真田丸 第九回「駆引」レビュー〈1〉信濃の国衆による寄合支配というアイデアにいい人ほど食いつくなあと思ったら、黙れ小童コンビだった件。

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前回のラストで「大名なんかいらん。信濃に国衆の国を作る!」と盛大にぶちかました昌幸父上。

しかし、なんで国衆合犠制かというと、大名になる力が「儂にはない」からという消極的妥協的アイデアだったりします。

パッパの本心は、ここ数回本人がずーっと言ってますけど、喉から手が出るほど「力がほしい「上杉や北条と渡り合う力が」。

そんなパッパの腹が、今回、ようやく、ようやく(!)だいたい固まります。長カッタ。

前半は、源次郎が父親の所業に納得し、腹を収めるまでのエピがメインなんですけども、ところどろこでこのテーマがちりばめられています。

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天正壬午の争乱、続き

●急に北条に攻めこまれることになった徳川は大変なことになってます。

どれくらい大変な事態かというと、氏直率いる兵力3万に対し、徳川は1万もいないような、甚だしい戦力差。

ここで信長の野望mapがin。北条さんちの領土がどえらいことになってました。これは普通に勝てない。

本多平八郎は「かくなる上は正面からぶつかりましょう!それが最も上策です」と家康に進言します。

正信が即座「そんなものは策でも何でもない!」と否定するのが当然の脳筋理論です。W本多一触即発(しないけどね)。

かわりに正信は、武田旧臣である国衆たちの取り込みを提案します。

「武田の遺臣でまだ力を持っているものがいるから味方に付けましょう。例えば真田とか…」

って、佐渡どのがあげたのは疫病神の名前ですよ…?

●真田の郷では、源三郎が、父親の国衆合議による信濃統治のアイデアに心酔しています。

「俺たちが思っているより大した御方なのかも」。

しかし源次郎は前回の春日信達調略の後味の悪い結末のせいで、兄の言葉に返事の一つも出来ません。

●一方、上杉景勝様は裏切りものの真田に静かにお怒り中です。

直江兼続は信尹を捕えようと居室に踏み込みますが、信尹はしれっと単独で逃亡済みでした。叔父上も外交官兼スパイとして、忍者の修行をしてたりするんでしょうか。仕事出来過ぎです。

もっと強くなれ

●真田親子と出浦さまは、国衆の寄り合いについて話し合います。

大名に頼らず、国衆の寄り合いで国を治める。

よさそうだけど、何かと昌幸に反発する室賀正武が問題になりそうダネ、とみなさんシビアに現実を予想します。実は昌幸の方も室賀が苦手。顔が好かん!ってお前は子供か。

出浦様は「しかしあいつは悪い男ではない、なんとかならないものか」とクールに、しかし意外なことに暖かく、室賀のことを昌幸に取りなします。

「駆引」真田丸という家族の物語。そして小県のご近所の物語。
画像転載元:nhk公式サイト 真田家という家族の、そして小県というご近所同士の物語としての真田丸について。 家族の物語 真田家という家族の物語、という...

ここはわたしじーんとしちゃったんですよ。小県で一緒に育ったもの同士、もしかしたら子供の頃から長い付き合いがあったんだろうなって。

最期はろくでもないにしても…

●で、そんな相談中、源次郎はずーーーっと無言です。源三郎はいぶかりますが、昌幸は「こやつは儂が気に食わんのよ」と源次郎の内心を代わって話します。

談義の席を中座してしまう源次郎、もう尊敬の眼差しで見てくれない息子に「まだ早すぎたか…」とパッパはがっかり。否定はしませんが、あんたのやり口が悪辣すぎだし。でもそれもしょうがないですよ。乱世ですし(火山ですし、の口調で)。

