「駆引」真田丸という家族の物語。そして小県のご近所の物語。

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画像転載元:nhk公式サイト

真田家という家族の、そして小県というご近所同士の物語としての真田丸について。

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家族の物語

真田家という家族の物語、というのは、かなり最初の方から言われていたことだったんですけど、正直私はそこに期待はしていなかった。

だってもう大河は近年ずーっと「家族愛」「家族」推しじゃないですか。

仲の良い家族のキャッキャッウフフでほのぼのしたり、品格ある父親像にしみじみしたりはしますよ。でもまあ、ぶっちゃけていえば似たり寄ったりでした。

ここ数年の大河で面白かったのは、「平清盛」の主人公長男・重盛君の結婚式でしょうか。

いざ婚礼の儀に至ってもウダウダ言ってる長男を「さっさと子作りすりゃあいいんだよ」と庭にぶん投げ、「バカ息子ですけどまあよろしく」と嫁に挨拶する父親というのは非常に良かった。

そしてそんな義父を、息子の嫁がキラキラした目で見つめてしまうっていうのは「娘の結婚式に涙ぐむ現代日本ドラマのよくある父親像」というものへのアンチテーゼだと思うんですけども、大変な変化球で、趣向としてものすごくおもしろかったと思います。

と考えると、家族愛の表現に、趣向が足りないのが問題なんですね。平たくいうと、ほのぼのしみじみばっかりで、面白みに欠けてました。

ところで「真田丸」はどうかというと、この手垢つきすぎの往年のテーゼ「家族愛」を表現するのに、驚くほどいろんな種類の球を出してくるので、ホームドラマシーンでもまったく気が抜けません。

今回で言うと、嫁に人質に行ってもらうための昌幸の色仕掛けコントそれ自体もそうですけど、色仕掛けはしても無理強いはしないパッパとか、思いっきり断ったけどパッパにあっさり去られて寂しい嫁とか、なにより、自分の礼装すら麻地なのに、嫁には絹の寝間着を着せてる昌幸ェ…

上杉家から颯爽ととんずらしてきた信尹も、家族の前では別人です。

これまで交渉相手の相手の目の底をじっと見るような、サイコパスみたいな顔ばっかりだった叔父上が、昌幸の前ではしごく穏やかにキラキラ微笑んじゃって、「お前誰ですか」状態になってるのは吹くしかないし

この真田兄弟(親世代)の関係は、子世代と対になっていて、子世代では兄が優秀な弟を暖かく見つめるんですよね。

子世代は、親世代と違って兄が人格者なために非常に清々しい感じに描かれるのも、意味深です。

こうやって「家族愛」にも呆れるほど手を抜かず、趣向を盛ってくるので油断ができなくて大変ダ。

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画像転載元:nhk公式サイト

ご近所の物語

ところで、9回は、さらにご近所の物語も盛り込まれてたんですけど、これもとっても良かった。いや単純に良かったとは言えないんですけど、そこが良かったです。

昌幸が何かと反発してくる室賀さまに対して「苦手なんじゃ」「あいつの顔が好かん!」と子供っぽいことを言い出したり、そんな昌幸に対して出浦さまが「煩いけど悪い男ではない」と取りなしたりする。

昌幸に何かと対抗して煩かった室賀さまが初めて昌幸の考えに同意し、心を開いて無邪気な笑顔を見せる。

私はハリー・ポッターの主人公ハリーとマルフォイを急に思い出して、胸がキュンキュンしました。ハリーとマルフォイは後年、キングスクロス駅で顔を合わせたら挨拶するくらいには関係を修復するから、昌幸達とは全然違うんですけどね。

でも、仲は悪いかもしれないけど、狭い地域で長い付き合いをしているおじさんたちの過去が透けて見える感じがしたのがなんとも言えず良かったです…

野望と謀略の密度の濃ゆい回に、あたたかな家族とご近所の物語をぶっこんでおきながら、あと数回で(以下自粛

あー(

主人公も相当突き放されてますけど、視聴者も相当突き放され、予定調和で安心することを許されず、常に物語と並走することを強制されてて、うん、確かにこれは辛く思う人もいるかもしれないね。

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