花燃ゆ 第三十八回「届かない言葉」感想 椿、カラス、水仙。安達もじり演出が爆発。

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今週もtogetterまとめさせてもらいました。

見なくても分かる「花燃ゆ」リアタイTLまとめ おにぎり食べて夢を語ると死ぬ大河 #38「届かない言葉」

引用させてくださったみなさま、ありがとうありがとう。

・・・

さて、今回は明治2年11月末から翌3年の3月までの諸隊反乱です。

奇兵隊の書き込みは全然足りないと思うんですけど、こうしてちゃんと始末をつけたのは珍しく良かったのではないでしょうか。学芸会レベルでしたけど。

龍馬なんて「龍馬登場!」なんて回があったのに、暗殺はスルーでしたもんね。

脱退騒動が起こる少し前に大村益次郎が暗殺されました(明治2年11月5日)。

花燃ゆでは、四境戦争の時にちらっと名前が出ただけですが、この大村益次郎って人は緒方洪庵の適塾に学び、塾頭までなった人で、幕末に蘭学の知識を買われて長州藩士になり、四境戦争〜戊辰戦争で大変な活躍をしました。

大変な合理主義者で、医学から学んだ実践的・論理的態度を軍事的な才能に転化させた一種の天才です。

しかし人の気持ちがわからないタイプで敵を多く作りました(ありがち)

その大村は明治日本に近代陸軍を作ろうとします。

薩摩の大久保どんは、薩摩長州土佐の藩兵を再編成した政府軍を考えますが、大村は藩兵に依存せず、徴兵と、西洋式の軍人教育による職業軍人の育成で政府直属の近代的な軍隊を作ろうとし、各方面と衝突するんですね。

今回の脱退騒動は、長州の財政難、経験不足の元徳の焦りから生じた事に(ドラマ内)ではなってましたが、明治政府の兵制改革も遠因の一つであったろうと思います。

大村益次郎は割と好きなので、補足してみました。

では、本編を見ていきましょうか。

今回は直後のツイートで割と良かったなんて書いちゃいましたけど、レビューを書いてみたら間違いなくゴミだったということは、普通によくあります。

なんだか予感がする。

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序盤は平和な山口

●都美姫が敬親とともに隠居し、奥も銀姫に代替わり。

美和は銀姫のもとで跡継ぎの守役として、乳母の次席に出世します。実質的にNo.3で、これにより美和は奥を取り仕切ることに。

今回はこれだけでアバン終了。めずらしく短い。

●出世しても畑仕事が大好きな美和さん。

畑で取れた野菜を病に倒れ、療養中の大殿にお届けします。

大殿夫妻は同じ城中に暮らしているご様子。御殿だけ引っ越した感じですね。

大殿は自分が植えた野菜が実ったことに大喜び。さすが美和様、抜け目がありません。

●でも、ここでちょっとおもしろかったのが、美和が、寅次郎も自分も子供の頃から畑仕事をするのは当たり前の事でした、と殿と雑談をするのを、都美姫が「武士が畑仕事をするのが当たり前なんて」と咎めるというか、侮蔑するところですね。

大殿は「家臣や領民には苦労をかけた。すべて自分のせい」と美和をかばいます。

下級武士の録がそれだけでは生活できないくらいに少ない、その貧困が自分の藩政改革のせいである事を殿は理解してるけど、都美姫は江戸住まいだったし、お姫様だし、わからない。

