真田丸 第十回「妙手」レビュー〈1〉真田昌幸に学ぶピンチへの対処 実践編。まずは流れに乗って、カードを強気で出してみよう…

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北条と徳川が和睦して、真田は梯子を外された格好で終わった前回。

梯子を外されたどころか、徳川が勝手に、真田の大事な領地である沼田を割譲しちゃうというとんでも事態。

パッパ昌幸はどう対処するのかというと…

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徳川さんの勝手な言い分

●前回の終わりに届いた、徳川と北条の和睦とその和睦条件を知らせる書状を見せられた室賀正武は激怒。「おぬしは舐められておるのだ!」と、書状を叩き付けて真田本城を後にします(室賀様の癇癪にはみんな慣れっこ)。

昌幸は何故大名達が和睦を急いだのか、いぶかしみます。

今回の終わり間近に明らかになりますが、それは本能寺の変後の織田家の混乱状態が、羽柴秀吉の台頭により、終息しつつあったからなのですが、パッパにはそれが見えてないんですね。

ただし、信繁の「急ぐ理由があったのかも」という返答で、視聴者には秀吉の存在が暗示されます。

●徳川さんちでは、真田家代表の信尹が、本多正信に苦情を申し入れ。ですが、家康は真田なんて雑魚を相手にしてもしょうがないと、見事な手のひら返しを見せます。

のど元過ぎた後は、過去のことは割とどうでもよくなる狸のメンタル。

そのくせ、クールで押し出しのいい信尹に感心して、「あの男は相当な切れものですぞ」「ああいう男を家臣にしたいのう〜」と勝手な事言ってて吹いたw

正信は、真田は雑魚かもしれないが毒持ちの雑魚かもしれませんぞ、ときちんと交渉するよう家康に提案します。

チーム徳川はこうして混沌を自ら招き寄せます…

混沌からの使者

●向こうが交渉の席を用意するというのだから乗ってみるか、と昌幸(家風ですから)。ただし、自分は「急病」(えっ)ってことにして、長男と次男を使いに出します。

ここで嫡男が、徳川家の重臣達がずずずいっと居並ぶ前で、「和睦するために御味方したのではありませぬ。沼田は真田の領地で、徳川様は安堵のお約束をなされたのに、なんで勝手に北条に割譲するのか。承服できかねる」と、ものすごくはっきり、理路整然と真田の抗議の口上を家康に述べます。

家康は「えっなんでそんなにはっきり言うの? 格下のくせに」と一瞬たじろぎ、ついでに家臣も「なにこの若造」「すごい理路整然。しかも正論」「生意気、でも天晴れ」と複雑にどよめきます。

徳川家臣団は、代表選手の正信・忠勝・数正以外の家臣はまとめて扱うんだけど、こういう細かい作り込みを欠かしませんよね。

●家康は「約束なんてしたっけ」「じゃが、北条のご隠居とそういう話になっちゃって」「じゃがじゃが」とのらりくらりとごまかそうとしますが、信幸が一喝「じゃがではござらん!!」

平八郎が「切り捨ててくれる!」と激高して太刀を抜きかけるのを信繁が止める(平八郎のこやつ出来る顔)、という時代劇めいたシーンもあって、いやーここは大河らしくてほんといい場面でしたね。

で、信幸はそんなことがあっても尚堂々と、改めて家康に交渉を持ちかけます。

虚空蔵山には上杉の信濃侵攻の前線となっている山城がある、その城の前の海士が淵に防衛の城を築きたいので徳川に建ててもらえないか、その城に入るのはもちろん真田ですけど、対上杉の拠点として真田がしっかりお守りします…となんとか。

用意よく城の見取り図まで取り出すんですが、これが昌幸が最初に切って来たカードですね。この海士が淵の城こそが、後に二度に渡って徳川の大軍をボコボコにすることで有名な上田城です。

家康はその交渉に乗り、海士が淵の城は費用も人足もうちで持つから沼田は譲って、とお願いします。信尹が「兄に相談しますので、この案件は持ち帰ります」と述べて、場を引き取り、家康もそれでよしとしましました。

とりあえずこの交渉は、真田がイニシアチブを握った!

●……ように思われたんですが、家康はこのあと「昌幸の母、兄弟の祖母」を返すというスペシャルカードで挽回を計ります。

まあどう考えても沼田割譲の件は真田の言い分の方が正しいですから、それをなんとかしようと思ったら搦め手でいくしかない。

真田の方は、主に弟と叔父さんがこのまま信幸に強気の演技をさせて押し切ろうとしてたところを、ばば様のカードでフリーズしるはめに陥ります。

ここもおもしろくて、信幸・信繁兄弟は最初に大喜び→はっとしてフリーズ…なんですけど、叔父上は最初はさほど大きな反応はしないのですが、結局いろんなものを全部放り出して、ニコニコしながら母親の肩を揉むんですよ。

叔父上、ここでゲームを投げたww

●徳川狸は「人質はお返しする、一つ沼田の件をよろしく」と嫡男の肩を抱き、酒を注いで図々しく頼み込んでいくスタイルの調略。

ここでこの駒をこう効かせるとは。

あ、ちなみにばば様は木曽義昌から譲り受けたそうです。人質の具体的使い方をこんなに描写する大河も珍しい。

狸のお手紙リレー

●ばば様を返してもらった昌幸は、「仕方ない、沼田のことはしばらく忘れるか」ということにして、沼田城の矢沢頼綱に対して信幸を使者に立てます。

この辺は昨日書きましたが、

「妙手」脚本の余白の豊かさを楽しむドラマ…大河ドラマは次のフェイズに移行できるかもしれないという望み。
画像転載元:nhk公式サイト 今回は控えめに言っても神回だったと思ってます。 多くを語らない脚本 昌幸が真田の郷を一歩も動かずに自分の所領を守った第1...

昌幸と矢沢の大叔父上はツーカーです。信幸をカカッと追い返すのもツーカーの成せる技。

昌幸は、しれっと「沼田を渡したいけど、叔父上が引きこもっちゃって渡してくれてません。すみません」と徳川に伝えて、時間を稼ぎます。

で、その書状を受け取った徳川は、割譲された領地はそれぞれの手柄次第としましょうや、と沼田のことを北条に丸投げします。

狸に手紙をリレーさせるとこうなるの見本。

●北条は沼田に使者を派遣し、城を引き渡すよう求めますが、矢沢の大叔父上はさっと槍を手に取ってグサっと一突き……

●北条氏政は「沼田を攻める口実が出来た」ポジティブにぶち切れます。

「沼田城にいるものは女子供も含めて根絶やしにせよ!」

●ところが矢沢頼綱の大叔父上は、寡兵で篭城して善戦します。恐ろしい。

●大叔父上の活躍を聞いた昌幸は「叔父上の血の気が多いにも程があるなぁ」とぼやきますが、その血の気の多い叔父上、豪腕矢沢頼綱の独断での篭城が、昌幸の2枚目のカードなんですね。

昌幸は碁の盤面から目を離しません。碁盤の盤面は彼が今取り組んでいるゲームの象徴で、そしてその背後では、徳川の手配による上田城の普請が始まっていました……

というあたりで〈2〉に続きます。あーおもしろい。真田丸おもしろい。

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