真田丸 第五回「窮地」レビュー〈2〉麗しくも重厚な上杉主従登場。滝川一益の語る信長の天下。お家に帰れた家康。真田はこれからどうするのか。

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笑っては行けない伊賀越えが続く後半。パッパもいつもの調子を取り戻します。

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面白くなって来た

●パッパの苦悩?がつづきます。

「山育ち故海を見た事はないが、今わしは海の中にいるようなものだ。国人領主のような存在は、力のある大名に従って生きる他はない…」

しかし、長男にぼやいているうちに、いつもの山っ気が戻って来まして、

「この真田、荒海を渡りきってみせる。面白うなってきたわ」

パッパ、タフですのう。

●しかし、実は信幸は父親の姿勢に納得ができません。

「織田の家臣となったからには織田に忠義を尽くすべき」と、何とかうまくやろう、どっかの勝ち馬に乗ろう、とする父親を批判します。

「父上の悪い癖が出て来たようだ」

昌幸パッパがなんとか勝ち馬を当てたいと思ってしまうのは、父・幸隆が武田晴信という当たりくじを引いた影響もあるんでしょう。

パッパもまた偉大な父を持つ息子であるのです。

シーンのつなぎにコント伊賀越え

●今回は、信濃をめぐる割とシビアなあれこれの箸休めがコント伊賀越え、という構成になってますので、パッパと信幸のすれ違いの合間に、家康がエクストリームな目にあってます。

野盗を押し通ったら、今度は断崖絶壁に遭遇する家康一行。

家康「ちょ、これ無理ゲー…」

半蔵先導しますね平常心)」

すごく、おもしろいです…

●信濃にカメラが戻ります。パッパは小県の国衆を集め、明智の書状を見せます。

パッパは、自分は織田にも明智にも小県の総代と認められていた、いるとうそぶいた上で、「信長が死んだ今、織田に天下を治める力はない、よって我ら小県は上杉に着く(着こう)」と説得します。

例に寄って室賀さんがものすごく反発するんですが、すでにパッパは手際よく弟の信尹を上杉景勝の下に派遣していました。

壁一面の竜の墨絵 上杉

●ここで上杉景勝、直江兼続主従の登場です。

壁一面の巨大な龍の墨絵を背景に、信尹との会見に臨んだ景勝は、小県の保護を承諾します。

ここがすごく色数が少ないシーンでおもしろかった。黒・茶・白・青。

上杉の大名としての格は、天井の高いすっきりした空間の上質さであらわされていて、質実剛健な上杉家らしいたたずまい。質素なんですが、真田のような国衆とはまったく違う豊かさも表現されています。

景勝の背後の竜の絵は、上杉謙信の象徴ですね。

しかし、このいかにも大物の風情を漂わす景勝は、軍事援助は断ってきます。

好機です、と軍の派遣を迫る信伊に、景勝曰く、「弱きを扶け、強きをくじくのが当家の家風。主君を失った織田をどうこうするのは当家のするべき戦ではない(とかなんとか」

●エンケンさんの誠実そうな演技に思わず信じちゃいそうになるんですが、昌幸パッパは、上杉も内部紛争などでガタガタで、まったく余裕がないのだ、とあっさり見抜き、上杉のことは諦めます。

滝川一益

●源三郎は改めて織田家の家臣としての勤めを果たそうと父親に主張しますが、パッパはまったく相手にしませんw

●そんな時、今度は滝川一益からの呼び出しを受けます。

「来たか」と覚悟して滝川一益が滞在する厩橋城に顔を出す昌幸・信幸親子ですが、一益は「そろそろ身体がしんどくて、おすすめの湯治場を教えてくれない?」とのんびり。

どうも一益にはまだ信長の死が伝わっていないないようです。

一益はこの時、関東管領なんですけども、気さくで素朴な人柄で、とてもそんな古来より続く由々しい官位にある人物に見えません。昌幸はこういうタイプに強く出れないのね(苦笑)。

