真田丸 第十二回「人質」レビュー〈2〉上杉家中の内部事情。でもうちの御館様は日本一だから!っていう愛の人の心の声。

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後半です。真田丸では上杉家中の混乱について、これまではっきりと描いていませんでした。

昌幸に何度か「上杉は余裕がない」と言わせてはいたんですが、北条・徳川にそれなりに対抗できる勢力として扱われて来た。

が、今回、信繁の目を通して容赦なく描写されたのは、上杉家中の凋落ぶりでした。しかも当主の景勝さまがダメすぎて、北条、徳川のお狸さんたちとタメはれる気がしないっていう。

表向きはダメ男の景勝とそれをフォローする愛の兜っていうコントなんですけど、いやほんと景勝はよく江戸時代まで生き残ったもんですよって思いましたわたくし。

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沼田を巡って

●お気に入りの信繁を話し相手に出来て、景勝公はルンルン。剣の稽古につき合わせたりして楽しそうです。

若い部下が素直でかわいいタイプだったおじさんの行動そのもので大変微笑ましいです。

●しかし直江兼続の方はおもしろくありません。

散々上杉をコケにして裏切ってきた真田が! その小せがれに御館様が入れあげてる !! あ、後半は私の腐った眼に映った妄想ですけど。

そんなこんながあったりなかったりした結果、直江は信繁を呼び出して、沼田を上杉に返すよういけずすr…じゃなくて申し付けます。

沼田領は真田が攻略する前は上杉が領有してたってのがその言い分ですが、真田としては、沼田を北条と徳川に奪われそうになったから上杉に着いたのに、今度は上杉が沼田を寄越せと言い出すんだからたまったものではありません。

まったく沼田さんのもてっぷりときたら。

●上杉の要求を聞いたパッパ昌幸は、信繁に解決を丸投げしします。

●で、信繁がどうしたかというと、なんと上杉景勝に相談しますwww 吹いたww

理想家という無能

●景勝公は「兼続に掛け合ってやっても良いぞ」「まかせとけ」と信繁の依頼を引き受けます。真田丸において、「まかせとけ」はだいたい失敗フラグですけどね。

●そんなある日、信繁は初めて春日山城にやってきた日に、景勝に諍いの評定を依頼していた漁民たちが再び城を訪れているのを目にします。

あれから三ヶ月も立つのになんの音沙汰もないのはどういうことでしょうか、御館様はなんとかしてくれるとお約束してくれたのに、という漁師代表を、上杉家の家臣はすげなく追い返す。

「どういうことでしょうか」と問う信繁に、上杉家の家臣は「殿は格好つけ。格好だけはいいけど、解決なんてできないんだからこうするしかない」とばっさり。そこに殿ご本人+兼続が現れて…

●よりにもよって殿の悪口を言った家臣を、兼続は「切り捨てましょうか」と脅し付けますが、景勝のええかっこしいについてはまったく否定しません。

それどころか自分も「殿はそういう御方。できるものならかなえて差し上げたいが、今の上杉にそんな力はない」なんて言っちゃうんですよ、御館様はそこにいるのに。

要するに景勝が、底抜けに人が良く、身分に関わらず相手の気持ちを組んで話を聞くけれど、解決する才量がないので話を聞いて相手に期待させるだけ、という困ったお殿様というのは、上杉家中の常識だったっていう。

あれ、なぜ私は昨年の大河ドラマを思い出しているんだろうか。

●まあ殿だけが無能ってわけじゃなく、こんな問題すら処理できない上杉家中全体の無能というか凋落なんですけれども。

●景勝は、きまり悪そうに「これが本当の儂じゃ」とがっくり肩を落とします。

エンケンさんの肩が薄い。

もちろん、信繁に「まかせとけ」と言った、沼田の件も兼続に話していませんでした。

●ところが、信繁は景勝に「昨日まで私は御館様を尊敬してまいりましたが、今は慕わしく存じます」と言いだすんですよ!こ、の、人たらし〜!!

●このシーンにはいろんな意味があったと思います。

一周廻って適当親父の発想の豊かさに魅了された信幸と、無能な理想家の人間性の小ささに愛おしさを感じてしまう信繁という対照的なところとか。

理に勝ちすぎると批判されてきた信繁が自分の気持ちをすっと口に出すのは、人間的な成長でもありますよね。

乗るか反るか、鉄火起請

●ある日、連れ立って上杉が管理する港を見に行った我らが御館様と信繁は、例の漁民たちが「鉄火起請」で白黒つけようとしている場に鉢合わせてしまいます。

「鉄火起請」とは、焼いた鉄と熊野牛王宝印を素手に乗せて少し離れた場所まで運び、成功した方の言い分を認めるという、大変過酷な神明裁判です。

ちなみに熊野牛王宝印はコレ↓ 神秘的ですねえ。

成功した方を神様が支持したと見なすわけですね。

代表者たちは焼けた鉄の前で震えあがってまして、見かねた信繁がその場に割って入ります。

●信繁は、その場を仕切る上杉家の奉行に「私はこんなことで問題は解決しないと考える。御奉行はそんなことはないとおっしゃる。では我々も鉄火起請で白黒つけましょう」さらっと喧嘩を売ります。

