2016年3月-アンチョビおすすめの歴史エンタメ系コミック。

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シュトヘルとアンゴルモアの新刊が出ていたので。

あと3/25からamazonが期末セールしてまして、kindle本が最大50%割引されてます。今回ご紹介した作品も10%は割り引かれてるので、この機会にどうぞどうぞ。

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シュトヘル

シュトヘル 12 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

鉄血のオルフェンズにキャラ原案を提供した伊藤悠先生の作品。

12世紀のモンゴルの侵攻期が舞台。西夏文字を後世に残そうとするチンギス・ハンの庶子ユルールと、祖国をモンゴルに滅ぼされた西夏人の女シュトヘル(モンゴル語で悪霊の意)の物語。

1〜3巻、ユルールの出奔と兄として育ったハラバルとの対立はすごく面白くて、手に汗握りつつ読んだのですが、4〜11巻がどうにもこうにも…なのは、多分、私がチンギスとトルイが大好きなせい。

ヴェロニカいらん、トルイ正妃のソルコクタニ・ベキを出せやゴルァ!と思いながら読んでました。

あと大ハーンの描写がラスボスすぎてどうなの。モンゴル軍の描写も洗練されすぎててどうなの。実はかっこよすぎるモンゴル軍ちょっと草生えた。大草原の民だけにwww

と、かように読者というものは誠に勝手なもので、ぶーぶー文句ばっかりで、命を削って作品を生み出してくれている作家の先生には大変申し訳ないな、と冷静に考えると思います。

でも、12巻からはすごく面白かった!! 強くお勧め。

物語のダークサイド担当だったナランが退場して、トルイとユルールが腹をくくって自分たち仕事に取りかかりだした感があります。モンゴルと父親を守ろうとするトルイ、モンゴルが滅ぼそうとする西夏文字を守ろうとする二人の、魂のぶつかり合い、騙し合いが始まって、大変面白くなってきました。

またハーンが多少人間臭くなり、ヴェロニカもイライラモヤモヤしはじめて、ちょっと良い感じに。

ユルールが大変良いショタキャラなので、ショタがお好きな方に特におすすめ。

あと伊藤先生は絵がうまいので、もうそれだけで楽しめます。

あ、かっこいいおじさんはあんまり出ません。ハラバル? いや彼はまだお兄さんだよね??

アンゴルモア5巻

アンゴルモア 元寇合戦記(5)<アンゴルモア 元寇合戦記> (角川コミックス・エース)

作中唯一のイケメン長嶺判官がついに正式に味方に。

それから5巻では安徳天皇が登場。壇ノ浦での激戦を安徳天皇視点で語ります。これが非常に面白かった。

ちなみに、壇ノ浦から元寇までは約80年の時差。昔の話なのでだいたい3〜4世代ほどまわっており、すでに第八代執権・北条時宗の時代です。

私たちが太平洋戦争のことを考えるよりもちょっと昔くらいの感覚ですね。

そしてもっと距離があるのが、長嶺判官ら刀威祓い(といばらい)が成立した経緯で、なんと彼らは白村江の戦いで日本が唐と新羅に敗れたあとに行われた九州防衛のために徴兵された人々の子孫なのですね。

刀威祓い(といばらい)→「唐」の「威」を「祓う」かな?

※東夷(とうい)の音訳+当て字説も。中国・朝鮮半島から見ての日本以外の東夷、ユーラシア北東端の海岸沿いに住んでいた女真族のことかも。

長嶺判官の佩刀が環頭の直刀で、刀威祓いの男性はだいたいみんな鯨面という、ルーツの古さの表現がなんともエキゾチックで燃えるんですよ!

王国の子

王国の子(6) (ITANコミックス)

少女漫画ですが、大変おもしろいのでこちらもおすすめしておきます。

以前お勧めした「薔薇王の葬列」の少し後の時代。ランカスター家のヘンリー7世がヨーク家の娘をめとって両家が婚姻で結ばれた後のお話。

薔薇王の葬列(5)(プリンセス・コミックス)

↑薔薇王もおもしろいよ!

英国史にはたくさんのトンデモ君主が登場しますが、その中でもおらく最高峰のDQN君主・英国国教会を興したヘンリー8世。

「王国の子」は彼の子供達の時代をベースにした歴史ファンタジー風の作品です。

歴史ファンタジーとしたのは、舞台がイギリスではなくゼントレンという国号の、別の世界だから。でも出来事はだいたい史実に添っているので、これから作者の意図が明らかになってくるのかな?

王位継承者には必ず影武者があてがわれ、一生を共にする…というのが物語のキーとなる設定で、主人公はエリザベス(我々が言うところのエリザベス一世)と影武者の少年、ロバート・ダドリー。

とにかくこの時期のイギリスは、自分のことしか考えてない諸侯と、スペイン・ハプスブルグ家と、その血を引くイギリス女王メアリ一世(エリザベスの異母姉)のお陰ですばらしくカオスなので、陰謀好きには大変楽しめる時代となっております。

影武者の過酷な運命と政治的な陰謀が、格調高くも陰惨なのですが、作者のびっけさんの絵のセンスがものすごくいいので、がんがんオカワリできます。

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コメント

  1. みやもん より:

    はじめまして、いつも真田丸のレビューやtogetterまとめを楽しく拝見しています。
    膨大なツイートのまとめやきめ細かい考察、読み応えがあって本当にありがたいです。

    たまたま目に止まった歴史コミックの記事に、菅野文さんの作品があったのが
    すごく嬉しくてコメントさせていただきました。
    「乙男」のあたりから遠ざかっていたのですが、菅野さんの漫画が好きで。
    薔薇王も読んでみたいと思います。乙男より前、「北走新撰組」で最後まで戦う
    新撰組隊士の物語を細やかに描いた漫画に涙した身としては期待しかありません。
    もちろんアンチョビさんは記事として書かれたわけで、勝手に読んだ私から
    こんな長々と語られるのもご迷惑かと重々承知ではありますが、書かずには
    いられませんでした。教えてくださってありがとうございます。

    今後もレビュー等楽しみにしています。

    • アンチョビ より:

      >みやもんさま

      コメントありがとうございます。
      私にとっても北走新撰組は大好きな作品で、同志の存在にガッツポーズしておりました。
      薔薇王のレビューを書いておいて良かった。
      薔薇王も、繊細且つ大胆、甘美で恐ろしくて…と、優れた少女漫画家の歴史作品は最高だな!と改めて思わせてくれた作品です。ぜひぜひ。