花燃ゆ 第十一回「突然の恋」感想

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○松蔭の塾は次第に評判となり、塾生も増えてきました。
そこで杉家の納屋を改装して、玉木叔父の私塾を継ぎ、改めて「松下村塾」とします。
松陰先生、女子向けに女大学の講義もしてみましたが、これは大不評でした。女子たちはこっそり塾生の品定めです。スイーツ展開ですね…

○奥手の文は塾生のお世話に明け暮れますが、姉の寿は年頃の妹を案じて、「兄上は文をどうするつもりなんですか、これでは文は塾生たちの女中です!」ともっともな言い分で兄に責めよります。
親も兄も頼りにならない、塾生にめぼしいのもいない、と一瞬で判断した寿は、妹の縁談は私がなんとかする!と宣言。
どうするかというと、吉田稔麿が江戸から送ってくれたスイーツレシピの中から上流階級の奥様に受けそうなものを文に作らせ、椋梨奥のお茶会デビューをさせ、良家の奥様たちに顔見せして少しでも良い縁を紹介してもらおう、という算段。オイオイ…
しかし、寿が自分の着物の中から良さそうなのを見繕って文に贈る、というシーンは良かったと思います。煽りスキルがレベルキャップな次男と、なにかと人をそそのかす次女にくらべて、杉家の長男長女はなんやかやいってもまともです。

○しかし文ちゃんは幼さもあって、まさか姉がそこまで考えているとは思いません。
差し入れだけのつもりでしまむらの服のままでかけたら、ハイブランドを身にまとったセレブの奥様サロンに通されて、場違いのあまりフリーズしてしまいます。これは辛い。
しかも、寿が供を頼んだ久坂くんが、屋敷を覗き込んでいたとかで門番にとっつかまって、奥様の前に引き出されてしまいます。
名士の奥たちの華やかな集まりにそんな無粋なことを報告するなんて無能な門番ね、と脳内マギー・スミスが登場。ほんと、よく考えて脚本かけよな…

○文ちゃんはあわてて椋梨奥様に久坂くんの非礼を詫び、久坂も頭を下げます。
姉の寿も、「罪人の家族ですが、だからこそなんとか少しでも良縁をご紹介いただきたいと思いました。浅はかな考えですが、そこをなんとか」と必死に頼みこみます。
あらあら若者は仕方ないわねえ、あらよく見れば坊やかわいいじゃない♪ 良縁? いいわよ、なんとかしましょ♪ と腹黒く笑う椋梨奥。

○一方、大人パートでは、幕府が開国についての意見書の提出を各藩に求めています。
これは前代未聞の画期的いうか、末期的な大変な事態なので、普通の大河ドラマであれば、ある者は幕府の弱体化を嘆き、ある者はにやりとほくそ笑む、登場人物たちの思惑が交錯する場面となるはずなのですが、スイーツ大河では年中行事みたいな扱いです。
長州藩でも意見のとりまとめを行いますが、藩内派閥で最も権勢を誇る椋梨様は、ろくろく議論もせず、お国のことより藩の財政再建、外国のことは幕府におまかせでいいんだ! 幕府に楯つかず、黙って応援するのが国の役に立つってことなんだ!! と自分の意見のみをまとめた幕府追従の意見書を伊之助に書かせます。

○現在の状態で開国なんかしたら外国にやりたい放題されて日本がめちゃくちゃになってしまう、と危機感を募らせる伊之助は、もう一度話し合いましょう、と椋梨様に訴えます。が、まったく相手にしてもらえません。
とうとうかつて親密だった周布様のお屋敷にまで押し掛ける伊之助。しかし周布様は、俺を裏切ったくせに!と伊之助を責めます。いや当然です。
しかしここも普通の大河なら、自身のちんけな嫉妬心などはぐっと堪えて、大義のために協力し合うもんなんですが、スイーツ大河なので情緒優先です。
伊之助もせめてあの時根回ししとけば良かったのにね。

○ところで、前原一誠(だよね?)が、自分の思いを切々と語る場面は、今回唯一よかったなあと思いました。
内容はうーん、まあ先週と同じメタなんですけど、佐藤隆太さんの落ち着いた呼吸や発声、知的で優しそうな眼差しにしみじみうっとりしちゃいました。
うおーまさか佐藤隆太さんに萌えるとは。でもぜひまた見たい♥

