「挑戦」狸、魔王、ドM、パッパの初めての愚痴→超高速本能寺の変っていう超展開。

画像転載元:NHK公式サイト

狸、魔王、ドM、そして初めてのパッパの愚痴…いろんなものを置いてけぼりにして花火のようにぱっと終わった本能寺の変。

第4回では、この事件が当時の多くの人々にとって、どれだけ突然すぎる出来事だったかを視聴者に追体験させるために作られたと言っても過言ではないでしょう。

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狸と狸が丁々発止、そして…

まず、これまで深謀遠慮にして闊達自在の軍師として描かれてきた昌幸パッパの前に、初めて同レベルの狸が現れます。

それが意外な事にこれまでコント枠で描かれていた徳川家康っていう。

かつてパッパが信玄公の下でフルボッコにして泣かせた家康が、立派な狸に成長して、パッパの仕込みをすぱっと見抜き、直江兼続に確認させるとかいうギリギリのブラフをかましてくる。

狸と狸の丁々発止、内野聖陽と草刈正雄のガチ対決という贅沢シーンを存分に見せつけた後、満を持して、織田信長が登場します。

これがまた怪物じみていて、すんばらしいわけですよ。

織田信忠、滝川一益、徳川家康も平伏する中、いっこうに現れない信長。

どこからか、コツコツという音だけが響いてくる。

この時代、ほとんどの人は靴音なんて聞いたことないはずで、特に昌幸と信繁は全身を耳にするように緊張しながら、音の出所を探す…

やがて洋装の、異様な風体の信長がゆったり現れ、昌幸に「真田安房守殿か」と声をかける。

あの不敵なパッパが「ヘェエエエエ」と田舎のおっちゃんみたいな声で平伏してしまう。

信長は昌幸と目を合わせ、目の底を覗き込むように、「良き面構えじゃ」とだけ言って立ち去って行きます。

言うまでもなく昌幸完敗。

甲斐信濃で内ゲバ…までいかないけど、武田の家臣同士・信濃の国衆同志でgdgdやってた昌幸と、天下統一目前の織田信長は戦ってるレベルが全然違いました。

「独眼竜政宗」の小田原評定で、自分の領地では「織田・豊臣なにするものぞ」とか吠えてた政宗が勝秀吉に鼻っ柱を折られる名シーンがありましたが、パッパもまた信長に位負けするのです。

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画像転載元:NHK公式サイト

すべては超高速本能寺の変のために

で、そんなおっかない信長と昌幸の泳いだ目を上書きするかのように、今度はドMな明智光秀が登場してすべてをかっさらいます。

桜の花散るピンクの照明の中、激しく自分を打擲する信長を、恍惚感を浮かべてうっとり見つめる光秀、はっと我に返る信長、みっともないくらい信長の暴力に怯えながらも光秀を介抱する家康。

短くも異様なシーンで、狸→魔王→変態と畳み掛けて盛り上げに盛り上げる。

これを見つめているのがまだ少年の信繁なので、目の前で見た者を解釈できない。そのせいで視聴者は信繁が見たものをまるごとどどんと受け止めざるを得ない。

そして一転、真田の郷の平穏なシーンに戻ります。

パッパが沼田城を滝川一益に明け渡すために叔父さんに詫びを入れたり、小領主の惨めさを愚痴ったり、安土に送る人質の件でコントして、と、何事もなかったかのように進んだラスト3分で超高速本能寺の変。

ナレ「その夜、信長が死んだ」

濃ゆいシーンを津波のように畳み掛けて、何事かあるぞあるぞと思わせて、ぱっと花火みたいに信長が死に、すべてが崩壊する。

超高速で終わらせる本能寺の変、それによって浮かび上がる真田家の寄る辺なさを表現するために、それまでの40分であの贅沢で思わせぶりなシーンを作り込んだわけです。

すごく潔くて、面白くて、いやほんと、痺れましたねえ…

第4回は、この脚本と演出、そして信長とその他を絵面できっちり分けて見せた衣装さんにつきると思います。いいもん見せてくれてありがとう。ありがとう。

画像転載元:NHK公式サイト

超高速歴史イベントといえば…

昨年の「おにぎり燃ゆ」に触れないわけにはいきません。

杉文、あるいは楫取美和子という女性が大河の主人公足り得た理由が、

維新テロルの導師・吉田松陰の妹であり、その高弟・久坂玄瑞の妻であり、維新後も明治政府の高官を務めた楫取素彦の後妻であったっていう長州女子の中でも新政府の主流となるような関係に近い、普通じゃない立場であったからなのに、

攘夷にも開国にも討幕にも一見識もなく、長州発日本を変える重要イベントをほぼallスルー、あるいはナレのみっていうドラマ作りが批判を浴びたのであって、

今回の本能寺の変の高速処理とはまったく意味合いが違いますけれどね。

そうなの、ドラマの中での大きなイベントにはちゃんと意義を持たせて欲しいし、ドラマ全体との整合性も合わせてほしい。

逆にそこが出来てれば、史実と多少違ってても、いやまったく違ってても、楽しめるんですよ。

でも、まあ、真田丸が始まった今だから思うけど、ほとんどロケもなく、奥御殿で出世しても同じ打ち掛けを着た切り雀だったおにぎりに「申し開き」の機会がないのはほんと気の毒ですね

限られた大河の予算を「真田丸」にふりむけるためにおにぎりの予算は節約に節約を重ねさせられたんじゃないかと思って、あんまり責められない、と思う私もいる。

でも、そんな理由で一年間も苦行を強いられたのかと思うと、視聴者として別の殺意怒りが湧きますけどね。

どうせなら過去名作総集編を一年間放送してくれた方が、どんだけよかったかしれぬわ。大ボケめ。

追記:レビューはいつも水・木深夜にアップしていましたが、今週は本職が繁忙のため、木・金になってしまいそうです。ごめんなさい。

明日はちょっと短い記事をアップする予定です。

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