さくさくレビュー信長燃ゆ〈6〉燃上がる前久の愛。本能寺の変、そして…

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これでラストです!

真田丸が始まるまでの筆遊び?のつもりでレビューし始めた信長燃ゆに、意外に時間がかかってしまいました。細切れにしてしまってすみませんすみません…

ではラスト、日本史上でも屈指のハイライト、「本能寺の変」です。

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信長さまのフラグ立てが始まる

●信長が上洛の手みやげに茶器を選んでいるところに、お市の方がやってきます。

「毛利を平定したらお前にこの安土城をやろう。好きに生きろ。嫁ぎたいなら嫁げ」と、やけに優しい信長。

え、ちょっとそれなんてフラグ…

市もおかしいと思ったのでしょう、「そのようにやさしい信長は信長ではない。終生鬼でいられよ」と冗談めかして返し、兄妹は和解します(嗚呼…)。

信長は朝廷攻略が終わったら日本を平定して海外、とようやく自分の目標に近づいたことに静かにwktkしています。

●翌日、信長は出立します。蘭丸は供回りが少ないのでは、と案じますが、信長はご譲位の祝賀に大軍は礼を失する、このままでいくと朝廷への配慮を見せます。

この信長は、敵対すると容赦なく厄介な事この上なんですが、自分を慕い、庇護下に入ったものには過剰に寛容になる…という癖があることが、近衛信基や晴子で何度も描写されてきました。

そのため、朝廷が自ら折れて来た事でまるっと信長の庇護下に入ってしまったと信長が思い込み、親鳥モードが発動してしまったということが視聴者にはわかるようになってます。

これはいい伏線の張り方。

信長の晴子との関係が「愛」なのかというと、ちょっとわたしは同意できなんですが、信長のそういう癖を表現するのに必要なキャラクターだったのは理解できますね。

自分が目標を達するための手駒には毒親かってくらい厳しく、そこを突き抜けてきたものは正しく評価し、自分を慕うもの、庇護下にいる弱いものたちには情けをかける。

こうして信長が男性の理想像の一つであることが表示されます。信長の場合、あんまり苛烈なんで変人に見えちゃうんですけど。

●坊丸のナレがこの時の信長の笑顔がどれだけ晴れやかだったかを伝えます。

前久、晴子、秀吉は…

●まだまだ続くよフラグ立て。次は前久です。朝廷を説得してくれた礼にと、茶器をどっさり渡します。

「野心からではなく、この国を守るためには公武を掌握する必要があったのじゃ」

信長は心から前久に感謝し、これからの助力を請います。

もちろん前久はこれにうっかりほだされて、計画を漏らしたりはしません。そんなことはしないのですが、ふと悔やむような表情を見せます。

●内裏では践阼(帝の代替わり)の儀式がすみ、新帝である誠仁親王は本来なら奥にこもって潔斎を続けるべきところ、寵妃である若草の君といちゃいちゃしとります。

たしなめる晴子に、親王は「光秀に信長征伐を命じた」と明かします。

「そなたの愛しい男は今頃死んでおるだろう」といいながら、親王は晴子を抑えつけて放しません。

「そなたを失いたくなかったんじゃ〜〜〜」と未練タラタラの親王を、おそらく心の中では足蹴にしながら、晴子は信長に知らせようと懸命にもがきますが、それは叶わず、どこかの離れの物置小屋みたいなところに縛られて放り込まれてしまうのでした。

●その頃、明智光秀は信長が逗留する本能寺を襲撃します。

●一方、秀吉は前久からの手紙によって、光秀が信長を討つことを知ります。前久は秀吉を高く評価し、光秀の邪魔をしうるのは秀吉だろうと踏んで、事前に釘をさした上、今度は傍観を依頼したのです。

秀吉はそれを受け入れます。上様が簡単に討たれる訳はない、しかし万が一に備えてすぐに京都に戻れる準備をしておけ、と黒田官兵衛に命じる秀吉。

「せめてすぐに仇を討つのが上様への忠義じゃ〜」と調子良く語る秀吉は、既に信長亡き後の後継者争いに目を向け、行動しているのでした。

信長の最期(の敦盛)