●父親のしたことを受け入れられない源次郎は苦しみます。なにしろ昌幸・信尹の調略が凄すぎたし、見事すぎた。

源次郎は馬鹿じゃないのでいろいろわかってはいるんだけど、圧倒されちゃって飲み込めないんですね。

そんな源次郎に、出浦さまは「信達は自業自得」と諭します。

気配の消し方がうますぎて、源次郎に気付かれない出浦様が、わざわざカチャッと刀を鳴らして背後に立っている事を知らせるのがかわいいです。

●出浦様は「お前は優しすぎる、もっと強くなれ」と源次郎を叱咤します。

現代劇だとどうしてもこういうシーンで、おじさんの自己卑下というワンクッションが置かれて、同じ目線で話し合うことが要求されて面倒くさいけど、時代劇はおじさんが圧倒的上から目線なので、話がシンプルにまとまります。

●源三郎は、予想外に父上の「国衆の寄り合い支配」計画に夢を見ています。

出浦さまは源次郎に「儂はお前の父親(昌幸)が信濃を治めるのが一番だと思う」と言ってまして、合議制なんてものにこれっぽっちも夢を抱いていないんですが、信幸は理想家肌。

正室のおこうさんにも「山城の国一揆というものがあって…」なんてことをウキウキ話すんですけど、おこうさんは全然聞いてませんで、手に力が入れなくてご飯のおかわりがよそえません…という病人芸を披露します。

源三郎さまはおこうさんを攻めず、自分でご飯をよそいます…超いい人。

正直いって今のところ全然おこうさんのことは好きになれませんし、病人芸もおもしろいと思わないんですが、これからどんなどんでん返しがあるのかと思うと、この人が出てくるときが特に油断しちゃいけないんじゃないか…

室賀さまの説得

●昌幸たちは連れ立って室賀様を訪ね、国衆による統治という昌幸の考えを話して、協力を請います。

室賀様もまた昌幸と同じく、あっちの大名に着き、こっちの大名に着き、どこに着いたら生活が保障されるのか、あれこれ思い悩む生活にお疲れになってまして、

「お前の事は好かん!でもお前の話はおもしろい!!」

と初めて心を開いて満面の笑顔で昌幸に賛同してくれます。

しかも室賀様は昌幸の方から下手に出て来た事で、ものすごく感動してまして、それこそ涙ぐみそうになりながら、昌幸と手を握り合って協力を誓います。

●ところで、室賀さま訪問に、拗ねてる源次郎は置いて行かれてしまいます。

内記(殿のお供に同行)が娘のきりにうまくやるように言うんですけども、源次郎はきりちゃんの相手を嫌がって部屋を抜け出してしまいます。

あんまりにも報われないきりが、だんだん可哀想になって来た…

戦争はやっぱり嫌なもんですよ

●本城を抜け出した源次郎は、梅の兄・作兵衛をたまたま見かけて声をかけます。

作兵衛から、最近畑荒らしが増えて困っている、武田の時はこんなことはなかった、やっぱり引っ張ってくれる人がいないと駄目です、と聞かされる源次郎。

一般領民にまで行き届いた信玄公の威光がすごい。

作兵衛はついでに「源次郎さまのお父上が信濃を治めてくれるのが一番なんですけど」とこぼします。

●その後、源次郎は、梅と作兵衛に春日調略の酷い顛末を聞いてもらうのですが、真田の家臣であると同時に、一般の領民でもある彼らは、

「春日様には申し訳ないけど、戦が起こらなくてすんで良かったです」

「畑が荒れれば食べ物の奪い合いになります」

「戦はやっぱり嫌なもんですよ。殿のためなら命をかけるのが当然ですけど、本当は畑仕事の方が自分にあってます」

と、若殿である源次郎に、申し訳なさそうに世間の声ってものを教えてくれます。

●父親の汚いやり口への嫌悪感に気持ちが囚われ、凝り固まってしまっていた源次郎は、梅・作兵衛兄妹の説明に救われます。

作兵衛と梅からすると、昌幸の謀略で戦争が避けられるのはありがたいことで、ひょうひょうとそういうことをやってのける昌幸は、優れた領主なんですね。

●ここは、近年大河のお約束「戦は嫌でございますショー」のシーンなのですが、さすがに「真田丸」は無理なく、うまくまとめてきたと思います。

…と、皮肉めいた書き方をしちゃってごめんなさい。近年大河が毎年毎年飽きもせず「戦は嫌でございます」と繰り返すので、疲れちゃってるんですよ。多分。

というわけで〈2〉に続く。

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