○翌日、文ちゃんは今度は姉の着物を着て、塾生たちもびっくりするような、見違えるような姿で椋梨奥サロンのお香の会にでかけます。
お香の会では、貧しいながらもきちんと躾けられている主人公的エピソードを盛り込んで、文ちゃんの株を上げてやればいいと思うんですが、なんか臭いもんかがされちゃってサイアクゥ〜みたいなしょうもない演出でした。がっかりです。

○日が落ちると、周布様に振られた伊之助が、自棄酒をあおりに赤ちょうちんにやってきます。
そこではすでに久坂くんがへべれけになっていました。久坂くんは文ちゃんの娘姿を見て、自分のモヤモヤした気持ちが実は恋なんだと気づかされてしまったのです。
日本の開国前夜、文ちゃんの最初の夫と、二人目の夫は、酒を酌み交わしながら、それぞれ文ちゃんへの思いを語ります。
久坂玄瑞「僕はダメな男だよう、美人じゃないなんて言っちゃって、どうしても素直になれないよう、どうしたらいいんだよう」
小田村伊之助「あいつに嘘は通じない(キリッ」
まとめるとこんな感じでした。

○伊之助は、敬親公の御前での意見書取りまとめ会議に出席します。
椋梨様の狙い通り、家臣たちは伊之助を含めて誰一人椋梨様に異議を唱えることなく、「意見は特にないので、何事も幕府がうまくやってください」っていう、最低な意見書(ほとんどの藩がこんなもんだったらしいですが)が決まりそうになりますが、最後の最後、ついに伊之助は椋梨様に反意して「そんな無難な意見書なんて幕府は求めていません。幕府が求めているのは建設的な意見です。ちゃんとした意見を出す事が幕府への忠義です。もう一度皆でよく考えましょう!!」と正論を盛大にぶちかまします。

○その上、周布様も、また他の人も、「我も」「我も」と続いちゃったもんだから、まるで椋梨様一人がお悪いような雰囲気に
みんな最初は椋梨様に追従してたくせにね。
しかも椋梨様はお気の毒なことに、こういう時にアドリブが出ないまじめなお方で、フリーズしちゃうんですよね
もしこれが竹中直人だったら、黒光りした笑顔で「はははっ。お前の言う通りじゃ小田村、実はわしもそう思っておったんじゃが、藩のためを思って無難なもんにまとめておいたんじゃ」かなんかうまく言い逃れちゃうと思いますが、徳川ジャパン250年のうちに武士の官僚化が進んじゃったからしょうがない。
残念な椋梨さまが硬直しているうちに、お殿様が「そうせい」とまとめてしまい、椋梨様は失脚してしまうのでした。

○椋梨様失脚、しかもその原因となったのは小田村というわけで、小田村の嫁の寿はセレブ奥様のサロンから閉め出されてしまいます。
夫の方は、椋梨様の懐に潜り込み、影でいろいろ画策してついに失脚にまで持ち込んだせいで一皮むけてしまったみたい。
最近ご無沙汰していた松蔭に、曲げない男と折れない女を夫婦にしちゃいなYO!と手紙をかきます。
いつの間にか久坂への思いに気づいていた文は、静かにそれを受け入れ、久坂と文はついに結ばれることになったのでした。

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凄まじきスイーツ大河の破壊力よ

見ているときは、視覚情報でいろいろ補填してるし、テンポよく進みさえすればまあ耐えられるんですが、こうして文章に書き起こしてみると、自分が見ているのがなんなのか、思い知らされますね。
一番すごいなーと思ったのが、もう日米修好通商条約が結ばれそうなのに、まるで緊張感がないことです。
もっと多くの人が開国か攘夷かと大騒ぎし、家臣たちの意見も割れ、外様のお殿様も思い悩むもんなんですが、そういう描写がまったくない、ていうか、どんどんなくなっていく。
まだ最初の頃の方が、幕末を志士たちの家族の視点で描くっていう意図が感じられました。いったい今やっているのはなんなんだろう。
トーマスとオブライエンの竜虎の戦いのごとき緊張感を見習ったらいいと思います。

視聴率的にはどんどん下がってきているそうで、良かったです。これで盛り返したら絶望しますからね。ではではアデュ〜!

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