才に長けた若造(信忠)とか、イノシシ武者(室賀)とか、自分と同じ狸(家康)には山師としての才覚を軽々と発揮できるのですが、穏やかで誠実で気さくな人には通じない。

あ、↑は妄想ですけど、意外と勝頼公もこのタイプだったのかもしれませんね。

●態度を決めかねる昌幸に、一益は何かを察したのか、「もうすぐこの日ノ本から戦のない世が来る」「自分はお役御免になるだろう」と返事に困るようなことを言い出します。

一益は、フワフワとした理想としての「戦のない世」ではなく、強大無比の軍事力で大名間の私闘を禁じる、という信長が考えたシステムの話をします。

鎌倉幕府、室町幕府というのは、朝廷という権威をバックボーンにしていたけれど、信長はシステムの安定性のためにそれをも切り捨てようとしていたわけです。

これは具体的な話として、まさに今現在、どの大名についたら生き延びられるのかと悩む昌幸に迫ってきます。

信長の先進性をこの時昌幸は真に理解する。

パッパは「明智も愚かなことをしたもんだ」とぼやきますが、この言葉はパッパの真意であったことでしょう。

安土城下の混乱の中

●この頃、家康は一休み中。徳川を支持する農村で休ませてもらい、握り飯まで食べさせてもらってわかりやすくホッとしています。

ていうか、普段はうっとうしがっている忠勝と、頬についた飯粒を取り合ったりして、大分壊れている感ww

ピンチの切り抜けすぎでしょうかw

しかしそんな家康に、この先に明智軍が…と告げる半蔵。

「全力で押し通りまする」「またか…」

ヘタレな家康が愛おしくてならない><

●信濃に戻って来たパッパは、マンマがウキウキと「信長が死んだのなら松が人質に出る理由はなくなった。帰ってくるのでしょう?」と問いかけてくるのにハッとします。

「忘れてたー!」

松を明智に抑えられたら真田は明智に従うしかなくなる。

慌てたパッパは佐助に松の救出を命じます。

●京都で情報を集め、本能寺を焼け跡を確認し、信長が死んだ事に確信を持った源次郎は、往路ですれ違った明智軍が、安土を目指していたことを察します。

安土に駆け戻った源次郎でしたが、すでに松は織田の御家来衆によって安土に連行された後でした。

源次郎、三十郎、茂誠は、安土城に向かいます。混乱に乗じて入り込めるかも…と前振りがありましたが、予想以上にすんなり入城ww

●松にもあっさり再会しますが、松は他の人質を置いて逃げられないと言い出します。

城の中でとってもかわいい狸♡と目があっていた源次郎は抜け道に心当たりがあり、松の言う事を聞くのですが…

●ここでまた徳川パートです。徳川と真田で良い感じにカメラが移動できますねww

(敵対関係にある幕府の描写が異様に少なかったお握り燃ゆの内容の薄さの理由を察するわたくし)

とうとうおうちに帰って来た家康は、阿茶の膝に倒れ込み「死ぬかと思った〜・・・」

確かにこのヘタレが死なずに領国に戻って来ただけで、かなりすごいことです。

家康タン、おつかれさま♥︎

●女だらけになった源次郎は、無事安土城を脱出。信濃に向かって逃げることになります。

近年の大河が失った具体性

近年の大河では、「徳川の心」「面白き世」「戦のない世」「新しい日本をつくる新しい日本人を作る」と、フワフワしたスローガンが連発されていました。

私的に一番ひどいのが「徳川の心」だろうと思ってるんですけども、そういえばこの概念を突然持ち出して来たのは堺さん演じる徳川家定でしたね。感慨深いわ。

こういう古くさい教育的な理想を掲げないと大河ドラマを制作しちゃいけないのか? と疑問に思うくらい連呼されることを、毎年微妙に思っていた身としては、

「真田家はどうやって戦国を渡り、生き残るのか」

という具体的な命題はすごく新鮮です。

「ちかえもん」も、近松門左衛門がいかにして曾根崎心中を書き上げるか、という問いに向けてストーリーが組まれていて、命題がはっきりしているからこそ振り幅が大きくなって面白いわけで。

具体的な方がドラマ向きなんでしょうね。

さて次回はホームドラマ? それとも山崎の合戦? どちらでしょうか。どちらにしてもたのしみです♥︎ アデュー!

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