真田丸 第七回「奪回」レビュー〈1〉昌幸、期待通りの謀将っぷり。さあ、天正壬午の乱がはじまるよー!

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さあ、いよいよ「真田丸」最初の山場、天正壬午の乱の幕開けです。

といっても、わたくし、この乱のことを全然知りませんでした。

TLで教えてもらったのですが、最新の歴史研究の成果なんですってね。

旧武田領がどのようにして、北条・上杉・徳川に分割されて行ったのか、長らく実正研究はなく、真田丸の時代考証に参加されている平山優先生が、この乱の総説を最初に発表したのが1998年というから驚きです。

天正10年のこれをがっつり描くために、「真田丸」が子役を用いなかったのは明らか。

2月に武田家が滅亡し、6月2日に本能寺の変、6月16日に北条が上州に侵攻、18日に神流川の戦いと、息をつく間もない怒濤の日々を主演がやらねばどうするってなもんです。

今回は、北条の侵攻から滝川一益が信濃を撤退する6月28日までのエピ。

織田勢(滝川)撤退まで、真田はどう動いたのかというと、滝川さまの苦しい戦いの裏で、ちゃっかり北条に便乗してかつての所領である沼田・岩櫃を取り戻していたのでした…汚い。さすが真田昌幸汚い(期待通り)。

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滝川さまとパッパの噛み合ない相性

●前回ついに「どの大名にも従わない、独立する」と決断したパッパ昌幸は、北条に攻められ、援軍を要請して来た滝川一益をスルー、さっさと、しかしこっそりと岩櫃城・沼田城を取り戻してしまいます。

さらに人質を取り戻すために、滝川が撤退した箕輪城に完全武装で駆けつけるという素晴らしい狸っぷり。

「戦に間に合わなくてすみません」とやってきた昌幸を、滝川一益は喜んで迎えます。

滝川さまは自分が敗戦したにも関わらず、駆けつけてくれた昌幸の行動を誠意と勘違いして、感動してしまったんですね…。

●敗戦→撤退中にも関わらず、わざわざ時間を取って二人きりで別れの杯を交わし、お酌までしてくれて、今は織田家の立て直しが急務、沼田・岩櫃はお返しいたす、落ち着いたらまた帰ってくる、その時は緑深き山々を眺めながら一杯やろうと昌幸に語りかける滝川さま、まじいい人。

「え、沼田と岩櫃、返してくれるの…」とパッパは拍子抜けします。

●素朴な人格者・滝川さまを見つめるパッパの顔には「この乱世にこいつはこんな調子で大丈夫か」と書いてありました。が、滝川さまのすごいところは、ここまで昌幸を信じているにも関わらず、

「念のため人質は信濃を抜けるまで預からせて」と非常に堂々と言うところ。

「え、人質は返してくれないの…」と、今度は愕然とするパッパですが、あまりにも滝川さまが堂々としているので「ええ、もちろん。どうぞどうぞ連れて行ってください」と返答せざるを得ません。

パッパに「人質を返さないなんてひどい。やっぱり滝川さまは儂を信じてないのね!!」と食い下がる隙を与えない滝川さま、腐っても鯛。

ここは、ちょろそうでちょろくない滝川さま相手に、イマイチ調子が出ないパッパを笑うところですね。

しょうがないのでパッパは源次郎に人質の奪還を命じ、自身は真田の郷に戻ることに。

●翌朝、実は真田が岩櫃・沼田を北条侵攻に便乗して取り戻していたことを知らされた滝川さまは激怒します。当然ダネ。

奪回失敗

●源次郎と三十郎は、滝川一益が立ち寄った小諸城で、人質の奪回を計ります。

どうしたかというと、小諸城は突然の滝川の訪問に混乱してまして、その混乱に乗じて城に潜り込み、人質奪回&脱出っていう。

ずいぶん調子の良い計画ですが、これが意外とうまくいきまして、小諸城の兵士には滝川方の兵として、滝川の兵士には小諸城の兵士として、うまい具合にやり取りして、婆様ときりが捕えられている部屋にまでたどり着く事には成功します。

