ちゃんに告げます。おれにはお前しかいないから、いつか評価してくれと、ちょっと媚びちゃったりしてね。何の面下げて言ってんだか…と視聴者が冷めたところでいつもの感動音楽がながれる花燃ゆなのでした。この音楽の強引さも最近辛いわ。

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吉田松陰亡き後

いやー…うん、覚悟していたよりもひどくて、なんて言ったらいいか、わかりません。
残念ながら第2部の初回は、今後に期待を持たせるようなものでは一切ありませんでした。
ほんとこれ、どうするつもりなんだろう…

とりあえずこのドラマが「平清盛」と同じ、少年漫画フォーマットによる作品と理解できたのは良かったと思います。
これまでこのドラマに光を与えていた伊勢谷さんの松蔭がいなくなったあとのこの緊張感と締まりのなさときたら、玉木宏の義朝が死んだ後の清盛のようだ!
松蔭亡き後の主役は久坂玄瑞ですが、今のところ、東出くんがかわいそうな感じしかしません。

まあいい、期待しない。ではまた来週。アデュー!

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