三十郎も心得たもので、信繁の身支度をさっと手伝い、御奉行に考える暇を与えずに鉄を手に乗せる寸前まで持って行く。

信繁がこれを実行してしまったら、御奉行が鉄火起請に応じないことは大変な恥、その前に奉行は勝負を降りるだろう…ということを見込んでの賭け、さすが真田の次男坊。

…という、わかりやすい主人公上げシーンでしたが、ここがそんなにいやらしくないのは、非常にスピーディに軽く進むからで、従来大河のテンプレどおりじっくりネチネチした描写でみせられたらちょっと嫌だったかもしれません。

●お奉行が勝負を投げたところで、景勝公もうまく割って入ります。そして漁民の話を聞き、潮の変わり目ごとに交代で漁を行えばいいと指導。漁民たちは喜んでその案を持ち帰り、これにて一件落着〜。

●景勝は「お主のような息子がほしかった。真田安房守は果報者よ」と信繁に言います。

ここで信繁はなんとも言えない顔をするんですよ。その表情は、兼続たちが御館様を懸命に盛り立てる意味を悟ったようでもあり、景勝の危うさを心配しているようでもあり…

梅ちゃん 出産

●真田の郷では梅ちゃんが長女を出産しました。パッパ、ばば様、信幸、おこうさん、みんな大喜びで、赤ちゃんを抱いたりあやしたりします。

おこうさんと信幸も、赤ちゃんかわいいね!と微笑みあいます。

なんだかやけに最近この夫婦に癒やされてしまう。

小松姫が嫁いで来ておこうさんがドSとして覚醒するんだろうかと想像してたんですけど、なんか普通に出番が増えて来たら和まされてました。

病人ギャグがそんなにおもしろいか?と思っていた時期が私にもありました。ハイ。

●マンマの薫だけ引っ込みがつかなくて、表面的には出産もスルー。でもこっそり赤ちゃんを見に来てニコニコしたりして。

●梅ちゃんは乳母もつけず、普通に赤ちゃんを育てているようです。真田家の人がそれを咎める様子はありません。

国人領主ですと、器量の良い村娘に手を付けてそのまま側室に、なんてことは普通によくあることだったんでしょうね。

ややこが無事に生まれたと知って、信繁と三十郎も喜びます。

●そんな中、直江兼続が信繁を呼び出します。

曰く、鉄火起請事件以来、御館様が民の訴えをさばくことにはまってしまい「儂の仕事が増えたわ」。ちょww 景勝さまwww

●あ、兼続は愚痴るために信繁を呼びだしたんじゃなかったですね。

兼続は、景勝から命じられて、真田を同盟者として認める起請文を発行してくれます。沼田城を寄越せとまで言っていた兼続ですが、絶対に沼田は渡さないマンの真田のツボを心得てくれたようです。

●この起請文入手をもって、昌幸は徳川と手を切ることにします。

上田攻め

●というわけで、さっそく徳川に手切れ文を送る昌幸。ですが、

はっきり手を切りすぎいい!

●家康はギリギリと唇を噛みます。城まで作ってやったのに、まんまと騙されたワ… 代替地を用意しないで何をいってるんd

●ここで「わが殿は敵に城を造ってやったというわけですか。お人がよろしいこと」と、突然阿茶局が切れます。

男の家臣がはっきり言えないことを、側室の阿茶が冷ややかに代弁。正信がアワアワします。が、これもチームプレー。

「お潰しになったらいかがです?」

と更に焚き付けられて、家康は上田に7000の兵を差し向けます。

●信繁は上杉に援軍を願い出ますが、兼続は上杉にも余裕がないと断ります。いやでも起請文には同盟国であるからには真田は上杉が守るって書いてたよね…??

景勝「なんとかならないのか」 兼続「なりません」 景勝「そこをなんとか」 兼続「そうおっしゃるだろうと思って海津城に100名ほどかき集めて送っておきましたぁ!(自棄)」

なんとか御館様の希望を叶えてあげたい兼続がかわいすぎて。

虚空蔵山城での「猿芝居」の時の、睥睨するかのような愛宕権現兜はなんだったのか。

●さらに信繁は、兼続が用意した援軍100名の中に、自分と三十郎も加えてくださいと率直に頼みます。「真田の命運がかかったこの戦に、どうしても駆けつけたいのです」。

兼続「戦のために人質を返すなど、聞いた事もないわ」 景勝「許そう」 兼続「御館様!?」

腹がwwwww 痛いwww

●というわけで次回は第一次上田合戦です。

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