しかし、きりちゃんが、大切なものを忘れただの、なんのかんのと足を引っ張ったために時間を食ってしまいます。

さっきうまく騙したはずの人質の見張りが戻って来てしまい、さらに小諸城の親切な兵士もやってきて、滝川と小諸城の両方の兵士に挟まれ、にっちもさっちもいかなくなったところで、城主と滝川さままでその場に現れちゃう。

ごまかしきれなくなった上に「昌幸の小せがれ」と正体までばれちゃう始末。

●昌幸に騙されて静かにお怒りの滝川さまは、「真田の息子なら使い道もあろう」と源次郎も捕えて人質に加えます。

●ところで、ここでの長澤まさみの演技が、びっくりするほどウザウザで、私はぜんぜん受け付けなかった…

ここまで美味しくいただいていたコース料理に、突然食べつけないものが出て来てびっくりした感じといいますか、なんといいますか。

いや飲み込めない演技だったとしかやっぱり言えない。

今思い返してみると、源次郎が救出にきてくれたことにはしゃいじゃった不器用な乙女心と見ることもできるでしょうけども、ああ、でもイライラ!

視聴者に対しても、劇中人物に対しても、媚び諂いの一切ない長澤まさみさんのキャラ作りについてはむしろ感心しましたけどね。

今後ヒロインとしての爆上げエピがあったとしても、挽回不可能なんじゃね? それとも挽回できるだけのエピがあるからあれなの? 視聴者をはめてるの?? 脚本と演出家の思い通りに揺さぶられてる??

「助けに来たと思ったら自分まで捕まってバカじゃないの。松様が亡くなったのだってあんたのせいじゃないの」くらい言ってるヒロインを見直すとか、なまなかなエピソードじゃ無理な気がしますけど、ほんとに挽回してくれるんだろうな!?

滝川さまの信濃撤退

●源次郎は人質の奪回に失敗し、自分までとっつかまるという事態にがっくり落ち込み、いつものニヤニヤ顔が消えて、すっかりシリアスモードです。

●しかし段田安則さんの滝川一益は、気さくで素朴な人柄と品が良さ、上級武士らしい堂々とした振る舞いなどなど、すべてにおいて素晴らしかったですね。

昌幸に騙されはしたけれど、だからといって源次郎を手ひどく扱うでもない、感情的になるわけでもない。

ただし締めるべきところはしっかり締めてくる。

いつもきちんと相手と話す滝川様に、信長の信頼の篤さも頷けました。

史実では、滝川は孫の代まで真田との付き合いが続いて、そのせいで苦労することもあったようですが、有働アナにフェードアウト死を宣告された「真田丸」ではどうなるのでしょ…

●なんて思ったところで、真田の郷にカメラが移動して、マンマと嫁(源三郎の妻)のおこうさんの食事シーンです。

いちいちしんどそうに食事をするという病人芸がギリギリで、私は素直には笑えませんでしたが、まあいちいち言わない。どんな状況でも突き放して見るって大事ですし。

●薫マンマは、開けっぴろげな性格で明るい松もいない、どんなときも毅然としていた婆様もいない、なにかと騒がしい末っ子もいない、夫と長男は戦争中…と気が晴れません。憂鬱。

●滝川一益は、木曽義昌が木曽を通る事を承知しないために、足止めを食らってしまいます。

「武田家を滅ぼした織田軍をなんで通さないといけないのか」と、お前ーどの口がーお前ー!な木曽くんですが、滝川さまは直接交渉の末、信濃の国衆の人質をすべて譲り渡すことを条件に、木曽領通り抜けの承諾を得ます。

森長可は城に押し入って嫡男を拉致して抜けてったのに、滝川さまの常識人ぷりときたら。

といったところで〈2〉に続きます。

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