そういう温度差がちらっと出たのは面白かったです。

ちと敬親公が名君すぎる気もしますけど。

●都美姫は、久坂の遺児のことを気にしています。

子を産めなかった女として、どうも仲間意識があるみたい。

でも奥勤めの女性で、子を産めなかった人はいっぱいいるんじゃないでしょうか。そゆ人たちはどうなんでしょうか。日出様とか。

現時点ではピンときませんが、久坂の隠し子関連の伏線と思われます。

●表の政治パートでは、知藩事になった元徳が軍縮問題に悩んでいます。

殿の御前の家臣はなんと4人。楫取元彦と高杉小忠太、あとは青二才が二人。優秀な人は死ぬか、中央政府に吸い上げられちゃって明らかに人材不足。

これは楫取も戻らざるを得ないと納得の絵面です。

●青二才二人は、百姓町民はリストラして元の身分に戻せばいいじゃん、と若いのに残念な思考。

楫取は、いきなりリストラなんかしたら大変なことになる、強引に物事を進めちゃいかんです、と止めるんですが、どうも元徳は成果を早く上げたくて逸っている様子です。

●奥パートも揉めています。

美和は、時代がかわったこと、江戸城大奥のように諸藩の奥が閉じられることもある、今から奥勤めの女たちの行く末を考えるべき、と銀姫に諌言します。

が、前回と同じく、銀姫は「奥がなくなるかも」という未来予測を受け入れません。

園山様は、銀姫に引き立てられながら、銀姫の機嫌を損ねることを恐れない美和に感心します。

ここも良かったよね。いまさら美和が銀姫の機嫌なんて気にするわけはないんですけど、それを園山様が言う事をうまく忠義ものとして持ち上げたと思います。

園山様は「銀姫様は興丸様の将来が心配でかたくなになっている」と冷静に分析します。

次第に雲行き怪しく…

●楫取と美和は(何故か)兵制改革、特に諸隊に編成されていた百姓・町民の解雇について話し合います。

解雇されそうな者たちは、元々自分の田畑もない、次男・三男で、身を振る先はない。

武士になりたいという者もおったとききます」と亡夫のことをさりげなく思い出しちゃったりもして。

それはともかく、考えなしに諸隊を解散しても政情が不安定になるだけんですが、青二才と元徳はどうもそこまで考えてない様子。

それを必ず説得する、と楫取は決意を新たにします。美和は銀姫の説得がうまくいかないと愚痴ります。

いちゃいちゃするのは早いよお二人さん、とか、なんでお前らがそんなこと相談してるんだよ、とか、いろいろ思わせるシーンですな。

●そこに日出がやって来て、若殿が2000人の解雇を強行したことを告げます。

楫取真っ青。高杉小忠太も「このままでは済みますまい」と眉を潜めます。

史実では奇兵隊を創設した高杉晋作の父である小忠太が、この脱退騒動の鎮圧に活躍するという歴史の皮肉があるんですが、花燃ゆなのでそこまでシビアな現実は描きません。残念。

●楫取は若殿を諌めるんですが、楫取っていつも助言に具体性を欠くので、効果がありません。

このあと、長州での反乱が全国に飛び火することを恐れた木戸が、新政府から鎮圧軍を派遣するんですけど、

いきなりリストラしたら政情不安になる

却って新政府からの評価がだださがりになる

下手をしたら藩政への介入を許す事態になって、財政難どころじゃない

ってことを、この時点でしっかり説明すれば、馬鹿殿の元徳君だって理解できたんじゃね??

命がけで戦った仲間である隊士たちの話をまずは聞くべきだ、としか助言されない元徳くんを責められない。

楫取はとりあえず、脱隊した隊士たちの方に向かい、詫びを入れます。

●隊士たちを率いているのは奇兵隊の雲仙という男。

戦がしたいわけじゃないけど、やり方がひどい。なぜ虫けらのように追い払われるのか。我々は帰るところもないのに

と憤懣やるかたない気持ちを訴えます。

楫取はいずれ首を切るにしても、ちゃんと納得いくまで話をするべきだったと頭を下げますが、いやこれ内容ひどいから。

ノープラン。ノーアイデア。

納得いくまで話をするだけ。

●そこに萩から藩の正規軍が移動したという情報がもたらされます。

え、どんなルートからそんな情報が??