●襲われた信長は、相手が光秀と聞き、自分がここで死ぬ事を一瞬で悟ります。

坊丸には女たちを連れて落ちのびるよう、そして蘭丸には自分の死地を守るよう命じます。

●近衛邸では、信基が本能寺が襲われた事を急ぎ父に知らせます。驚かない前久を見て、信基は黒幕が実父であることをさとり、逆上します。

「父上は信長様に嫉妬しておられたのだ」と半泣きで攻める信基に、今度は前久が逆切れします。

「何を言うか、信長のことを最も理解し、崇拝しておったのはわしぞ! 信長の唯一の朋輩はわしぞ!」「だがこの国のために信長を殺さなければならなかった。この苦しみがわかるか!」

そんなに愛していながら…謀略を続けるうちに自分の愛を見失ってしまったんですね。

これぞ悲劇(涙。

私は前久というユニークな人物について、これまで眼中にいれてなかったんですが、信長への愛はともかく、文武両道で行動力と胆力に優れつつ、有職故実にも詳しい文化人という一種の天才だったんだなあと。

客観的に前久のことを評価・表現するような場面があったほうが、前久も信長も、ドラマ内で格があがったんじゃないか、という気がします。

多分尺の問題でしょうが、ちょっともったいなかったですね。

●炎に包まれた本能寺に、伊賀忍者の残党(の的場浩司たち)が現れて襲いかかりますが、あっさり撃退。

この人たちはここで本懐が遂げられないのが様式美なのに、なんで伊賀攻めエピをあんなに延々描写するのかなあ。ここで信長が打ち取られるなら、骨髄に達するような恨みを描くのもいいと思うんですけどね…

●一方、内裏に囚われていた晴子は、自分が妊娠していることに気がつきます。自分を捜しに来た女房に縄を解かせ、晴子は信長に謀反を知らせようと本能寺に走ります…

●が、すでに信長は炎の中でした。

片肌を脱ぎ、扇のかわりに血糊のついた太刀で、最期の敦盛が披露されます。でもやっぱり踊りだすとヒガシ。「是非に及ばず」の決め台詞も決まって、決まった…決まったけど…。

最期の舞いは締まってなかったけど、最期まできりっと美しい信長のおかげで、本能寺を包む炎が、部下に理解されず、道半ばで死ななければならなかった信長の無念の怒りの炎に見えました。

信長役はこういうのを表現しなくちゃ行けないから難しいよね。

●焼け落ちる本能寺を呆然と見守る晴子。

前久は憑き物が落ちたような顔で、髷を切り落として出家します…

語り終えた坊丸は…

●自分が知りうる事実をすべて語った坊丸(内藤剛志)は「信長様と晴子さまの熱い思いを伝えることができました」と、晴子に生き写しの女人(栗山千明)に感謝します。

熱い思いがあったのは、どう考えても前久の方ですが、まあ表向きこういうのはしょうがない。前久あわれなり。

女人が去った後、坊丸は主君と兄の傍へ。つまり自刃します。

●そして晴子の生き写しの女人とは、35年前に本能寺の変で倒れた信長が、晴子の腹に残した娘、つまり、後陽成天皇の妹の王女なのでした。

信長燃ゆ 完

いやーほんとに主役が前久(寺尾聡)でしたね!!

信長と晴子の愛とか、熱い思いとか、そんなもんあったっけ…くらい霞みました。あの白い鎧はなんだったのかという思いはチラっと頭に残りますけど。

個人的には、ヒガシが美しくて良かったなあみたいな思いはあんまりなく、むしろ、信基や晴子に無邪気にデレデレする人間臭さが非常に良かったなあと思います。

自分の子供にはものすごく厳しく、しかし情け深いっていうのも良かったし、また、武将たちには苛烈に怒りはするものの、その怒りは理不尽なものではなく、信長的には一貫性があったのだ、というのも良かった。

光秀もただ信長に怯える人物ではなく、抗弁すべきところは抗弁する人物として描かれ、しかし最期は戦国武将として一代の賭けに出て行くことで、ちゃんと扱われているという救いがありました。

残念なところも多かったんですが…でもいいシーンがたくさんあり、数少なくなった歴史コンテンツをちゃんと作りたい、というスタッフと役者さんの意気込みを感じたので、まあ良作だったと満足しておこう。

前久の愛に免じて!!

※ヤマダ電気はCMを入れる場所と入れ方をもっと考慮せよ。

2016年はテレ東のゴールデンに時代劇が復活するとのことですし、ぜひがんばってほしいですね。ではでは、次はようやく真田丸…の予定です。アデュー!

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