「祝言」謀を尽くす者は、心を失っていく。自分の暗黒面と出会って主人公が主人公になった件。

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画像転載元:nhk公式サイト

十一回が濃ゆすぎて消化しきれないので、もうちょっと語らせてください。

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天然からの鋭い指摘

十一回は、前半が信繁の婚礼にまつわるコント、後半が室賀正武の殺害と、まるっきりトーンが違ってました。

でも根底に流れるもの…策に溺れる人間の行いの結果というテーマがは一緒でした。

信繁は愛する女性を妻に迎え、祝言の式をあげるために、アレコレ策を弄して失敗します。

母親の薫は「どうして好きなおなごがいるから妻に迎えたいと言えないのですか」と信繁の小賢しさをたしなめる。

この薫マンマの批判の鋭さ。

直前のシーンで、「人質のコマが増える」と息子の結婚を喜ぶド畜生な父親(満面の笑顔)に、信繁は「梅は身体も丈夫で良い人質になります」と、結婚を許してほしいための方便とは言っても、かなり酷い返事をします。

この回の最後で、信繁は、室賀さまの惨殺死体を前にして「父親の策を見抜けなかった事が悔しく、梅の気持ちをまったく思いやれなかった」と自分の冷たさに驚くのですが、その片鱗は割と序盤のうちに示され、批判されていました。

自分の望む返事をさせるために、どういう言動を取るべきか。

人の心を操るような思考を信繁は好んで身に付けた。

しかしその結果、自分自身がどうしたいか、という素直な気持ちを言動につなげられなくなってしまった。

毛利元就の序盤で、元就が実兄の援軍の得ようとアレコレ手をつくしても効果がなくて、「兄をお助けください」の本心から出た一言だけが相手の心を動かしたって言うエピソードを思い出す…えーとあれは、宍戸氏かなんかでしたっけ?

信繁はそういう素直な人としての心を失いかけてるんですね。というか、もともとそこが希薄だったのかもしれません。

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画像転載元:nhk公式サイト

昌幸も多分同じだけど

信繁への批判は、上位互換である昌幸への批判でもあります。

というか、昌幸こそ、生き残るために、相手にyes、あるいはnoと言わせるための策略ばかりを考えてきた男。

これまではパッパの悪辣は痛快でしたが、この回ではむしろそれが可哀想なものとして反転しました。昌幸が室賀さまに本当の気持ちを素直に吐き出せていたら、何かが変わったかもしれないよ…いや変わらないんだけどさ。

「これからも一緒にやっていこう。お主がいればこんなに心強いことはない。幼なじみじゃないか、死なせたくない、頼むから家来になってくれ」

とかなんとか、言いたかったんじゃないかな(と想像しただけで涙目;;)

しかし昌幸は、「真田家をなんとしても守る」という目的と、「大名になりたい」っていう本人の野心と、「殿が信濃を治めてくれるのが一番いい」という周囲の希望が合致したことで、既に救われてもいるんですね。

このための、「信濃という魅力ある土地を使って、大名達と渡り合ってみせる」から4回もかけての「儂は腹をくくったぞ」だと思ってるんだけど…

人生が始まるところで、自分の暗黒面と出会ってしまった信繁と、信玄公の庇護のもとで生きて来た昌幸はまたちょっと違いますね。

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謀略家たちの最後に

室賀正武は、いろいろな事情を飲み込み、誇り高く死んでいきました。

敗者が魅力的→みんな死の直前に自分の本心をむき出しにして、それが視聴者の心に迫ってくるんだよね。

それを思うと、やがて敗者となる昌幸や信繁がどのような思いで死んで行くのか。

果たしてパッパは、自分の人生に満足して死んで行くのか。それとももう一回徳川をボコボコにしたかったと悔いを残して死ぬのか。

信繁はどんな思いで大阪の陣に赤備えを揃えるのか。

「私はどこへ行くんでしょうか」と泣いていた信繁の小舟っぷりが半端なく、初めて信繁を心配に思ったかも…でも、新しい楽しみも出来たよね。どうか苦悩してくれ!

ようやく主人公が主人公になった回でした。

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