真田丸 第十二回「人質」レビュー〈1〉狸から離れて越後へ。景勝さまの清らかさに荒んだ心が癒やされる。しかし、これもまた滅びの道。

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これまで癒やし枠だった徳川が、真っ黒い本性を見せ始め、狸と狸の化かし合いが極まった感のある「真田丸」。

今回は、信濃から越後へと舞台が移動することで、主人公と狸たちとの間に距離が出来ます。そして緊張感みなぎる狸合戦…じゃなくて情報戦と謀略の描写から、越後の国主・上杉景勝の人物像にフューチャー。

箸休めみたいな回だったんですけども、大変良い箸休めでした。

というわけで、久しぶりにほっこり気分で書いてみましょう…いやー、ほんと久しぶりだな…

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室賀殿返り討ちその後

●室賀正武の殺害をもって、真田は小県を平定します(有働ナレ)。

●上田城の櫓から、小県の景色を眺めるきりちゃんのところへ、信繁が室賀殺害騒動の時の礼を言いにやってきます。

「私の気持ちをお前が口にしてくれた」

信繁はさらに、「私はどこへ向かうのでしょうか」と兄上に愚痴ったこと,兄上からは「それでも前に進むしかない」と言われたことなどを話します。

初めて信繁はきりちゃんと真摯に向き合います。

きりちゃんも信繁の成長に応えて、

「私にはわかっています。自分が行くところ。源次郎様のいくところ」

素直に且つ穏やかに自分の気持ちを告白。

「おっかない女だと思った? 安心して、 分はわきまえてるから」

ヒロイン力があがってる。勝頼さま、景勝さまには及ばないけど、あがってきてるよ…!

●ここで、ナレ小牧長久手。そして秀吉を打ち破った徳川勢にカメラが写ります。

秀吉に勝った今こそ、北条との関係を安定させたいと望む家康は、沼田を手放さない真田にイライラ。

家康公はお太りになられて、鎧が肩に食い込んだかなんかで、お怪我の手当をうけてました。ははは…前回の真っ黒い狸っぷりを見た後なので、以前のような暖かい目では見られませんね…

また本多正信が「室賀なんとかは真田安房守に返り討ちにされて暗殺は失敗しました。全く頼りにならない使えない男でした」とまるで室賀さまだけが悪いかのように報告するんですよ。ひどい。

大名にとって国衆なんてこんなもん、とよくわかる冷酷な場面ですね。

お前のつけた手だれアサシンズだって、出浦さまにあっさり討たれてたではないか! 正信ェ・・・

●家康は昌幸に返り討ちにされたことにより、真田が自分を見限って上杉に着くのではないか、と心配します。

いやさすがにそれはないでしょう、真田は上杉を裏切ってますし……と否定する正信。しかし「いやいや真田はわからんぞ〜」

さすが家康はよくわかってますね!

昌幸はちょうど上杉に臣従したいという書状を出して、断られていたところでした。

●上杉を諦められない昌幸は、やっぱり臣従したいんでよろしくお願いします、なんでも仰せに従いますので、と再度手紙を書かせます。

いやすごい。命じられた内記も思わず目を白黒。

当然のことながら、上杉がうんっていうまで徳川とも手を切りません。

このタフさ、まじで見習わなきゃ。

●直江兼続は「真田安房守の面の皮の厚さは日本一でございます」とあきれ果てます。

しかし、景勝様が自ら昌幸の営業術にひっかかっていき……(合掌)。

人質の指名

●それでどうしたかというと、景勝さまは無理難題を吹っかけて真田を試す→人質に次男の信繁を指名をするんですよ。

え、それが無理難題なの?? この時点で御館さまが可憐な乙女に見えて見えて…

もちろん昌幸は信繁を越後に送り出します。

あ、多少の逡巡はありましたよ。多少でしたけど。でも多分、次男でいいの?オッケーって思ったと思いますよ…

●信繁は父親と距離を起きたかったこともあり、新妻を置いて越後に単身赴任します。

ややこのことを梅ちゃんによくよく託し。

●ところで、ここで残された梅ちゃんがきりちゃんに秘密を明かします。

「ややこのことは、そのような気がするだけ…」「というか、これも一つの策ですね!」「誰にも言っては駄目ですよ^^」

あんたも面白みのない女ね、と言われての返答がこれですよ。梅ちゃん、やるなあ。

でも梅ちゃんが秘密をきりに明かすのは、祝言の時に梅ちゃんのために怒って泣いてくれたきりへの、梅ちゃんなりの感謝なんだと思いました。

二人はこうして仲直りします。

●薫マンマはあくまで梅ちゃんのことは無視するのですが、梅ちゃんは中庭に畑作って農作物を育てたりして、マイペースに暮らしそうな気配…

義将 上杉景勝

●越後についた信繁は、国主・景勝への謁見を待ちます。

景勝への謁見は、士分とか、人質だとか、そういうのは関係なしに順番性になってるようで、信繁は、自分の前に謁見を願い出ていた越後の領民(漁師さんたち)たちの訴えと、それに耳を傾ける景勝をこっそりかいま見ます。

領民同士の諍いにも耳を傾ける誠実な大名の姿に、信繁は感心します。

●信繁を接見した景勝は、信繁を人質ではあるが客分として遇するとか言い出します。えーっ!?

というか

「お主に会いたかった。忘れられなかった」「あの時のお前は命をかけていた。命をかけ、そして必ず勝つと信じていた。そういう目だった」「会いたかったぞ、源次郎」

などなど、素の台詞とは思えないポエムがメモしてあるんだけど、わたくし、間違ってないですよね?

●景勝は謙信公の仏間?にまで信繁を通して、上杉の守る「義」について語ります。

上杉の義、それは民が安心して暮らせるようになること。

※いわゆる儒教の五徳・仁義礼智信における義は、「利に惑わされず、するべきことをする」というフワっとした意味の言葉だったんですが、日本語では「筋道とおっててなおかつ思いやり深い」という意味になるのがおもしろいよね。

実は、景勝公は、虚空蔵山城で猿芝居を討ち、情報戦で北条を引かせて、一兵も損なわずに見事に勝利した信繁に、領民を大切にする謙信公の心を投影していたのです。

●「織田信長公についてどう思われますか?」と話を振った信繁に、景勝は「死に様は、生き方をうつす鏡」と強烈な返答をし、つまり、景勝もそのまっすぐな性格で、信繁を魅了します。

父親に似てまっすぐ全うな人に弱い息子。

誠実で情け深い大人の男性に父から受けた心の傷が癒やされた息子。

でも将来この殿につき合ったお陰で西軍に。。。

悲しいけど、すべてが滅びの道筋なのよね…

いやでも改めてレビューしてみると、すごい回だった。景勝さまがまじファムファタル。ということが飲み込めたところで〈2〉に続きます。

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