●楫取は城に取って返し、進軍を止めるよう元徳を説得するんですが、青二才コンビが楫取を咎めた上に、口汚く百姓を罵しります。楫取激怒

しかし元徳は「秩序を乱した者をこのままにしておけぬ」と、なんとちょっと前まで自分の将兵だった人たちを強行リストラして犯罪者扱い。

しかし、元徳の思惑を破るように、脱退士たちはなんと正規軍を迎え撃ち、破ります。

●こうして山口城は包囲されてしまい、美和は大殿夫妻、銀姫に避難を奏上しますが、元藩主夫妻と現知藩事の妻は、美和の意見を退けます。

上の方々の覚悟に、「わかりました。ではこの美和、命に代えても皆様を御守りします」と、ここで井上真央渾身の最近の決め台詞。

気に入った台詞があると、壊れたレコードのように繰り返すドラマだよね。

●美和は篭城(防衛?)の指揮をしますが、食料と薬の備蓄をって、萩の杉家でお母さんが言ってたのと同じレベルです。

園山様は長刀隊を縁側に並べて迎撃体制ですが、状況がそこまでやばいようにも見えないので、視聴者置いてけぼり。

序盤、割と良かったのに、だんだんおかしくなってきとる…それでも前回がアレだったので面白く見えてしまう……

木戸様が来るぞー

●山口での内乱は新政府の木戸の耳に入ってしまいます。

お膝元・長州の不始末と、同時期に起こっていた百姓一揆との合流、政情不安が全国に飛び火する事を恐れた木戸は、自ら鎮圧軍を率いて長州に戻ることに。

●楫取は殿の説得を続けますが、説得の言葉が「話を聞いてやってくださいませ」一辺倒じゃ殿もどうしようもないってことがわからないよう。

そこに、木戸の鎮圧軍到着の知らせが届き、「このままだと新政府の介入を許しますぞ!」という楫取の言葉がようやく殿に届きます。

そうそう、具体的に言うんだよ、具体的に。

●美和は楫取を訪ねます。って、説明もないのでどこだけわからないんですが、どうも城の外、反乱軍側の本陣みたいな感じです。

この後何度か同じ場所らしい場所が出てきますが、美和がつまみ出されるような描写もないので、本当に何がなんだかわからない。

説明がないのは、多分、美和が出張っていい場所ではないので説明できず、うやむやに描いているっぽい。

こういうところでまた自分を殺しちゃうんだよな。

●夜、美和は食べ物を求めて城に忍び込んで来た反乱側の少年兵と出会います。思わずお握りを握ってしまう美和。習性ですな。

食べ物をもらって、少年は気が緩んだのか、自分の身の上を話します。

兄と一緒に奇兵隊に入ったが、その兄は戦で死んでしまった。自分は身分の分け隔てのないアメリカに行ってみたいと夢を語る少年。

美和「この日本という国も、夢のような国になればいいと言うとった人を知っとる

俺と同じことを思うとったんか」と少年は美和に親近感を持ったよう。

しかし少年よ、このドラマにはお握りを食べて夢を語ると死んでしまう呪いがあってだね…

●楫取はとうとう殿の居室に入れてもらえなくなってしまいます。

しかし、安保審議中の国会前デモの如く、部屋の前で説得を続ける楫取元彦。

いくら騒いでも中の人に届かないところもそっくり。国会前デモよりは多少賢い楫取は、ついに大殿に仲介をお願いします。

で、それを園山を差し置いて取り次ぐ美和。なんでお前が大殿への取り次ぎまでしてるんだよ!!

●大殿はさすがに「これ以上一人の命も無駄に散らさぬためにも、あの者たちの話を聞いてやらねば」と、話が早いです。

●楫取を拒絶して苦悩していた若殿の方は、まるで楫取が大殿の部屋に行ったのを察したかのように、過ちに気づき、改心を決心します。

楫取を呼べ。あの者の言う事を聞くべきであった

タイミングよく部屋の外で元徳の決断を聞いていた殿他一同。水戸黄門か。

椿、カラス、水仙…

●ところで今回は演出のもじりさんが趣味を爆発させたのか、予算がないからしょうがなかったのか、やけに不思議演出が盛りだくさんでした。

ここに来るまでにも、椿(おそらく落首を連想して)やら、燃える打ち掛けやら。

多分なにかのアナロジーとしてサブリミナルのように差し込まれていたんですが、今度は屋根の上にとまったカラスのカットが不吉な印象で入れられます。

このカラスが後々重要な伏線に。

●山口に到着して布陣した木戸ですが、同じ長州人を鎮圧することには悩み、沈鬱な表情(ヒガシかっこいい)。

●(多分)同じ頃、大殿は元徳、楫取、美和を連れて反乱軍の本陣に現れます。ここに至っても場所の説明なし。架空の場所だし、詳しく説明するとアラがばれちゃうから仕方がない…そんで美和、なんでお前がそこに??

とはいえ、大殿の登場から、脱隊士たちが一斉に平伏、殿が話しだすところまでは、花燃ゆにしては珍しくロングショットで見応えがありました。

でもそれ以前のところが残念すぎです。

●殿は隊士たちのこれまでの働きを懇ろにねぎらい、これ以上争いを起こさない事を曲げて聞き入れて欲しいと楽しみます。

わざわざの大殿のお越し、思いやりに満ちた言葉に、雲仙は感激し、殿の提案を受け入れます…が、突然カラスが飛び立ち、驚いた兵士の一人が発砲。

銃声を聞いた木戸は反乱軍に先攻されたと勘違いし、迎撃を命じてしまいます。こうして戦闘が開始して…

えー…それなんて富士川の合戦??

●ここで合戦シーンのかわりに、謎演出が爆発!

もう予算を使い切ったのでしょうか。

舞い散る羽、燃える打ち掛け、椿、血しぶきを浴びる水仙が、どうも戦のアナロジーだったようですよ。

私的には、水仙の上に降り掛かる血しぶきがやけにオレンジ色で、まるでラー油のようで気になりました。あ、どうでもいいですね。

●脱走兵たちは同じ長州人である木戸によって鎮圧されました。

新政府樹立のために、血を流した長州兵が、藩に捨てられたあげく、新政府によって鎮圧されるという悲惨な末路をたどった事に、楫取は絶望します。

どうしてもう少し待てんかったんじゃ」と木戸を責める楫取。

しかし、木戸孝允は逆に楫取を責めます。

私は貴方ならなんとかしてくれると信じていたんですよ。このような事態を起こさないために、貴方は萩へ戻ったんじゃないですか?

どう考えても木戸の言う事はもっともです。

●美和は、またも反乱軍の本陣(?)とおぼしき例の場所に潜り込み、楫取を探します。そこに捕まった反乱軍の兵士たちが連行されて来ました。

あのおにぎり少年も。

少年は引っ立てられながら、美和に向かって「夢なんか見るんじゃなかった」と吐き捨てます。

美和は絶望する楫取のそばで、なす術もなく立ち尽くすのでした。

っていうか、お前はなんでそこにいて、そこはいったいどこなんだよ??

大筋は割と面白かったのですが

本編での奇兵隊の書き込みは全然満足するところじゃありませんでした。でもこのドラマにしては珍しく、始末まで描きにいったことは評価したい。

非常にベタですし、大げさで詰まらないんだけど、大筋は流れがあり、良かったです…ということにしたんですけど、

美和と楫取の存在によってささやかなインプレッションすら消し飛ぶこの現状、つらすぎですよ!!

あと残すところ12回。花燃ゆがどこまでいくのか。挫折しないで何人が着いていけるのか。ではまた。アデュー!

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