2016年1月–これは確実に読んどけっていう歴史漫画作品をまとめみた〈1〉

ice-1079233_1280

歴史を題材にしたコミック作品をまとめてみました。

歴史の魅力はその雄大さ、壮麗さ、感情のメリハリ、現代を舞台にした作品では表現できない残酷さや献身、苦悩や喜びが描かれるところ。振り幅が大きい作品になるのですね。

そして歴史漫画には、画力と知力、ストーリー構成力の両方が求められるので、自然と良作が多くなるのも魅力。

作家さんに力がないと、歴史漫画って描けないんです。

画力、群像劇を描くストーリー構成力、史実を創作に無理なく活かす知力。だから自然といい作品が多いのかなあと。ジャンル自体は過疎ってる感じありますけど。

というわけで、いろいろお勧めしておきますね。

スポンサーリンク
ad

乙嫁語り

19世紀の中央アジアの風俗を丁寧に描いた作品。

遊牧民たちに搾取されるばかりだったルーシ(ロシア)が西欧化・近代化して、中央アジアに進出し始めたころ。中央アジアの黄金時代の最後のころ。美しい中央アジアの前近代の生活がこれ以上ないくらい魅力的に描写されます。

作者の森薫さんはとにかく画力が高いことで有名な作家さんで、この作品でも、綿密で華麗な衣装とか刺繍とか馬や動物たちの描写が一番の魅力になってますね。

ただ、美しい絵柄でえぐいことも意外ときっちり描くんですよね。きちっとしたところがこれまたいいのです

「乙嫁」はかわいいお嫁さん、若いお嫁さんのこと。

メインヒロインのアミルはこの時代・この地域では20歳というかなり年のいったお嫁さんですが、美貌で万能で気だての良いほのぼの嫁。6歳年下の夫のカルルクとすこぶる仲良しですが、実家にやや問題が…

アミル・カルルク夫妻の周囲と、カルルクの家に滞在していたイギリス人冒険家のスミスが出会う様々な嫁たちの物語がオムニパスで描かれていきます。

美しく賢く悲しい未亡人、元気すぎる双子の嫁入り、深窓に暮らす世間知らずで浮世離れした繊細な嫁、彼女の夫の第2夫人となった姉妹妻(百合です…)。

最新の8巻ではアミルの友人、喪女のパリヤさんの嫁入り支度が超かわいい♥︎

とっても人気作品なので、未読の方はぜひどうぞ。

アンゴルモア〜元寇合戦期記〜

鎌倉時代中期の元寇、クビライの大元ウルスが高麗とともに行った日本侵攻のうち、1274年秋の対馬侵攻を、侵略される対馬の立場から描いた作品。

対馬・壱岐侵攻が、大変過酷で残忍なものであったことが歴史資料に残されていますが、これをきっちり絵にしています。読むのもなかなかしんどい。

しかし、最初から負け戦であることが確定した防衛戦なので、主人公の元鎌倉御家人・朽井迅三郎の超人的な活躍がすごく生きる。主人公がどれだけ最強で、天才でも、戦力差が半端無いために局所的な勝利をわずかに得られるだけというリアリティが、作品の緊張感を保ちます。

これに、鎌倉幕府成立期の平家の落ち武者伝説や、飛鳥朝の防人の末裔たちなどなど、伝奇的な要素が絡み、いい感じに風呂敷が広がって行く…この作品の素晴らしいところは、対馬侵攻9日間という期間制限が設けられているので、ちゃんとまとめられるであろう!!と最初から期待できるところです。

こんなに風呂敷広げちゃって大丈夫か、という心配が無用。その分安心して楽しめる。

ヒロインの輝日(てるひ)の人間的な成長の描写もすばらしい。彼女は名前の通りこの物語における女神で、リアルに描かれた人物たちの中で、数少ない理想的な外見を持つ人物。

最初はほんとに世間知らずで高慢な(でも対馬を守ろうと必死な)お姫様でした。

その彼女が父や兄、幼なじみ、領民たちの無惨な死に立ち会い、施政者としての心のあり方、真の振る舞いを身につけていく。

彼女の成長の物語として読むとまた別な作品になる、多元的なエンタメ作品です。超おすすめ。

薔薇王の葬列

15世紀のイギリス、フランスとの百年戦争終戦後に起こった薔薇戦争、つまりイギリス諸侯のカオス過ぎる内乱を舞台にした、ヨーク朝の最後の王となるリチャード三世(グロスター侯リチャード)の物語。

この物語のリチャードは両性具有者。王子として育ちますが、次第に女性としての特徴が目立つようになります。

そんな彼をどうしても愛せず、苦しみながらも機会があれば命を狙う母親のセシリーと、父親としてリチャードを守り、惜しみない愛情を注ぐ父親のヨーク公リチャード(主人公と同名)。

リチャードは、母親からの憎悪と攻撃、父親からの愛情と守護という分裂と混乱の狭間で苦しみ、次第に悪魔的な性質を強めていきますが、リチャードの悪魔的な側面を象徴するのが百年戦争時にイギリスが処刑したジャンヌ・ダルク。

ジャンヌの復讐を体現するかのように、リチャードは自分でも気づかぬうちに父親を死地に追いやり、国王ヘンリー6世とその息子エドワード(父親の血は引いていない)に同時に愛されることでランカスター家に不和を起こすなど、イギリスの混乱を招いて行きます。

要するに少女漫画の伝奇作品なのですが、薔薇戦争のカオスっぷりを格調高く描いた作品。

この作品のもう一つの魅力が絵で、ヨーク公リチャード・プランタジネット、その嫡男のエドワード、ランカスター家のヘンリー6世、彼の嫡男のエドワード王子など、男性はみんな理想的に描写される超イケメン。

対して、リチャードの母親のセシリー、ヘンリー6世の王妃マーガレット、兄嫁のエリザベス・ウッドウィルなど、女はみんな超こええ。だがそこがいい。女の描く女はシビアよ。

作者の菅野文さんは「乙男(オトメン)」を描いてたころはこういう作品を描く人とはまったくおもわんかったです。

でもペンタッチで美しく書き込まれた背景も含めて、とっても魅力的。おすすめ。

…熱く語ってたら3作品しか紹介できんかった  φ(;;;`д´)

隙を見てまたお勧めさせてください。とりあえず今週前半は真田丸一色の予定なので、そのあとでね♥︎ ふふふ…

スポンサーリンク
ad
スポンサーリンク
ad

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA